JR西日本は12日、亀岡駅にて「森の京都QRトレイン ~Quality and Relaxing Train~」の完成お披露目と出発式を行った。嵯峨野線(山陰本線)で活躍する223系1編成(4両編成)が内外装ともに「森の京都」デザインとなり、沿線利用者らの注目を集めた。
「森の京都QRトレイン ~Quality and Relaxing Train~」は、「森の京都」エリア(亀岡市、南丹市、京丹波町、福知山市、綾部市、京都市右京区京北)の知名度向上と近隣地域からの誘客を目的に登場したラッピング電車。嵯峨野線(山陰本線)で活躍する223系6000番台を使用し、車両の内外装を「森の京都」デザインで統一している。
関係者らが待ち構える中、「森の京都QRトレイン ~Quality and Relaxing Train~」は10時10分、亀岡駅4番線へ入線。外装は「森の京都」のコンセプトカラーである茶・黒・金をベースに、エリアを象徴する花・木・鳥をモチーフとした柄を配置している。車体前面は秋の紅葉や温かな里山を想起させる鮮やかな茶色となった。
車体側面は基本的に同一のデザイン。一部ドアの周囲は黒色を基調としており、「WOODLAND KYOTO」というロゴが見られる。車体中央には、ロゴマークとともに「森の京都」とデザインされたロゴが掲げられた。
ラッピング電車のお披露目に続いて出発式が行われ、京都府知事の西脇隆俊氏ら出席者がテープカットを実施。その後、「森の京都QRトレイン ~Quality and Relaxing Train~」を貸切列車として、亀岡駅から京都駅まで運行された。
車内は「森の京都」エリアの伝統産業や暮らしに着目したデザインと素材で統一されている。中吊りポスターは藍染、北山杉、黒谷和紙、柿渋染、森の京都和紙をモチーフに採用。試しに北山杉の中吊りポスターを触ると、木の質感を確認することができた。
座席カバーは優先座席を除き、各地域の特産物や工芸品など紹介するオリジナルのものに代わった。荷物棚の上の広告は、地図と写真を使って「森の京都」エリアの各自治体と魅力を解説している。
ちなみに列車名の「QR」は、「森の京都」の上質なコンテンツ(自然・暮らし・食・伝統工芸)をイメージした「Quality(上質な) and Relaxing(くつろいだ気分にさせる)」と、情報発信のためのQRコードをかけている。車内の中吊りポスターや座席カバーにあるQRコードを読み込むことで、「森の京都」の公式サイトにもアクセスできる。
「森の京都QRトレイン ~Quality and Relaxing Train~」は10時47分、京都駅の嵯峨野線ホームに到着した。嵯峨野線ホームは屋根に覆われており、あまり陽が当たらないことも影響してか、鮮やかな外装デザインがより目立っていたように感じた。
このラッピング電車は3月13日から運行開始し、3年間の運行を予定している。嵯峨野線(山陰本線)京都~胡麻間にて、普通列車等で運用されるため、運行ダイヤは未定。都合上、他の路線を運行する可能性もあるとのこと。