畠中恵「しゃばけ」シリーズPresents『シャイニングモンスター ~ばくのふだ〔Shining編/Shadow編〕~』の公開ゲネプロが12日に東京・CBCKシブゲキ!!にて行われ、前川優希、井澤勇貴、小沼将太、反橋宗一郎、阿部大地、磯貝龍乎、真城めぐみ、錦織一清(演出)が取材に応じた。

  • 左から前川優希、錦織一清

    左から前川優希、錦織一清

同作は畠中恵による人気小説シリーズの舞台化作。主人公の若だんなこと一太郎がひょんなことから何者かの字で「助けて下さい」と書かれた謎の木札を手にし、続々と持ち込まれる相談事を解決へと導く。そんなある日、評判の噺家“本島亭場久”の怪談噺を聞きに寄席へ出かけると、突然客の一人がが刀を抜くという騒動が起こり、事件以降お江戸は不思議な悪夢のような出来事であふれ返ってしまう。

昨年末にジャニーズ事務所を退所し、新たな活動を開始した錦織は「こういう時期、このカンパニーだけでなく色んな制約がある中で、通常以上に舞台の仕事ができると言うことについて、感謝の気持ちを持って作らせていただいた次第」と心境を吐露。「いつも、お芝居をなるべくカジュアルなものに作っていきたいと思っているんですけど、若い人達と仕事をさせてもらって、こういう時期でもなければ軽く見に来れるような良いお芝居に仕上がったと思います」と自信を見せる。「若い人たちと一緒にやると、いつも思うんですけど、『今が人生の中で一番楽しいな』と思わせてもらっている。そんなカンパニーとの仕事が本当に楽しかったです」と感謝を表した。

そんな錦織について、小沼は「稽古場から錦織さんがすごく笑わせてくれて、そのパワーがどうにか皆様に届いたらいいなと思い、今この場に立っております」と言いつつ、ゲネプロにもかかわらず「これから残りの公演も……」と続け、周囲から「まだ初日やってないから!」「これ本公演に入ってるの?」とつっこまれる。井澤は「シリーズが何作かある中で、演出を錦さんにしていただいて、新しくできあがった『しゃばけ』は前作までの魅力も出しつつ、一風どころか八風くらい変わっているけど、そういった『しゃばけ』もあるし、そういうあやかし達もいるんじゃないかと。このご時世においてフランク、ラフに笑っていただける作品になっています 」と作品について紹介した。

真城は「私は唯一錦織さんと同じ年ですので、錦織さんのギャグがズボズボ入ってきまして、お稽古中も馬鹿笑いしていました」と振り返ったが、主演の前川も「全然くそガキですけど、でもグサグサ刺さってました!」と、ジェネレーションギャップは感じていなかった様子。「錦織さんにどうしたらいいかという質問をさせていただくことが多かったんですけど、真摯に答えてくださいつつ笑わせてくださって、楽しい時間でした」と明かす。

また「僕にもつい最近まで若い後輩達がいっぱいいたんですけど……」と会場の笑いを誘った錦織。「(後輩達と)同年代くらいの前川さんと一緒にやらせていただきまして。僕らは高度成長期に育った人間だけど、今の若い人たちの方が心の中が豊かな育ち方をして、優しい子が多いなと感じますし、僕が携わっていた後輩とも変わらず、そういったパワーや優しさから改めて勉強させてもらうことが多い」と語った。

話題となっていた錦織のギャグについて、前川は「色んなお仕事をされてきたりとか色んな景色を見てる方なので、出てくる話が著名人すぎて笑ってもいいのか……『あの、○○さんですか?』みたいな感じに」と苦笑する場面も。さらに「錦織さんが僕に『この現場は本当にいい子しかいないね。いいやつばっかりで本当に楽しいよ』とおっしゃってくださって、嬉しくて、独り占めしようとして皆には言ってないんですけど、僕ももちろんそう思ってますし、皆素敵で、『シャイニングモンスター』という作品で主演やらせていただく時にこういうカンパニーで良かったなと思ってます」と喜ぶ。「最年少なんですけど、まだまだ知らないことも多いですし、技術的にも足りてない物もたくさんありますので、一太郎じゃないですけど、皆様と共に手を取りつつ、その中で大事なポジションとしていつつ、皆で作り上げる作品にしたいと思っていました。稽古が始まる前、井澤さんに『あまり"座長として"というものを背負いすぎないでいいと思うよ』と言われたので、それもすごく頭に残っていて、逆に気軽にやれたかな」と振り返った。公演はCBCKシブゲキ!!にて3月13日~21日。