京セラは3月16日、タフネス性能を備えたAndroidスマートフォン「TORQUE」シリーズで初めて5Gに対応した「TORQUE 5G」を発表しました。auが取り扱い、3月26日から販売が始まります。端末価格は、一括払いの場合が88,885円(税込み、以下同)。割賦払いの場合は月々2,315円で、かえトクプログラムを適用した場合の価格は実質53,245円になります。

注目なのが、アウトドア用品の人気ブランド「コールマン」(Coleman)とコラボレーションした「TORQUE 5G Coleman LIMITED」。赤い迷彩柄がかっこいい限定バージョンとなっています。こちらは3月17日から5月5日までの期間限定予約で、数量は限定していないため、期間内に予約さえすれば必ず手に入ります。

  • 京セラのタフネススマートフォンが5Gに対応「TORQUE 5G」

タフネス性能をさらに向上、ハンドソープで丸洗い可能

TORQUEは、京セラのタフネススマートフォンブランドで、2014年の「G01」(国内向け)から始まり、今回で第5世代。本来は「G05となるところだが、初めての5G対応ということでTORQUE 5Gとした」(京セラ通信機器事業本部通信事業戦略部第1法人ビジネスユニット責任者・湯浅紀生氏)そうです。

  • これまでのTORQUE

  • 通信機器事業本部通信事業戦略部第1法人ビジネスユニット責任者・湯浅紀生氏

もともと高いタフネス性能を備えていましたが、TORQUE 5Gではさらに「別格の耐久性」「アクションカメラ機能」「プロ仕様の機能性」という3点を追求しました。

耐久性では、従来よりも多い28項目という耐久試験を実施。例えば、2mの高さからサンドペーパーを敷いた鉄板への落下試験や、高さ1mからの500回連続落下試験、高さ1mからディスプレイ面への鋼球落下試験という壮絶な試験を実施。サンドペーパー落下試験は、岩場や砂利などの細かな凹凸を考慮した試験で、「大変過酷な試験をパスした」と湯浅氏は自信を見せます。

  • 28項目の試験は、アウトドアの中でも特に過酷なシーンでも壊れることなく使えることを目指したものです

  • 凹凸の多い岩場に落としても安心のテスト

汚れても泡ハンドソープでの洗浄が可能で、さらにアルコール除菌シートで汚れを拭き取ることも可能。過酷なアウトドアでの使用後もきれいにすることができます。

  • 汚れても安心の泡ハンドソープ、除菌シート対応。現在のコロナ禍においてはさらに安心といえます

さまざまな情報を重ねて撮影できるカメラ機能

カメラ機能では、新たにマルチカメラ機能を搭載。これは、アウトカメラの映像にインカメラの映像を重ねて記録できる機能で、被写体と撮影者を同時に記録できる機能です。スマートフォンとしては初めての機能ではありませんが、撮り直しの利かないアウトドアの過酷なシーンでの同時記録にはニーズが高そうです。

  • カメラの新機能

  • カメラはデュアルカメラ。強力な手ブレ補正機能を搭載しており、自転車にマウントしても安定した動画が撮影できるといいます

  • 前後のカメラの映像を同時記録できるマルチカメラ

  • 実際の撮影画面

カメラでは、他に「Action Overlay」機能も搭載。これは、TORQUE 5Gの各種センサー情報を映像に重ねて撮影する機能で、日時、天気、速度、場所などの情報をに加え、外部センサーとして心拍計や自転車のペダルの回転数といった情報も記録できます。

  • カメラにセンサー情報をオーバーレイして記録できるAction Overlay

  • 自転車のペダルなどのセンサーも取り込み、回転数などの情報もオーバーレイ表示できます

水中特有の色味変化やゆがみの自動補正機能を備えた水中モードや、魚の大きさや名前、天気などを記録するフィッシングモードなど、アウトドアで活用できる機能をカメラに搭載しました。

「プッシュムービー」は、専用の撮影ボタンを押している間だけ動画を撮影する機能で、短い動画をつなげて1本の動画にできます。暗所撮影を強化したナイトモードや、最大360度のパノラマモードといった基本性能も向上させています。

