2022年2月以降に公開を予定している映画『仕掛人・藤枝梅安』、『鬼平犯科帳』の製作発表記者会見が12日、都内で行われ、豊川悦司、松本幸四郎が出席した。

映画『仕掛人・藤枝梅安』、『鬼平犯科帳』の製作発表記者会見に出席した豊川悦司、松本幸四郎(左から)

映画『仕掛人・藤枝梅安』、『鬼平犯科帳』の製作発表記者会見に出席した豊川悦司、松本幸四郎(左から)

戦後を代表する歴史小説家、池波正太郎の名作『仕掛人・藤枝梅安』と『鬼平犯科帳』。これまで何度も映画やドラマ化された池波の代表作が、令和の時代になって再び映画化されることに。2022年2月に公開を予定している映画『仕掛人・藤枝梅安1』と同年5月公開予定の『仕掛人・藤枝梅安2』で主人公の藤枝梅安を豊川悦司、2024年5月に公開を予定している映画『鬼平犯科帳』の長谷川平蔵役には松本幸四郎が決定した。『鬼平犯科帳』は、劇場版と同時に連続シリーズの配信も予定している。

藤枝梅安を演じることになった豊川は「とてもとても大きな役で身が引き締まる思いであり、同時に縮こまる思いでもあります。俺が梅安? と自分の中でギャップがあって、子どもの頃に緒形拳さんが演じた梅安はヒーローだったのでまさか自分がやることになるという驚きがあって正直迷う部分がありました」と明かしつつ、「でも大森寿美男さんが書いたシナリオに監督が河毛俊作さんだからやるしかないと腹をくくり、チャレンジしがいのある仕事を映画の神様がくれたと思いましたね。伝統を守りながら新しい梅安を作り上げていきたいと思っています」とすでに新たな梅安像をイメージしているという。

長谷川平蔵役に決まった松本は「すこぶる興奮しております。鳥肌が立つと言いますか、そういう気持ちでいました。作品はもちろん傑作でありますし祖父(8代目松本幸四郎)や叔父(中村吉右衛門)が演じてきた作品でもありますので、その話をいただいた時は本当に驚きといいますか喜び以上に驚きました。根拠はありませんが自信はあります(笑)」と笑顔を見せながら、「人として人らしいというものを感じていただき、その先にある温かさや優しさ、そこに決断力と繊細な情を持った長谷川平蔵を目指して演じていきたいと思います」と意欲を見せた。

地上波での時代劇も減少し、変化の時を迎えている時代劇だが、豊川は「これから黄金期が来ると思っています。世界的な映画の流れを見ても、未来を描くことから一つ回帰主義とは言いませんが、昔の人たちがどう考えているのか人々が学ぼうとしています。そういう意味で、時代劇で描かれる人情溢れる人間たちの世界はこれからどんどん需要が出てくるんじゃないかと思っています」と前向きにとらえている様子。対する松本は「個人的に京都の松竹撮影所は育てていただいた場所。そこへの恩返しをしたいという思いは常に思っています。今回また松竹撮影所に行って長谷川平蔵でいられることは幸せですし、大きな大きなお土産を持って恩返しをしたいと思っています」と時代劇の出演を喜び、「時代劇はある意味ファンタジー。実話ではありますがファンタジーを作れるのが時代劇の大きな魅力だと思います。その魅力を信じて多くの方に観ていただけるような時代劇を目指したいと思っています」と目を輝かせていた。