冬場に自宅で暖房を使用する機会が増えると、電気代がかかるのが気になってしまいますが、できればしっかり暖めつつも、可能な限り電気代を抑えられる暖房機器を選んで使いたいもの。この記事では、暖房器具ごとに電気代がどの程度かかるのかを紹介します。
暖房は電気代が高い? 暖房の種類別電気代
冬は電気の使用量が多くなるからこそ、できるだけ電気代を抑えられる暖房器具を使いたいもの。そこで、暖房の種類別電気代の目安を紹介します。電気代の算出には、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が新電力料金目安単価としている27円/kWhを用いました。
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電気代がおトクな暖房器具は?
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エアコンの電気代
2020年に販売されている7~10畳対応のエアコンの場合、暖房期間消費電力量は平均で625kWhです。1時間あたりの電気代は16.875円となります。
ただし、エアコンの電気代は対応できる部屋の広さや製造年、室内温度などによって異なる点に注意してください。
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オイルヒーターの電気代
オイルヒーターとは、本体に密閉されたオイルを温めるタイプの暖房機器。電気代は設定温度によって異なります。
オイルヒーターの有名メーカーであるデロンギの8~10畳対応のオイルヒーターを参考にすると、消費電力は500~1,200W。1時間あたりの電気代は、13.5~32.4円と、やや高額です。
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電気ストーブの電気代
電気ストーブは機種や設定温度によって、大きく消費電力が異なります。
山善の遠赤外線電気ストーブを参考にすると、消費電力は330~990Wです。1時間あたりの電気代は8.91~26.73円。
遠赤外線タイプの他にもカーボンヒーターやハロゲンヒーターなどがあり、種類や大きさによって消費電力も異なります。
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こたつの電気代
こたつは温めるエリアが狭いため、意外と電気代は少なく済みます。
ニトリのリビングこたつ公式サイトを参考にすると、1時間あたりの電気代の目安は2.2~4.6円です。
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ホットカーペットの電気代
ホットカーペットの使用でかかる電気代は、大きさによって異なります。アイリスオーヤマのホットカーペットを参考にすると、電気代は下記の通りです。
電気代 | |
足元用 | 約0.4円 |
2畳用 | 約5.8~8.7円 |
3畳用 | 約6.6~11.4円 |
ほかの機器より電気代を抑えられることがわかります。
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パネルヒーターの電気代
パネルヒーターは、板状になっていて縦に置くと場所をとらない暖房器具です。消費電力はパネルの大きさに左右されます。
グリーンウッドのミニパネルヒーターを参考にすると、1時間あたりの電気代は約1~3.5円と比較的安いです。
販売している会社が少ない機器。部分的に温めたいときに活用してください。
石油ストーブ・石油ファンヒーターの電気代
石油ストーブや石油ファンヒーターは、石油を燃焼させるタイプの暖房器具であり、電気代は少なく済みます。
コロナの9畳まで対応している石油ファンヒーターを参考にすると、消費電力は11~21W。1時間あたりの消費電力は0.297~0.567円とわずかです。
ただし、電気代のほかに灯油代が必要となります。
ガスファンヒーター・ガスストーブの電気代
ガスファンヒーターやガスストーブは、プロパンガスや都市ガスを使った暖房器具です。リンナイのガス赤外線ストーブなど、電源を使わずに点火が可能な機種もあり、その場合は電気代がかかりません。
電気毛布の電気代
電気毛布は掛けタイプ・敷きタイプ・掛け敷き両用タイプなどがあります。パナソニックの電気掛け敷き毛布(シングルMサイズ)の場合、1時間あたりの電気代は約0.9~1.5円。
毛布の広さによって電気代が異なりますので、使い方に合う大きさを選ぶのが節電のポイントです。
付けっぱなしとこまめにスイッチを切るのではどちらの方が電気代は安い?
