パーソルキャリアは3月22日、「転職理由」に関する調査結果を発表した。調査は2020年8月、2020年1月〜8月に転職した20歳〜59歳の正社員男女578名を対象に、インターネットで行われた。
同調査では、緊急事態宣言前を2020年1月〜3月、宣言後を2020年4月〜8月と定義し、それぞれの時期に転職したビジネスパーソンを対象に、最大の転職理由を1つ選択してもらい、その結果を集計し、「転職理由トップ10」として公開している。
緊急事態宣言前(2020年1月〜3月)の転職理由の上位は、1位「社内の雰囲気が悪い」、2位「業界・会社の先行きが不安」、3位「給与が低い・昇給が見込めない」となった。
また、1位の「社内の雰囲気が悪い」に加え、4位「人間関係が悪い/うまくいかない」、9位「尊敬できる人がいない」といった"人間関係"にまつわるものが上位にランクイン。さらに、4位「ハラスメントがあった(セクハラ・パワハラ・マタハラなど)」、7位「個人の成果で評価されない」「雇用形態を変えたい」など、働く環境に関する理由も目立つ結果となった。
緊急事態宣言後(2020年4月〜8月)における転職理由としては、1位「給与が低い・昇給が見込めない」、2位「スキルアップしたい」、3位「業界・会社の先行きが不安」が上位に。
「給与が低い・昇給が見込めない」や「スキルアップしたい」に加え、7位に「他にやりたい仕事がある」がランクインするなど、将来を見据えた個人的な目標に関する項目が、緊急事態宣言前より順位を上げる結果に。また、3位タイに「業界・会社の先行きが不安」「倒産/リストラ/契約期間の満了(会社都合での雇用終了)」が並ぶなど、緊急事態宣言後の転職理由には、コロナの影響を反映したものが上位に並ぶ結果となった。
一方で、緊急事態宣言前に転職理由の1位だった「社内の雰囲気が悪い」は圏外(12位)、4位の「人間関係が悪い/うまくいかない」は6位に、9位だった「尊敬できる人がいない」は圏外(20位)になるなど、人間関係や働く環境にまつわる理由は順位を落とす結果に。コロナ禍にリモートワークの拡大や、会議や飲み会が削減されたことにより、対面で生じる人間関係の悩みが減少したことが伺えた。