  • カメラの基本性能も向上。ナイトモードも搭載しています

  • こちらはパノラマ機能

直射日光下でも見やすいように、ディスプレイの輝度は前モデル比で50%向上しています。大音量ステレオスピーカーは継続して搭載。TORQUEの特徴として、昨今のスマートフォンとしては珍しくバッテリーの取り外しが可能で、予備バッテリーを単独で充電する充電器も新たに用意されました。ほかにも、グローブでのタッチかどうかを自動で判定して精度を上げるグローブタッチや、水濡れを検出してタッチ補正するウェットタッチといった機能も搭載しています。

  • バッテリーは取り外し可能。バッテリー単体の充電が可能な充電器も用意されたので、複数のバッテリーを持ち歩いて交換すれば長時間使うことができます

  • 充電器以外にもさまざまなアクセサリーが用意されています

オプションの専用ホルダーもバックルとパラコードを追加し、使いやすさと安全性を強化。バックル付きのフローティングストラップや三脚ネジ付きマルチホルダーも用意されます。

KDDI版は「TORQUE 5G KYG01」というモデル名で、サイズは約75(W)×167(H)×14.8~20.3mm(D)、約248gで、ディスプレイは5.5インチIPS液晶。ディスプレイの解像度は2,160×1,080(FHD+)。SoCはSnapdragon 765、メモリは6GB、ストレージは128GBとなっています。

  • 5.5インチ液晶を搭載したTORQUE 5G

  • 背面は左右対称で美しくデザインされています

  • 本体側面

  • 本体側面

  • 本体上部

  • 本体底部

カメラは有効画素数2,400万画素センサーとF1.8レンズを搭載したメインカメラと、同1,600万画素・F2.2レンズの超広角カメラのデュアルカメラ。ネットワークは、ミリ波を除く5G、4Gに対応。無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.2をサポート。防水防塵性能は当然ですが、FeliCaによるおサイフケータイにも対応します。

コールマンの世界観を再現したコラボモデルも用意

アウトドアユースを強く意識しているTORQUE 5Gとして、アウトドア用品のコールマンとコラボレーションした「TORQUE 5G Coleman LIMITED」を用意します。外装に赤いカモフラ柄を採用したデザインを採用しています。このカモフラ柄は要望が多かったそうですが、満を持してコールマンとのコラボレーションモデルで投入した形です。

  • コールマンとコラボレーションした「TORQUE 5G Coleman LIMITED」

  • 赤いカモフラ柄が特徴です

コールマン ジャパンの中里豊社長は「アウトドアではコールマン製品を持っていくが、スマートフォンだけは普段の街で持ち歩くものと同じで、それだけが不満だった」と話し、キャンプ用のスマートフォンとして「個人的な夢が叶った」と笑います。

  • コールマン ジャパンの中里豊社長

簡易ライトアプリがコールマンのランタンの燃料バルブをイメージしたデザインになっていたり、独自の起動画面や3種類のオリジナル壁紙を同梱したり、さらにコールマン120周年のリーフレットも同梱されます。

  • オリジナル壁紙も内蔵したColeman LIMITED

  • コールマンのキャンプ用品との相性もいいレッドカラー

  • ランタン風の簡易ライトアプリ

  • リーフレットなどが付属する特別パッケージ

コラボレーションキャンペーンとして、コールマン120周年記念の各種キャンプ用品7種が各1名(全7名)に当たるキャンペーンを実施。TORQUE 5GとColeman LIMITEDの購入者キャンペーンも行われ、購入して応募すると2,545人にTORQUE 5Gの専用アクセサリーが当たります。

  • コラボレーションキャンペーンは120周年記念のキャンプ用品をプレゼント

  • 購入特典としてアクセサリーが当たるキャンペーンも

「一時期、京セラは5G対応製品の開発に消極的だと囁かれていたが、タフ(製品)から5Gを始める。京セラだからこその価値を大切にして、他社とは違う、特徴のある5G製品を中心にラインナップを展開する」。京セラの取締役執行役員常務で通信機器事業本部長の厳島圭司氏はそう強調し、独自路線での製品展開を進める考えを示しています。

  • 京セラ取締役執行役員常務・通信機器事業本部長の厳島圭司氏

  • 発表会には(左から)自転車競技プロライダーの栗瀬裕太さん、プロフェッショナルアングラーの並木敏成さん、プロ冒険家の阿部雅龍さんも登壇。阿部さんがマイナス40度の南極で0度の海にTORQUEと一緒に落下したけど壊れなかった経験を話すなど、TORQUEのタフネス性能や役立つ機能を紹介していました