スマホや財布、鍵など、なくしたら困る物をすぐに探し出せる便利なツールがある。それがスマートトラッカー。小さなプレートのような形状や、キーホルダーのようにぶら下げるタイプ、シールのように貼り付けて使うものなど、タイプはいろいろ。BluetoothやGPSでそれをつけてある物の居場所を教えてくれる便利なグッズだ。春になり新生活を始める人は特に要チェック。その選び方と使い方をご紹介しよう。

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スマートトラッカーで何ができる?

まず、スマートトラッカーではどんなことできるのか。大きく分けて3つある。

1. 探し物がどこにあるかわかる

たとえば、家で財布がどこにあるかわからなくなってしまったとき、スマホでアプリを操作することにより、場所がわかったり音を鳴らして場所を通知させたりできる。逆に、スマートトラッカーを操作することによって、スマホの音を鳴らしてスマホの位置を知ることができるタイプもある(スマートスピーカーと連動すれば、スピーカーに話しかけてスマートトラックやスマホを鳴らせる)。

2. 落とし物を防ぐ

対象の物が自分(スマホ)から一定の距離以上離れると通知してくれる。なので、たとえば財布などを忘れて外出してしまうのを防げる。

3. 落とした場所を特定できる!

よく落とし物をする人がもっともほしい機能がコレ。スマートトラッカーは、最後にスマホと離れてしまった場所を特定できたり、探せる範囲の距離が決まっているのだが、それ以上離れてしまった場合でも、その近くを同じサービスを利用しているユーザーが通りかかると、持ち主に通知され、場所を特定できる(クラウドトラッキング機能。このモードを使用する設定にすることが必要)。

スマートトラッカー、選ぶ際のポイントは?

スマートトラッカーはその便利さから国内メーカー、海外メーカー問わずさまざまな製品が登場している。いざ購入してみようと思ったとき、どんなところに注目して選べばよいのだろうか?

形状

冒頭でスマートトラッカーには、さまざまな形状があることをご紹介した。

・プレートタイプ
財布や名刺入れなどの中に入れるアイテムに向く。

・キーホルダータイプ
穴が空いていて、専用のツールやひもなどを使ってぶら下げられるタイプ。鍵やカバンなどに向いている。

・シールタイプ
シールでペタリと貼れるので、平面があるものならなんでもOK。大事な書類や手帳、海外旅行に行くときには大事なパスポートなどにつけるのも手。

有効範囲

製品によってスマホから探せる距離が決まっている。30~60mぐらいが大半だが、有効範囲が100mを超えるものも。家の中や職場などで使いたい場合は、範囲が狭いものでもいいが、しょっちゅういろいろなところで忘れ物をする人は、範囲が広いものを選ぶとよい。

その他の違い

スマートトラッカーは電池が内蔵されているが、自分で電池を交換できるものと、できないものがあり、できないものの中にはメーカーに送って交換してもらえるケースもある。電池は半年~1年程度もつものが大半。電池交換できないものは、切れるたびに買い換えが必要になってしまうので要注意。

また、有効範囲に限りがあるスマートトラッカーが、その範囲を超えたところにある場合でも、同じサービスを利用しているユーザーを通じて通知してもらえる「クラウドトラッキング機能」も、外出が多く、外で物を落としたりなくしたりする心配の多い人にはおすすめの機能。この機能がついているタイプを選ぶことも重要だが、ユーザー数が多くないとせっかくの機能も活用できないので注意が必要だ。

お手ごろ価格で使いやすい「tile」を使ってみた

では、実際に使用感を試してみよう。まずは、世界230カ国で使われていて、ユーザーコミュニティも多いという「tile」から。電池交換ができ、価格も2,000円台前半(税込)と手ごろな「tile mate」を選んだ。

サイズは、6.2×35×35mm、重さは7.5g。たとえば、財布に入れてもジャマにならない程度ではあるけれど、厚さが約6ミリあるので、穴にリングやひもを通すなどしてぶら下げて使うのが現実的だろう。

【動画】スマホのアプリからtile mate(をつけた物)を捜す様子と、tile mateからスマホの音を鳴らす様子
(音声が流れます。ご注意ください)

アプリをインストール

tileを購入したら、まずはスマホに専用アプリをインストール。tileは、iOSとAndroidに対応している。

iPhoneユーザーならApp Store、AndroidユーザーならGoogle Playでアプリをダウンロードしよう。

アプリをインストールしたら、新規登録。メールアドレスとパスワードを設定して登録する。

スマートトラッカーの要(かなめ)、Bluetoothへのアクセスを許可するなど、さまざまな設定を行う。アプリの指定に従って設定していけばよいので、難しいことはない。

tileを何につけるかカテゴリを設定。

tileでお財布を捜す!

