俳優のムロツヨシが、28日から6夜連続で放送されるフジテレビの深夜ドラマ『全っっっっっ然知らない街を歩いてみたものの』に主演することが14日、明らかになった。

ムロツヨシ=フジテレビ提供

このドラマは、清野とおる氏原作の同名漫画を映像化するもの。赤羽在住の漫画家セイノ(ムロ)は、ある日地図を見てハッとする…「自分の知らない街ばかりだ」と。知らない街にはどんな光景が広がり、どんな人がいて、どんな物語がそこにあるのか。それを知らないまま死んでしまうのは「なんか、嫌だー!」と、自分とは縁もゆかりもない土地へ足を運び始める。

そこで繰り広げられる物語は、その街で実在する場所が舞台になり、そこに暮らす人たちをモデルに俳優たちが演じていく。ドラマなので台本はあるものの、リアルなのか、ドラマなのか…不思議な感覚に陥る作品だ。

クランクイン時にムロが語っていたのは、その独特のヘアスタイルについて。ちょこっとおろした短めの前髪が特徴なのだが、これはヘアスタイリストと相談し、「原作の清野とおるさんと、主人公のセイノ、そしてムロをミックスしてみた」という。

訪れる街は、上中里(東京)、国道(神奈川)、霞ヶ関(埼玉)、山田(東京)、久留里(千葉)の5カ所。京都を拠点とする人気劇団「ヨーロッパ企画」とタッグを組み、全エピソードの脚本を担当し、キャストも数多く参加している。

放送スケジュールは、以下のとおり。

・3月28日(日)24:30~25:00
・3月29日(月)24:25~24:55
・3月30日(火)25:05~25:35
・3月31日(水)24:25~24:55
・4月1日(木)24:25~24:55
・4月2日(金)24:55~25:25

ムロ、原作の清野氏、企画・プロデュースの安永英樹氏のコメントは、以下のとおり。

■ムロツヨシ

――撮影する5つの街について印象は?

実は国道という街は、私の地元に近いところなんです。僕の通った高校の学区が一緒なので友達も多くて。それなのに、僕は生麦事件のことを今回撮影するまでよく知らなかったんです。勉強不足だったな、と思い、地元の高校の同級生のグループLINEに「申し訳なかった」となぜか謝罪のメッセージを入れてしまいましたよ。

――主人公のセイノと自分に共通点は?

街を歩いているのはセイノという役ですので、あまり自分ぽくならないようにはしています。ただ、素のリアクションは僕を通ってしまうので、自分に近いところが出ていると思います。僕は知らない所に行くことを“肝試し”という言い方をしますが、原作を読むとセイノもそのように感じている部分があるので、そこは共通点と言えるのではないでしょうか。あとは、いつも僕が髪を切ってもらっている美容師さんと相談して、『原作の清野さんと主人公のセイノと、ムロちゃん(美容師さんのムロへの呼び方)をミックスした』この髪型に落ち着きました。地のムロから、セイノの髪型に寄せていったイメージです。

――視聴者の皆さんにメッセージを。

街をぶらぶらとぶらつく“ドラマ”と言っていいのか、“作り物”です。清野さんが実際に歩いてみた場所や、街によっては今回新たに撮影した場所もあります。清野さんが通った道であるような、清野さんが作った世界でもあるような、そんな街ぶらの作り物です。その街を知る映像としても楽しんでいただければと思います。日々撮影がんばってまいります。どうぞよろしくお願いします!

■清野とおる氏

行ったことすら忘れていた数々の街。
描いたことすら忘れていた漫画。

そんな、10年前に描いた僕の漫画が、この不可解なタイミングで、
豪華すきる出演陣でドラマ化したその理由を、真面目に考えてみました。

…全っっっっっ然わかりませんでした。

まあとにかく、自由気ままに知らない街で知らない人たちと密に触れ合える、
そんな日常が早く戻るといいですね。

■安永英樹氏

ちょっとシニカル、でもどこか愛おしい、この愛すべきムロツヨシさん演じるキャラクター“セイノ”が、用事がない限りおそらく絶っっっっっ対に訪れないであろう街の不思議な魅力を「暴き」出してくれます。
毎週何曜日の夜、ではなくて…6日間“毎日連続ドラマ”というちょっと不思議なドラマをお楽しみいただければと思います。

(C)フジテレビ