女優のソニンが、美と健康のライフスタイルを惜しみなく収録したスタイルブック『ソニンの美・ヴィーガン』(東京ニュース通信社刊)を3月22日に発売する。「健康・健康ってみんな言うけど、じゃあ何が健康にイコールになっていくのかっていうと、やっぱり食べているものって、すごく大切なんです」と、健康と食の関係性を力説するソニンに、ヴィーガン生活を始めてからの変化や、変わらぬ「カレーライスの女」ぶりについて語ってもらった。
――発売おめでとうございます。マドンナさんのダイエットを参考に、肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品を摂らないヴィーガン生活を9年(その2年前からはベジタリアン)にわたって続けているソニンさんですが、ヴィーガンに「なる前」と「なった後」では、どんなポジティブな変化があったのでしょう?
皆さんに一番伝わりやすいことで言うと、体のだるさですね。意味のないだるさって、たまにありませんか? 朝に起きて「今日だるい」とか「起きたくない」みたいな。「昨日、めちゃめちゃ運動して疲れた…」とかじゃない、意味のないだるさがなくなるんですよ。「なんなんだろう?このダルさ?」っていうのがないんです。もちろん、仕事をして疲れたりしたら、次の日は疲れたり、その日は疲れて寝つきが悪いとか、そういうのはもちろんありますけど、体が軽いというか。基本的に、体調が悪くなりづらいです。風邪も引きづらいですね。それは分かりやすい変化として、一番に挙げられることですかね。
――体調のポジティブな変化を実感したのは、いつ頃だったんですか?
体調の変化は早かったかな…どのくらいだろう? でも多分、1~2年で気づいているはずですね。なんなら最初の2~3か月で「おや?」って気づき始めて。それの繰り返しなんです。「おや?」「おや?」の繰り返しで、確信に変わるんです。「これは絶対にヴィーガンをやっているからだ!!」って。
――段々と積み重なっていくものなんですね。
人間って、体と心がリンクしているんです。体の調子が悪いと、気持ちがどんよりするじゃないですか。天気に左右されるのと一緒ですね。体調が悪かったりすると、悪いことが起きたら倍にも辛く感じるけど、体が健やかだと、それに対してすごくフラットに物事を見ることができるんです。身体が健康だと、ネガティブに捉えないんですよね。
気持ちがいいと、物事をちゃんと冷静に見れるから、そういった意味では、たとえ外的なストレスが起きても、対処しやすい。それ以上ネガティブに捉えないから、ポジティブなことだと思うんですよね。ポジティブに変えられる。もしくはゼロに変えられる。健康ってすごく大切です。
健康・健康ってみんな言うけど、じゃあ何が健康にイコールになっていくのかっていうと、やっぱり食べているものって、すごく大切なんですね。食に対する向き合い方とか、食に対する知識って、無頓着な方も多いのでは?便利になっているがゆえに、食べられればいいと思っているかもしれないけど、実は食べ物にはたくさんの役割というか、体に与える影響があるっていうことも、本で触れています。ヴィーガンのことも触れているんですけど、「そもそも食事に対して、どういう風に普段向き合っているのか?」っていうことを説いている部分もあって。それが心に繋がっていくんだよみたいなことも話しています。
――お芝居や歌には、エネルギーや筋力が重要かと思います。そういったものを、ヴィーガンの食生活ではどんなふうに摂取・維持するのでしょう?
