Microsoftは米国時間2021年3月9日、Windows 10の開発コンポーネントやツールセットを刷新するプロジェクト「Reunion」の最新版となる「Project Reunion 0.5 Preview」をリリースした。Windows 10 Insider Preview ビルド21286から「ニュースと関心事項」を実装するなど精力的に新機能の検証を重ねている一方で、不要と思われる機能削減にも努めている。ここでは深掘りはしないが、興味があれば公式ドキュメントを参照してみてほしい。
Windows 10 Insider Preview ビルド21322では、「3Dオブジェクト」フォルダーを「PC」下に並ぶフォルダーの一覧から削除し、新規インストール時は「3Dビューアー」および「ペイント3D」がプリインストールされなくなった。
Windows 10は3Dモデルを利用するユーザーが少なく、コミュニティの盛り上がりにも欠けることから、2020年1月にRemix3D.comを廃止。ペイント3Dや3DビューアーはMicrosoft Store経由で入手できるものの、Windows 10 バージョン21H1以降、どこかのタイミングで新規インストールアプリから除外されるだろう。なお、インストール済み環境に機能更新プログラムを適用した場合はそのまま残る。
加えて、Windows 10 Insider Preview ビルド21322は「数式入力パネル」も削除した。Microsoftは公式ブログで「さらに使用頻度が低下した」ことを削除理由としており、思い返してみると筆者も使った記憶がない。Microsoft ExcelやMicrosoft OneNoteが数式入力機能を備えているため、Windows 10に同種の機能は不要と判断したのだろう。
Windows Insider ProgramのDevチャネルは開発途上のWindows 10を配信しているため、一連の機能削除が必ずしも次の機能更新プログラムに反映するとは限らない。ただ、Windows 10は負債となった過去の機能やアプリを引き継ぎ過ぎだ。たとえば、FAXモデムを要する「Windows FAXとスキャン」などが挙がる。筆者も20年以上前はWindows ServerをインストールしたデスクトップPCに、FAXモデムボードを増設して使用していたが、PC雑誌が下火になったあたりから使用頻度も下がり、Windows Server更新時にFAXモデムボードを取り外した。
Windows 10 バージョン20H2でWindows FAXとスキャンをアンインストールするには、「設定」の「アプリ/オプション機能」から実行する。ここには「メモ帳」「ワードパッド」「Windows Media Player」などが並んでいるが、1年以上起動した気配のないアプリは、iOS/iPadOSの「非使用のAppを取り除く」と同じように設定だけを残してアプリ本体を削除するか、アンインストールを提案する機能の実装を望みたい。