ASUS JAPANは、一般的なGPUドックの6%のサイズを謳う小型外付けGPUモジュールを用意することで、携帯性とハイパフォーマンスを両立させた13.4型ゲーミング2 in 1 PC「ROG Flow X13 GV301QH」を3月3日に発表、順次販売を開始しました。PC本体にはCPUにRyzen 9 5900HSまたはRyzen 7 5800HS、dGPUにGeForce GTX 1650、外付けGPUモジュールにはGeForce RTX 3080またはGeForce RTX 3070を採用。PC本体に外付けGPUモジュールを接続することで、最新3Dゲームを快適に動作させられるパフォーマンスを実現します。
今回は、PC本体の各部詳細だけでなく、外付けGPUモジュールあるなしのパフォーマンスの違いなども検証してみましょう。
8コア16スレッドの「AMD Ryzen 9 5900HS」を採用
今回借用したのは最上位モデルの「ROG Flow X13 GV301QH (GV301QH-R9G1650S32G)」(199,818円)。OSに「Windows 10 Home 64ビット」、CPUに「AMD Ryzen 9 5900HS プロセッサー(8コア16スレッド、3.00~4.60GHz)」、ディスクリートGPUに「NVIDIA GeForce GTX 1650」を採用。メモリは32GB(LPDDR4X-4266)、ストレージは1TB(PCI Express 3.0 x2接続)を搭載しています。
ディスプレイは13.4型WQUXGAグレアTFTカラー液晶(3840×2400ドット、338ppi、60Hz、タッチ対応、スタイラス「ASUS PEN SA201H」対応)を採用。外部ディスプレイ接続時には最大7680×4320ドットで映像出力可能です。
インタフェースは、ROG XG Mobileインタフェース×1、USB Type-C 3.2 Gen2×2、USB Type-A 3.2 Gen2×1、HDMI×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ROG XG Mobileインタフェースは外付けGPUモジュールとPCI Express 3.0 x8で接続するための端子で、USB Type-C 3.2 Gen2も含まれています。
通信機能はIEEE 802.11 ax/ac/a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 5.1をサポート。ノートPC本体には有線LAN端子は用意されていません。
ディスプレイ上部には92万画素のウェブカメラとアレイマイクを内蔵。生体認証は電源ボタン一体型指紋認証センサーで、右側面に配置されています。
本体サイズは約299×222×15.8mm、重量は約1.35kg。62Whのバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は約9.1時間と謳われています。
なおROG Flow X13 GV301QHには、今回の貸出機を含めて下記の3モデルがラインナップされています。
- 「ROG Flow X13 GV301QH (GV301QH-R9G1650S32G)」(199,818円)
Ryzen 9 5900HS/RAM32GB/SSD1TB/GTX 1650/13.4型3840×2400ドット(60Hz) - 「ROG Flow X13 GV301QH (GV301QH-R9G1650H120)」(181,636円)
Ryzen 9 5900HS/RAM16GB/SSD512GB/GTX 1650/13.4型1920×1200ドット(120Hz) - 「ROG Flow X13 GV301QH (GV301QH-R7G1650S120)」(136,182円)
Ryzen 7 5800HS/RAM16GB/SSD512GB/GTX 1650/13.4型1920×1200ドット(120Hz)
今回借用した上位モデルのみWQUXGA(3840×2400ドット)と高解像度ですが、リフレッシュレートが60Hzと低い点にはご注意ください。
外付けGPUモジュールはドッキングステーションとしても活用可能
外付けGPUモジュールは、「NVIDIA GeForce RTX 3080」を採用した「ROG XG Mobile GC31 (GC31S-026)」(136,182円)、「NVIDIA GeForce RTX 3070」を採用した「ROG XG Mobile GC31 (GC31R-026)」(108,909円)の2モデルが用意されています。
PC本体の電源をオンにした状態でも、外付けGPUモジュールは抜き差し可能。ただし、外すときにはトレイアイコンの「ROG XG Mobile」を右クリックして、非アクティブ化する必要があります。接続には50秒前後、取り外しには25秒前後の時間が必要です。
なお、外付けGPUモジュールには、USB Type-A 3.2 Gen1×4、DisplayPort×1、HDMI×1、有線LAN×1、SDメモリーカードリーダー×1など多くのインタフェースが用意されています。グラフィックス性能を上げるだけでなく、多くの周辺機器をケーブル1本で接続するためのドッキングステーションとしても活用できるわけです。電力を供給できるのでACアダプターが不要というメリットもあります。
86キーの日本語キーボードのキーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.7mm前後。キーボード面全体で剛性がしっかりと確保されており、打鍵感は良好。また、「\」キー以外の文字キーはすべて等幅に揃えられています。最初は「\」キーと「Back Space」キーが密着しているのがやや気になりましたが、意外とすぐに慣れました。個人的には長時間快適に文字入力できるキーボードだと感じました。
ウェブカメラの画素数は92万画素。解像度は高いとは言えませんが、室内でも明るく、自然な色で撮影できます。ASUSのスマートフォンで培った画像処理技術が応用されているのかもしれません。解像度さえ納得できるのなら、ビデオ会議などに十分実用的な画質を備えています。
ディスプレイの詳しいスペックは公表されていませんが、カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、sRGBカバー率99.7%という値が出ました。グレア(光沢)の表面処理、13.4型で3840×2400ドットという解像度のおかげで精細感は文句なしですが、色域と、60Hzのリフレッシュレートはゲーミング 2 in 1 PCとしてはちょっと物足りなく感じます。