在宅勤務が生活に組み込まれていく中、オンラインでのコミュニケーションが課題の一つとなっている。うまくいっているチームはこの変化にどう対応しているのだろうか。昨年2月中旬からいち早く在宅勤務へと切り替えたロイヤルカナン ジャポンで働く、Brand Experience & Direct to Consumer Managerの深瀬麻子さんに話を聞いた。

  • ロイヤルカナン ジャポンBrand Experience & Direct to Consumer Managerの深瀬麻子さん

ロイヤルカナンは、犬と猫の療法食とプレミアムペットフードを展開するフランス発の企業。そこで深瀬さんは公式オンラインショップ「マイ ロイヤルカナン」の成長戦略や年間計画の立案、犬と猫の健康や栄養ニーズについてのブランド活動を担当している。

育休明けにいきなり在宅勤務

――御社では昨年2月中旬からいち早く在宅勤務へと切り替えられたそうですね。働き方が変わった当初いかがでしたか?

1歳と3歳の子どもがいて7月に育児休暇から復帰したのですが、その時にはすでに在宅勤務体制となっていました。出勤せず、チームメンバーと直接顔を合わせる機会がない状況での復帰でした。

――そうだったんですか! それはかなり大変だったのでは?

どのように仕事をキャッチアップできるのか、正直、最初は内心かなり不安を抱いていました。でもいざ復帰すると、在宅勤務でも問題なく業務を進められるよう、会社公式のオンラインツールが導入されていて、社員はかなり使いこなしている状況でした。

最初慣れるのに少し時間が必要でしたが、気軽に声掛けができるチャット機能、カメラ越しに顔を見ながら会話のできるビデオ会議機能などオフィスにいるときと変わらないコミュニケーションを取ることができたのがありがたかったですね。思ったよりもスムーズに業務のキャッチアップをすることができました。

――すでに在宅勤務できる環境が整っていたんですね。

現在も社内・社外含むほとんどのコミュニケーションや会議にオンラインツールを利用していますが、オフィスにいた時と変わらず仕事を進めることができています。

席を外すときや戻った時にこまめに連絡を入れることで、誰がPCの前にいるのかリモートでもわかりやすく、チームも一体感を持って仕事をできているのではないかと思います。

子どもの送迎時間も柔軟に対応できた

――在宅勤務になってよかったことはありますか?

現在新型コロナウィルスの感染防止対策として、保育園への託児時間を通常時よりもなるべく短くする必要があって、通勤時よりも遅い時間から預けて早い時間に迎えに行っています。

■深瀬さんのとある一日
8:30 保育園送迎
9:00 始業、メール確認
10:00 チーム打ち合わせ・情報共有
11:00 社外エージェンシープロジェクト進捗打ち合わせ
12:00 ランチ
13:00 社内他部署打ち合わせ
14:00 メール返信・資料作成
15:00 部下との1 on 1ミーティング
16:00 グローバルチームとのTC
17:00 業務終了 17:30 保育園送迎

例えば17時から会議が入っている場合は、16時にいったん業務を終了して保育園の送迎を済ませ、再び戻ってきて会議に出席するといった対応も会社に認めていただいて、大変助かっています。

基本的にフレックスタイム制で出社時間も個人のスケジュールに合わせて柔軟に決められるので、例えば子供が急な発熱で病院に行かないといけない時など、診察を済ませた後に仕事を開始するということも個人の裁量で可能なので安心しています。

通勤の場合は、子どもの体調が悪くなってすぐに迎えにいくことは難しいのですが、在宅勤務だと保育園から距離的に近くすぐに迎えに行けるので、心理的な安心感はあります。あとは、会社から在宅勤務の環境改善のための補助金を一定額出していただけるため、PCモニターなどオフィスにいるときと変わらない環境で仕事をすることができています。

また、昼休みや隙間時間に、洗濯物を畳んだり、子供の保育園用おむつに名前を記入したり、ちょっとした家事をして気分転換しています。特に考えが行き詰まった時などに単純作業で手を動かしながら考えると、意外によいアイデアが浮かんだりしますし、家事もたまらないのでストレスもなく一石二鳥です。

デジタルツールを駆使し、チームワークやつながりを大切に

――在宅勤務になったことでなにか課題に感じていることはありますか?

今の課題は、海外とのビデオ会議がどうしても17時以降の終業後に行われる場合が多く、保育園から帰宅している子供が興味を持って参加したがることです。

幸い会社の皆さんは在宅勤務だから問題ないとあたたかく見守ってくださるので大変助かっているのですが、自分がプレゼンテーションをするときなど、子供が他のことに集中していられるような工夫が必要だなと感じています。書斎など自分の個室がない状況なので。

  • 「ロイヤルカナンの社員にはミッションである『1頭でも多くの犬と猫にロイヤルカナンの製品を届け、真の健康を実現する』ことに意義を感じて働いている方が多い」と深瀬さん

――なるほど。それでも周りの方々があたたかく見守ってくれる雰囲気、素敵ですね。チーム内のコミュニケーション面でなにか工夫していることはありますか?

私自身の工夫というよりは、チームのサポートに助けられている部分が大きいです。現在所属の部署は、社内のデジタルトランスフォーメーションを牽引する部署でもあるので、デジタル関連のツールについて造詣が深いメンバーが多く、コミュニケーションツールを使って仕事をするのは当たり前、どんどん工夫して効率を上げていこうという雰囲気でツールを使いこなしているので、気兼ねなくコミュニケーションを取ることができています。

ロイヤルカナンの社員は皆チームワークやつながりをとても大切にしているということもあります。デジタルツールであっても密なコミュニケーションをとれるので、在宅勤務であっても不安などを感じず働けるのだと思います。

――ありがとうございました。