少しでも電気代を節約するために、こまめにスイッチを切るといいのではないかと考えたことがある人は多いでしょう。付けっぱなしとこまめにスイッチを入り切りするのはどちらがいいのか、比較していきます。
付けっぱなしにした場合
暖房器具を付けっぱなしにすると、付けている間の消費電力はほぼ一定です。累積の消費電力もそうたくさんは必要ありません。部屋を離れる時間が少なければ、付けっぱなしにしておく方が、電気代がかかりにくいでしょう。
しかし、仕事で長時間外出するときなど、不在にする時間が長いときまで付けっぱなしにしてしまうと電気代はかさんでしまう点に注意しましょう。
こまめにスイッチを入り切りする場合
エアコンや石油ストーブなど、点火時や起動時に消費電力が大きい暖房器具は多いです。こまめにスイッチを入り切りすると、その分消費電力が大きくなってしまいます。
長時間部屋にいるなら、温度を調節しつつ、付けっぱなしにしておきましょう。
暖房にかかる電気代を節約する方法
暖房にかかる電気代を節約するためには、暖房器具選び以外にもいくつかの方法があります。おすすめの方法をピックアップしました。
衣類を調節する
冬に適した素材として、保温性の高い衣類がたくさん発売されています。薄手でも発熱素材や保温性の高い素材を重ね着したり厚着したりして、衣類を調節すると暖房にかける電気代を抑えられるでしょう。
季節に合う素材でできた衣類を着ることで保温できるので、気温が低い日でも寒さを感じにくくなります。
また、就寝時などに湯たんぽを使うのもおすすめです。
外からの冷気を遮断する
窓ガラスは寒い日には屋外の冷気を伝えやすい特徴があります。断熱効果があるフィルムを窓に貼るなど工夫することで、断熱効果が高くなり、外からの冷気を遮断可能です。
外からの冷気を遮断すると部屋の中が冷えにくくなり、暖房器具の電気代を抑えられます。
扇風機で暖房の風を循環させる
エアコンは通常、部屋の上部に設置されていることがほとんどです。また、暖かい空気は下に下がりにくく、空間の上部に滞留しやすいため、なかなか部屋の温度が暖まりません。
サーキュレーターや扇風機などを活用し空気を循環させると、部屋が暖まりやすくなります。
電力会社やプランを見直す
2016年に電力の小売りが自由化されてからさまざまな電力会社が登場しています。契約する電力会社によって電気代が異なりますのでそれぞれの特徴を調べるとライフプランに合ったプランを選定することができます。
例えば東京電力のスタンダードSで契約している場合と0円でんきで比較すると、電気代は下記の通りです。
基本料金 | 電力量料金(/kWh) | |||
~120kWh | 121~300kWh | 301kWh~ | ||
東京電力スタンダードS | 286.00円 (10Aにつき) |
19.88円 | 26.46円 | 30.57円 |
0円でんき | 0円 | 26.3円 |
毎月の電気の使用量によってメリットが大きいプランが異なりますので、自分に合うプランがある電力会社を選ぶと電気代を抑えられます。
暖房には電気代がかかる! 使用機器を選んでできるだけ節約しよう
暖房器具を使用すると、多くの場合に電気代が発生します。また電力の使用量が少なくないことから、請求される電気代が高くなってしまいがちです。
暖房器具の中で電気代が高くなってしまうものには、電力だけで部屋全体を温められるエアコンやオイルヒーター、電気ストーブなどがあります。部屋全体を温められる暖房器具でも石油ストーブやガスストーブなどほかの燃料を使うものは、電気代は少なく済みますが、灯油代やガス代が別途必要です。こたつなど空間を部分的に温める暖房器具や、電気毛布など体を直接温める器具は、電気代は比較的安く済みます。
部屋に長時間滞在している場合は、こまめにスイッチを入り切りするよりも付けっぱなしにする方が電気代はかかりにくいです。しかし長時間不在にする場合には安全の面からもスイッチを切っておきましょう。
暖房の電気代を抑えたければ衣類を調節して、部屋の温度を高くし過ぎないなど対策はいくつかありますので、工夫しながら暖房を使っていきましょう。