過去の対戦成績は佐藤九段の11勝3敗も、山崎八段が直近2連勝中
藤井聡太棋聖への挑戦権を懸けた、第92期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメントが進行中です。3月16日には佐藤康光九段-山崎隆之八段戦が東京・将棋会館で行われています。本局はアプリ「将棋連盟Live」で棋譜中継されています。自由奔放な棋風で知られる両者の対決から目が離せません。
73期から78期まで棋聖を6連覇し、永世棋聖の資格を有している佐藤九段。79期に失冠したあとは五番勝負の舞台に上がることができていません。今期は二次予選からの登場で、田中寅彦九段、本田奎五段を破って決勝トーナメントに進出。久しぶりの挑戦を目指します。
山崎八段は前期ベスト4のため、今期は決勝トーナメントからの登場です。棋聖戦での過去最高成績はその前期。準決勝で永瀬拓矢二冠(当時)に敗れ、藤井聡太七段(当時)との挑決に臨むことはできませんでした。
両者の過去の対戦成績は佐藤九段の11勝3敗と、大きく差がついています。2003年の初対決から2014年までは、佐藤九段が9連勝を含む11勝1敗で圧倒しました。ところが間隔が空き、久しぶりの対戦となった2019年の2局では、山崎八段が連勝。本局はそこから約2年ぶりの対戦となります。
10時に対局が始まった本局は、振り駒の結果、山崎八段が先手になりました。注目の戦型は山崎八段得意の相掛かりに。両者腰掛け銀模様の駒組みを進めるのかと思いきや、山崎八段が積極的に横歩を取って動きを見せます。佐藤九段も5筋に飛車を浮き、空中戦の様相です。
持ち時間が4時間の本局は本日夕方から夜にかけての終局となる見込みです。序盤で奇想天外な駒組みにはならず、本格的な相居飛車の将棋となりましたが、両者の中盤での力強い指し回しを存分に堪能しましょう。