新年度で生活が変わり、改めて子どもの教育費や住宅購入資金などの具体的な金額や目標が見えてきやすい時期でもあります。そしてまた、収入や出費が変わりやすいときですので、生活費や貯蓄額の見直しをして、貯蓄上手になりましょう。

  • 生活費や貯蓄額の見直しをして、貯蓄上手に

    生活費や貯蓄額の見直しをして、貯蓄上手に

コツその1 毎月の定額積み立てをする

この方法は定番中の定番の貯蓄方法ですが、「千里の道も一歩から」まとまった貯蓄が必要なら、まずは毎月時間をかけてじっくりと貯める方法が近道でもあるのです。

積立の方法は、これもまた古典的とも言えるべき「財形制度」や「銀行の定期積立」といった給与天引きもしくは給料日に積み立てられる方法で積立てるようにしましょう。

コツその2 少なくとも手取り月収の1割は積み立てる

毎月の貯蓄の先取り貯蓄の目安は、手取り月収の1割です。

一人暮らしの場合は、住居費が手取り月収の何割を占めるかによっても変わります。一般的な目安は、住居費と貯蓄の割合が合計4割になるように設定するようにしましょう。住居費の割合が高ければ、貯蓄は減り、家賃補助や寮などで住居費が安く済む場合は、貯蓄の割合がその分高くなります。

また、新社会人で独り暮らしをしておりかつ奨学金の返済があり、1割の貯蓄が難しい場合でも、月1万円ずつでも積み立てるようにしましょう。

住居費負担が少ない実家暮らしの場合は、手取り月収の3割は貯蓄に回しましょう。

コツその3 積み立てたお金は忘れる

まとまったお金を貯めるためには、貯めたお金は忘れましょう。

つまり、残ったお金でやりくりすれば、自然とお金は貯まります。お金が貯まらない人は、お金が足りなくなるごとに、積み立てたお金を切り崩す傾向があります。積み立てたお金に甘えない気持ちも大切です。

コツその4 生活費はいくら使えるのかを把握する

先取り貯蓄と家賃や公共料金など毎月支払うべきお金の合計を手取り月収から引いた金額がその月に使える生活費です。

例えば、月の生活費が8万円なら1日あたり約2,600円です。もちろんこの生活費の中から食費は外食費を含めて3万円、他生活費を5万円と予算分けをしても大丈夫です。

大切なのは、使える生活費はいくらなのかといった具体的な数字を計算して、それをどのように配分、管理をしたらやりくりできるかを考えて実行することです。最初は難しいかも知れませんが、慣れればそう難しいことではありませんよ。

キャッシュレス決済をすると使い過ぎるのが心配な方は、あらかじめ現金をカードに入金するチャージ式のキャッシュレス決済がおすすめです。

コツその5 慣れてきたら積み立て先を増やしてみる

毎月の先取り貯蓄が慣れてきたら、一部はiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなど積み立てをしながら運用ができる金融商品にも目を向けましょう。

特にiDeCoは全額所得控除など税金面でも有利に、老後の資金を積み立てながら運用ができるのでおすすめです。運用する商品は、自分で選ぶことができるので、投資運用の入り口としても最適と言えるでしょう。

コツその6 貯蓄に意味を持たせてみる

お金は目的や意味づけをすると貯まるスピードが速くなります。この積み立ての目的は結婚資金、教育資金、住宅購入資金、老後の資金などそれぞれに意味をつけることで、それ以外の用途に使いにくくなる効果が期待できます。

また、いつまでにいくら貯めるかといった具体的なプランを組み込むだけで、目的を達成させやすくなります。

コツその7 いざという時の貯蓄も持っておく

目標のある貯蓄以外にもときにはまとまったお金が出ることがあります。

例えば、家電の買い替えや引越し、更新料、車検費用、旅行などが挙げられます。これらのお金は毎月の給料からは捻出しにくい金額かつ、目的別の貯蓄から引き出すと夢が遠のいてしまい、気持ちがしぼみがち。そうならないためにも、別途口座を設けて「使うための貯蓄」を積み立てましょう。そうすることで、ちょっと大きめな出費にも対応できます。

コツその8 余った生活費も貯める

貯蓄上手はお金の使い方もスマートです。

生活費が余ったらその分も貯めておき、まとめて旅行や欲しかったジュエリーなど、自分や家族とのご褒美に使うとより達成感を味わうことができ、やりくりのモチベーションがアップします。別途貯蓄口座を作らなくても、コツ7の「使うための貯蓄口座」に貯めるとよいでしょう。

コツその9 ボーナスは貯蓄額を増やす最大のチャンス

まとまった金額が支給されるボーナスは貯蓄額を増やす最大のチャンスです。

できれば、7割をコツその6の「目的別の貯蓄」へ、3割をコツその7の「使うための貯蓄」へ貯めると貯まるスピードが速くなります。ボーナス払いのものがあれば、それらを支払った後に残ったお金を貯めるようにしましょう。

コツその10 メリハリのある出費で価値のあるお金の使い方を

日々の出費や貯めたお金は、優先順位が高いものから支出する習慣を身に付けましょう。日ごろの出費やりくりにはメリハリを持たせ、ムダな買い物や出費を減らした結果が、まとまった貯蓄になります。この貯蓄が目的達成のための資金となります。日々のやりくりの成果だからこそ熟考し、よりベストな使い道を探し、結果として満足度の高い出費となるでしょう。

貯蓄上手になるコツはいくつかありますが、意識と行動を少し変えるだけでできるものがほとんどです。できない言い訳を並べることなく、1つでも2でもできそうなことから始めて、貯め上手になりましょう。過去に戻って貯め直すことができないからこそ、思い立ったが吉日ですよ。