「みちびき」とは、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)とも呼ばれる、準天頂軌道の人工衛星を主体に構成された日本の衛星測位システムです。"日本版GPS"と呼ばれるとおり人工衛星を利用した測位システムの一種で、GPSとあわせて利用できます。

みちびきの特長のひとつには、日本から見て天頂付近に長時間留まることが挙げられます。2018年11月以降4機体制でサービスを提供しており、天頂付近には3機が8時間サイクルで順番に現れるよう計算されています。そのため、建物や樹木で可視衛星が減りがちなビルの谷間や山間地域でも、GPSだけを利用した測位に比べて安定した位置情報を得られるのです。

11以降のiPhoneは、その「みちびき」を利用した測位に対応しています。みちびきのWEBサイト(https://qzss.go.jp)では、「みちびき対応製品」としてスマートフォンやスマートウォッチ、受信モジュールなどの製品リストが掲載されており、そこにiPhone 12シリーズも含まれています。

つまり、みちびき対応のiPhone 12シリーズとiPhone 11シリーズ、iPhone SE(第2世代)は、それ以前のiPhoneと比べると安定して位置情報を得られるようになる、理論上は正確な位置情報をつかみやすくなる、ということになります。

iPhone 12シリーズおよび11以降のiPhoneで利用できるのは、従来のiPhoneと同じ「L1C/A(衛星測位サービス)」とその補完信号です。みちびきでは、誤差数センチという高精度なセンチメータ級測位補強サービスも提供していますが、このサービスに使われる信号(L6)はGPSが発するものと異なるため、専用の受信機が必要になります。

  • iPhone 12シリーズは「みちびき」に対応しています