絶対に言われるんですよ。「お肉を食べないで、よく動けるね」って。「お肉を食べていないのに、どうやってパワーを出すの?」とか「タンパク質をどうしているの?」って。それをどうしているのかっていうことを、本には書いているんですけど、「11年お肉食べてないけど、私の舞台、見た?」って(笑)。「お肉を食べなくても、これだけパワーが出るんだよ」って、自分が証明だと思っています。最近、ヴィーガンという言葉を耳にしたり、「お肉を食べるのに疲れた」っていう方が「ヴィーガンでも、君のようにパワフルに動けるんだね」っておっしゃるんですよ。今まで「お肉じゃないと、力は蓄えられない」って思っていた人たちが、私を見て「違うんだね」って。「お肉を食べなきゃいけないわけじゃないんだね」って、おっしゃるんです。
お肉って、確かにエネルギーに代わる栄養素がたくさん入っていると思います。ただ、それと同じような栄養素が、植物性でも摂れるよっていうことを、本に書いています。「お肉を摂ったらどうなるか」っていうことも書いています。私の場合は、それだからお肉をやめたわけではなくて、食べられなくなって辞めたので(※注 ヴィーガンダイエットをしてから久々に食べたツナサンドを、体が受け付けなかったとのこと)あとから学んだ知識なんですけど、それを踏まえて実践しているから、今も続けられているんです。体調を崩さずに。
――最近では、ヴィーガンについて発信する方も増えてきているように思います。9年のヴィーガン生活を続けてきた中で、社会的な受容が高まってきた感覚はありますか?
時代が追い付いてきてそういう人たちが出てきたのか、そういう人たちが声を上げたから浸透したのか、どちらなのかはわからないんですけど…ヴィーガンっていう言葉自体、9年前は「何それ?」っていう感じでしたよね。「べジタリアン」や「マクロビ」も「ああ、ちょっと聞いたことある」みたいな感じでした。(今では)ヴィーガンっていう言葉を、知っている人が多いっていうことが衝撃でした。
この間、17~8歳の子たちと、ドラマを撮っていたんです。「ヴィーガンって知ってる?」って聞いたら「知ってますよ」って、当たり前のように。ちょっとカルチャーショックだったんですよ(笑)。「知ってるの⁉ヴィーガン」みたいな。ちょっと震えるみたいな。嬉しくなっちゃって(笑)。新しい世代の子たちは全然普通に知っていて、上の世代の方たちはちょっと学んだ感がありますね。若い子たちはデフォルトというか、日常で使う言葉なんだなっていうのは、すごく感じました。
――ソニンさんと言えば「カレーライスの女」が有名です。カレーライスは、もう食べていないんですか?
最近は、家でそんなにカレーを作らないんです(笑)。一般的な日本のカレールウってあるじゃないですか。あれも、動物性のエキスが入っていないものもあるんですよ。スーパーとかには売ってないかな? でも、カレー粉だったら、自分でブレンドして作るようなものであれば、お店によっては置いてありますね。私は、日本風よりもインドカレーが好きで、どちらかと言えば食べに行く方が多いんですよ。お店のスパイスが効いたカレーの方が好きなんです。
南インドの方が、べジタリアンのメニューが多いんですけど、インドって菜食者がすごく多いんです。お肉のインドカレーがメニューに多いのは、日本に合わせてじゃないですかね。インド料理屋に行くと、絶対にベジタリアンが食べられるカレーがあるんです。
よく食べますし、家ではそんなに作らないですけど、めっちゃ食べてます。カレー大好きなんですよ。ベジタリアンのルウは、買って冷凍庫にストックしてあります。たまに作りますね。YouTubeに、料理を作っている動画も載せているんですけど、「カレーライスの女を再現してみた」っていう動画があるんです。家で好きな人のために作っているっていう設定で、カレーライスを作るんです。エプロンをして。でも、そのカレーライスはヴィーガンのカレーライスなんです(笑)。よかったら見てみてください!!小芝居もしてます(笑)。
●ソニン
1983年生まれ。2000年、EE JUMPとしてCDデビュー。2002年、シングル「カレ―ライスの女」でソロアーティストとして活動開始。翌年ドラマ『高校教師』(TBS系)で女優としても活動を始める。2007年『スウィニー・トッド」でミュージカル初舞台。その後、海外留学をへて、現在、女優業を中心に活躍している。第41回菊田一夫演劇賞、第26回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。 3月22日にはスタイルブック『ソニンの美・ヴィーガン』(2500円 東京ニュース通信社刊)を発売する。