iOS 13以降が動作するeSIM(イーシム)対応モデルであれば、1台のiPhoneで2つの電話番号を利用できます。2つの電話番号で受発信できるだけでなく、FaceTimeやメッセージング(iMessage/SMS/MMS)も両方の電話番号を使えるので、まさに"一人二役"です。
iPhoneで2つの電話番号を利用するには、XS/XS Max/XR以降のiPhoneがサポートする「DSDS(Dual SIM Dual Standby)」と呼ばれる機構を利用します。ただし、日本向けのiPhoneに用意されているSIMカードスロットは1基ですから、1つの回線はリアルのSIMカードを利用し、もう1つの回線はeSIMを使うことになります。
この機能を必要とするケースとしては、プライベートと仕事の電話番号を使いわけたい、海外へ渡航したときに日本国内の電話番号を維持しつつ現地の通信サービスを利用したい、といった状況が考えられます。
いちどに利用できるモバイルデータ通信は1回線で手動切替が必要ですが、音声通話はどちらの電話番号でも電話をかけたり受けたりすることができます。2回線のうち1つをデフォルトの電話番号(主回線)、もう1つをサブの電話番号(副回線)に指定できるうえ、連絡先アプリにつねに使用する番号を登録しておくことも可能です。
これまでeSIMで音声通話サービスを提供している日本のキャリアは、楽天モバイルなどわずかでしたが、大手キャリアのオンライン専用ブランドは次々とeSIM対応を発表しています。これからは、"一人二役"のiPhoneが珍しい存在ではなくなるかもしれません。