すべて設定が終わったら、tileをつけた財布を捜してみよう。アプリで〈探す〉をタップ

このような表示が出て、tileからはメロディが流れて居場所を知らせてくれる

tileから逆にスマホを見つけ出すこともできる。本体中央の「tile」と書いてあるボタンを2度押しすると、スマホがメロディを鳴らして存在を知らせてくれる。スマホをどこかに置き忘れ、探すことの多い人には便利な機能。そもそも、tileをつけた物を探すには、このスマホが必要なのだから。

ただ、注意しなければいけないのは、スマホからtile、tileからスマホを探すと音が鳴るので、音が鳴ってはまずい場所、自宅以外で使用するときは周りに注意したい。

tileの便利な機能

tileは、位置情報を“常に”オン、通知を「許可」しておくことで、家にtileをつけた物のを忘れて外出してしまうと、スマホからの距離を察知したtileが「忘れていませんか?」とアラートを送信してくれる。それらの設定は、アプリの「設定」-「スマートアラートのパーミッション」で設定する。

出先などで物をなくした場合、「見つかったら通知」をタップすると、tileをつけた物をなくした状態だと認識され、tileが探し始める。tileにはクラウドトラッキング機能がついており、自分がなくした物に他のtileユーザーが近づいたとき、また特定のタクシーや駅などにある「tileアクセスポイント」に感知されたときに、その場所を教えてくれる。

見つかると、アプリ上ではもちろんのこと、メールでもお知らせがくる。このクラウドトラッキング機能は、ユーザーのtileやtileアクセスポイントを介して位置情報を伝える仕組みではあるが、その情報はサーバー間でやりとりされるため、個人情報などが外部に漏れる心配はない。

みんなで探せるMAMORIOを使ってみた

次にご紹介したいのは「MAMORIO」。tileが米国のメーカーなのに対して、こちらは国産。MAMORIOにはシールタイプ、プレートタイプ、さらにはボタンのように縫い付けるタイプまであるが、今回はキーホルダータイプのMAM-003を試してみた。販売価格は2,000円台中盤(税込)。

色はネイビーブルー、チャコールブラック、ミルクベージュ、サクラピンクとバリエーションが豊富なのも魅力。サイズは、35.5×9×3.5mm、重さは3gといたって小ぶり。メーカーサイトで世界最小クラスとうたっているだけのことはある。このサイズなら、キーホルダー式にぶら下げず、財布などの中に入れてもまったくジャマにならないだろう。

  • こちらはtileより薄いMAMORIO、お財布にはなじみやすい

まず、アプリをスマホにインストールする。MAMORIOもiOS、Androidともに対応。

メールアドレス、パスワードを設定して新規アカウントを作成。位置情報へのアクセス許可は必須。

MAMORIOの便利な機能

置き忘れ通知をONにしておくと、有効範囲を離れたことを検知したとき、画面のように「MAMORIOから離れました。」というアラートが送られてくる

MAMORIOには「カメラで探す」という機能がある。タップすると、スマホのカメラで映し出した画面上で、探している物がどの位置にあるかを示してくれる

MAMORIOの「みんなで探す」機能は、ユーザーがなくしたMAMORIOに他のユーザーのMAMORIOが近づいたとき、そして各種鉄道の改札や特定の場所に設置された「MAMORIO SPOT」に近づいたときに、クラウドトラッキング機能で知らせてくれる仕組み。MAMORIOがなくなったことが知らされたら、「みんなで探す」機能をONにする。見つかると通知が来て、場所を地図で表示。MAMORIOユーザーが多いところほどすぐに見つかる。tileと同じく、ユーザーの個人情報などが外部に漏れる心配はない。

***

ここまで、スマートトラッカーの代表的なモデル、tileとMAMORIOを見てきたが、みなさんはどちらに興味を持っただろうか。両者の大きな違いは次の3つだろう。

・サイズ
財布などに入れる場合は、MAMORIOが小さくて便利。

・スピーカー搭載の有無
家でなくした物を探すことが多い場合は音で知らせてくれるtileが便利。

・公共のアクセスポイント数
tileの「tileアクセスポイント」は、この記事を書いている時点のtile公式HPでは、東急線の全駅とJapan Taxiの「Japan Taxiタブレット」搭載タクシーとなっている。「MAMORIO SPOT」はJRや私鉄各線の改札、落とし物集積所、百貨店などに設置されている。

基本的な機能は両者ほとんど変わらないので、上記の3つのポイントでどれを重視するかで選ぶとよい。

これは補足だが、スマートトラッカーをつけた物の置き忘れを通知させるためには、スマホの位置情報を常時ONにしておく必要がある。これはスマホのバッテリーを意外に食うので、意識しておいたほうがいいだろう。

4月から新生活を始める方、もちろん3月からの延長で何も変わりばえしない……という方も、なくし物でつまらない損をしないために、ぜひこのスマートトラッカーをツールのひとつとして試してみてはいかが?