就職活動時に履歴書を郵送したり、仕事の依頼先に業務委託書を送ったりする際に重要となってくるのが封筒の書き方です。封筒の書き方のマナーを間違えるようだと、就活やビジネスにマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
ましてや近年は、パソコンやスマートフォンなどでメールのやり取りをする機会が圧倒的に増えたため、封筒を使ったことがないという学生や社会人もいるかもしれません。
そこで本記事では、大学や会社宛に送付する封筒の書き方についてくわしく解説をします。
会社や大学宛に郵送する封筒の書き方を紹介
大学や会社宛に封筒を郵送する際のマナーは非常に大切です。ここでは、封筒の書き方について紹介をします。
和封筒の場合
まずは和封筒の場合です。大学や会社で利用するのは和封筒というケースが大半でしょう。
通常は縦長の封筒を使います。切手は基本的に左上(緑枠の位置)に貼り付けます。送り先の住所が長い場合は、先に相手の氏名を中央に書きましょう。そうすることで、全体のバランスがよくなります。また、住所より名前を少し大きく書くようにしましょう。
住所や会社名に英語が含まれている場合は、その文字が単語になっているかどうかで書き方が異なります。単語になっている場合は、英語だけ横書きで記載しましょう。単語になっていなかれば、そのまま縦書きで記載します。
横書き封筒の場合
横書きの場合は、切手を右上(緑枠の位置)に貼り付けます。間違えやすいのは郵便番号の数字です。横書きであっても横で書く必要はありません。住所と名前だけを横書きにして、それ以外は縦書きと同じように配置しましょう。
和封筒の裏面には、自分の住所と名前、郵便番号を記載します。表書きよりも小さめな字で書きましょう。月日を記載するのを忘れがちですが、いつ送付した封筒なのかを明らかにするためにも、月日の記載は必ず行いましょう。必要があれば西暦もあわせて記載してもいいでしょう。
洋封筒(横書き)の場合
洋封筒は親しい相手に送る場合もあるため、会社や大学に送る封筒とは異なり、さほどかしこまった書き方をする必要はありません。
洋封筒の場合も和封筒の横書きと同じように書けば問題ありません。ただし、住所の始まりと名前の始まりを揃えるなど見栄えがよくなる工夫は行った方がいいでしょう。
裏面に関しては、封筒の留口の真下または少し右寄りに名前を書くようにしましょう。住所よりも名前を大きめで書くのがよいでしょう。
洋封筒(縦書き)の場合
縦書きの洋封筒に関しても、書き方は和封筒の縦書きと変わりません。和封筒と比べると少し簡略化して書いてもよいのが洋封筒と考えておきましょう。ただし、住所表記に関しては、配達人に負担をかけないためにも略さずに書きましょう。会社に洋封筒で送付する場合は、和封筒のようにきっちりと書く必要があります。
封筒の宛名書きについて
封筒の宛名書きをする際は、先ほど紹介した封筒の書き方を参考にすれば相手に対して失礼にあたることはありませんが、他にも注意するべきポイントがいくつかあります。
■会社や担当部署に郵送する場合
学生や若手ビジネスパーソンが会社や担当部署に郵送する場合は、ビル名やマンション名などは略さずに記入しましょう。会社名を記す際は「株式会社」を(株)と略すことなく、必ず「株式会社」と記載をしましょう。
また、「様」ではなく「御中」を使わなくてはいけないのもポイントです。宛先の使い分けについては後述します。
■個人に郵送する場合
個人に郵送する場合は、相手との関係性によって書き方が異なります。相手が目上の人であれば、個人であっても会社に郵送するときのように略さずに宛名を記載しなくてはいけません。しかし、友人同士ならばマンション名などは確実に届く範囲で略しても問題ないでしょう。
宛先の使い分けについて解説
ビジネスシーンにおいて正しく宛先を記載することは非常に重要です。相手に失礼と思われないためにも、宛先の使い方について正しく理解しておきましょう。
個人宛の「様」の使い方について
「様」は個人宛に送る際に利用します。「様」は相手が目上、目下に関わらず利用します。敬っている印象が強いかもしれませんが、個人であればどんな相手であっても「様」を利用すると覚えておきましょう。ただし、「様」を「さま」「サマ」のように漢字以外で表記するのは避けましょう。
団体・組織宛の「御中」の使い方について
「様」に対して「御中」は団体への宛名として利用します。具体的には企業や部署、学校などが「御中」を利用する相手となります。
注意するべきなのは、宛名を併用しないという点です。どんな状況であっても「様」と「御中」を同時に使うことはないので注意しましょう。
複数人宛の「各位」の使い方について
「各位」は複数人宛の宛名として利用します。「お客様各位」「取引先各位」のような使い方をします。「皆様」という意味があると覚えておくと、間違って利用することは少なくなるでしょう。目上でも目下でも利用が可能です。
その他の宛名について
その他の宛名には「行」「殿」などがあります。「行」を使うシチュエーションは限られています。相手に返信を求める場合に返信用の封筒を同封して郵送をしたとします。その封筒に記載する宛名が「行」です。自分相手に「様」を使うのはおかしいので、「行」と記載しておくわけです。
自分が返信用封筒を送られてきた側の場合は、あらかじめ記入されている「行」を二重線を引くなどして削除し「様」に書き直して送付するのがマナーになるので気をつけましょう。
「殿」は目上から目下に対して使う宛名ですが、現在はあまり使われていません。基本的には「様」で問題ないでしょう。
チェックされる封筒のマナーを解説
宛名などのマナーもチェックされるのですが、それ以上にチェックされるのは封入する書類などについてです。相手に読んでもらう書類なので失礼にあたらないよう細かいところまで気を配りましょう。
書類は何よりも丁寧に
封筒を綺麗に書くのは当然ですが、書類の中に手書きのものがある場合は、丁寧に書くようにしましょう。もちろん、字は相手が読むものです。雑に書かれていたり、小さく書かれていたりすると読みにくく、相手に負担をかけてしまう可能性があります。相手が不快と感じないような文字で書き、マナーを守ることが重要です。字の美しさに自信がない場合も、できるだけ丁寧に書くことを心がけましょう。
書類の入れ方にも注意しよう
書類は丁寧に折って郵送しましょう。折るのが難しい書類であれば、大きめの封筒を利用するなどの対応が必要です。
もし、封筒内で書類が汚く曲がっていると相手が読むときに読みにくいと感じてしまいます。そのため、あまり細かく折りすぎないようにするなどの工夫を行いましょう。
間違っていないか念入りに確認を
最後に宛名の使い方や自分の名前を書く場所、送り先の住所を略していないかなどを念入りに確認しましょう。営業などの場合、些細なミスで契約が成立しない可能性もあります。細かいところまで徹底的にチェックを行って、ミスがないかを確認しましょう。
まとめ
郵送する封筒の書き方についてご紹介しました。細かいマナーが多いですが、相手に不快に思われてはいけません。宛名の使い方、封筒の書き方などは最低限のマナーとして覚えておきましょう。