日立グローバルライフソリューションズは3月16日、メディア向けのオンラインセミナーを開催。冷凍冷蔵庫の新製品「HX/HWタイプ」と、冷蔵庫の新カテゴリー「スマートストッカー」について説明しました。
新しいライフスタイルを支援する冷蔵庫を提案
世界を襲っているコロナ禍によって、ライフスタイルは激変。在宅時間が増え、食材をまとめ買いする傾向が強まりました。昨今は(コロナ禍とは別に)共働き世帯や一人暮らしの高齢者が増加し、これまで当たり前とされてきた社会環境とは異なってきています。それを受けて、食材の保存にかかせない冷蔵庫に対するニーズにも、静かに変化が訪れているようです。
日立グローバルライフソリューションズ 国内商品企画部 小川真申氏は、「毎日忙しくて時間がない」、「健康には気をつかいたい」、「家事の負担を軽くしたい」といった消費者の抱える課題を、同社の冷蔵庫によって解決したいと話します。
こうした背景から登場した新製品が、冷凍冷蔵庫「HX/HWタイプ」と、買い置き食材をスマートフォンアプリで管理する「スマートストッカー」です。
永遠の課題「省スペース・大容量」を追求した冷凍冷蔵庫
冷凍冷蔵庫「HX/HWタイプ」は、2021年2~3月発売の新製品。小川氏いわく「冷蔵庫を選ぶときの、不変の重視項目」である省スペース・大容量の両立を追求。従来モデルの本体幅(650mm)をキープした上で、定格内容積540Lを実現。従来比で20L拡大しています。
購入者アンケートによると、保存性能(鮮度保持機能)を重視してHWタイプを選んだ人が多かったそう。冷蔵室のどこに置いても約2℃の低温で鮮度が長持ちする「まるごとチルド」は、庫内の湿度を約80%にキープし、食材にラップをしなくても乾燥・変色を抑えます。一度に買う食材の量が増えた昨今、食品の鮮度が長持ちするのは助かります。
カステラを使ったデモンストレーションでは、まるごとチルド内のカステラは水分を保っておもりが沈んでいた状態だった一方、そうでないほうはおもりを乗せても沈まず、カチカチに乾燥していたのがわかりました。
買い置き食材をスマホで管理する「スマートストッカー」
スマートストッカーは、食材の「買い置き」にフォーカスした新しいカテゴリーの製品。保存してある食材の残量管理や、買い足しを手助けしてくれます。2台目の冷蔵庫として導入するイメージの小型(113L)冷凍冷蔵庫です。
単機能の冷凍庫が買い置き用途で注目されていますが、日立のスマートストッカーは庫内の温度を冷凍(約-18℃)、冷蔵(約2℃)、常温(約15℃)に切り替えられます。常温の設定は、根菜やお米、バナナなど、いわゆる冷暗所に保存する食品の買い置きを想定しているとのこと。筆者は夏場、冷暗所保存の食品の置き場に困った経験があるので、季節によらず一定温度の「常温」が保てるのは活用しどころがありそうと感じました。
また、冷凍冷蔵庫のHX/HWタイプと同様に「まるごとチルド機能」を搭載。ラップなしで食品の乾燥を防げるため、買い置き食材だけでなく、作り置きのお惣菜なども鮮度をキープして保存できます。大型冷蔵庫と同等の冷蔵能力があるのは頼もしいです。
重量センサーで食材の残量を通知
スマートストッカーの大きな特徴は、2段目と5段目に搭載した重量センサーによる在庫管理。該当する段の重みが減ると、アプリ経由でスマートフォンに通知します。ひとつの段に同じ食品をたくさん置いて使うため、飲料水や野菜ジュース、冷凍食品など、たくさん買って保存しておきたい食品の管理に適しています。
いっそ重量センサーを全部の段につけたら便利なのでは? と思いましたが、「繰り返し購入する定番品の管理」という使い方が新しいものなので、スマホで管理する部分を限定したほうが多くの人に具体的な活用法をイメージしてもらいやすいと考え、現在の仕様になったそうです。
使い方としては、まずストック管理したい食品をアプリに登録。棚の重さがあらかじめユーザーが設定したラインまで減ると、通知が飛ぶ仕様です。アプリには棚いっぱいに食品を置いた状態で重さを測定する機能があるため、それを活用して重さの上限・下限を使いやすいように設定します。
アプリ上には、買い置き食材の補充通知を受け取ってすぐに、Web通販サイトにアクセスするボタンも。アプリ側でWebショップを指定するのではなく、ユーザーが任意のストアを設定しておけます。
個人的には、スマートストッカーの買い置きに特化した機能はもちろんのこと、キッチン以外に置くサブ冷蔵庫として、インテリアとの調和が考えられている点が好印象でした。消費者の反応をフィードバックした今後の展開にも期待です。