エンワールド・ジャパンは3月10日、中途採用における「リファレンスチェック」に関する調査結果を発表した。調査は1月15日~21日、外資系企業、およびグローバルにビジネスを展開している日系企業303社(外資系52%、日系48%)を対象にインターネットで行われた。
今回の調査テーマとなっている「リファレンスチェック」とは、採用の過程で、転職希望者の勤務状況や人物などについて、前職、または現職の関係者に問い合わせること。
はじめに、リファレンスチェックの認知率を調べたところ、外資系企業93%、日系企業73%という結果に。実施率は、外資系企業が58%と半数を超えたのに対し、日系企業では23%にとどまった。全体の実施率は41%だった。
そこで、リファレンスチェックを実施している企業に対し、そこで得た情報が採用の判断にどの程度影響しているかを尋ねたところ、「採用の判断に(大きく+少し)影響している」と回答した企業は、日系企業が81%と、外資系企業(62%)の回答を19ポイント上回った。リファレンスチェックを行っている割合は外資系企業が高い一方で、採用判断への影響度は日系企業の方が高いことが見て取れた。
続いて、リファレンスチェックを行っているタイミングについて聞いたところ、外資系・日系企業ともに「最終面接の後」(外資系65%、日系55%)が最多。また、日系企業では、45%が「最終面接より前」(一次面接の後、二次面接以降~最終面接より前)と回答。外資系企業の回答を22ポイント上回り、日系企業では、外資系企業と比較して、選考のより早い段階でリファレンスチェックを実施している企業が多いことが明らかに。
また、誰がリファレンスチェックを行っているのか尋ねたところ、「人事・採用担当者」(外資系51%、日系39%)が最も多く、次点は「外注・アウトソーシング」(同26%、30%)だった。
リファレンスチェックの良い点を聞いたところ、「面接官が受けた転職希望者の人物像や能力に間違いがないかの判断に役立つ」(外資系59%、日系64%)が最多に。そのほか、「面接で話した内容や応募書類に虚偽、誇張がないのかの確認に役立つ」(同55%、48%)、「実際の業務能力の把握ができる」(同40%、55%)が上位に。
一方、欠点としては、外資系企業では「回答の信憑性が判断しづらい」(60%) 、「回答者の属性によって回答に偏りが生じる可能性がある」(51%)が上位に。対して、日系企業では「回答者の属性によって回答に偏りが生じる可能性がある」(45%)が最も多く、次いで「時間がかかる」「手間がかかる」(ともに39%)が続いた。
最後に、「リファレンスチェックを実施していない」と回答した企業に、今後の導入予定について聞くと、71%が「導入する予定はない」と回答。理由を尋ねると、「回答の信憑性に懐疑的」(49%)という回答が最多となった。