シグマは3月25日、Lマウントを採用したフルサイズミラーレスの新製品「SIGMA fp L」を発表した。2000年に発売した「SIGMA fp」と同じ小型ボディを継承しつつ、有効6100万画素の高画素フルサイズセンサー(ベイヤー配列)を採用したのが特徴。オートフォーカスは、コントラストAFと位相差AFのハイブリッド式とし、スムーズなピント合わせを可能にした。外付けのEVFユニット「EVF-11」も新たに用意した。fpの高画素モデルとして、風景撮影などを楽しむ人に売り込む。
価格はオープンで、予想実売価格は275,000円前後。EVF-11の希望小売価格は82,500円で、予想実売価格は7万円前後。fp LとEVF-11のキットモデルも用意する(予想実売価格は33万円前後)。発売日は4月16日の予定。
いつでも持ち歩け、日常的に使える「ポケッタブル・フルフレーム」のコンセプトを受け継ぐフルサイズミラーレス。「fp」の後継機ではなく高画素のバリエーションモデルという位置づけで、fpは併売する。
撮像素子は、有効6100万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー(ベイヤー配列)を採用した(初代fpは有効2460万画素)。ローパスフィルターを搭載し、高画素モデルで発生しやすいモアレの発生を抑えるようにした。シグマは「Foveonセンサーの画質を踏襲した」としている。最大画像サイズは9520×6328ドット。ボディ内手ブレ補正機構は搭載しない。シャッターは電子シャッターのみとなる。
画素数の多さを生かし、積極的にクロップ(切り取り)によるズームを行ってフレーミングするクロップズーム機能も搭載する。最大5倍ズームに対応し、5倍ズーム時はフルHD相当の解像度で記録できる。デジタルズームとは異なり、画質は劣化しない。スマートフォンと同様に、背面のタッチパネル液晶のピンチアウトによる直感的なズーム操作も可能。
本体のデザインやサイズはfpとまったく同じながら、fpユーザーの声を反映した改良を加えている。「軽すぎる」との声があった背面ダイヤルは、トルクのある重さにしつつクリック感もしっかり感じられるようにした。モードボタンはボタンの張り出しを抑え、誤って押さないようにした。側面のマイク端子のカバーも改良し、意図せず開かないようにしている。
オートフォーカスは、従来のコントラストAFに加え、新たに像面位相差AFに対応。動く被写体でもシャッターチャンスを逃しにくくした。ハイブリッドAFは動画撮影と写真撮影の両方に対応する。
新たに、撮影中のUSB給電に対応した。モバイルバッテリーなどを用いれば、バッテリー切れの心配なく途切れなく撮影できるほか、Webカメラとして使う場合もPCからのUSB給電で長時間の使用が可能になる。
バッテリー撮影枚数は、写真が約240枚(fpは約280枚)、動画が約60分(同70分)。本体サイズはW112.6×H69.9×D45.3mm、重さは約427g(メモリーカード、バッテリー含む)。
外付けEVFを新たに用意、fpでも利用可能
fpシリーズ用のアクセサリーとして、新たに外付け電子ビューファインダー「EVF-11」を用意する。0.5型368万ドットの有機ELパネルを搭載した高精細タイプで、側面の端子に接続して利用する。接眼部は90度の範囲でチルトでき、ローアングル撮影に対応する。EVFには、ヘッドホン端子とSSDの接続端子(USB Type-C)も搭載。EVF-11はfp Lとfpの両方で利用できる。
撮影設定をQRコード化する機能を追加、カラーモードは新たに2種類
新たに、撮影設定をQRコードに変換して保存できる機能を搭載した。fp LでQRコードを読み込めばワンタッチで設定を反映できる。おすすめの撮影設定をユーザー同士で交換する使い方も提案する。この機能は、ファームウエアのアップデートでfpにも搭載する予定。
カラーモードは、さわやかなブルーが印象的で透明感のある「パウダーブルー」と、が園配色を印象的な2色のグラデーションに置き換える「デュオトーン」の2つを追加。全15種類とした。