Adobeは3月11日、Apple M1搭載Macでネイティブ動作する「Photoshop v22.3」を提供開始した。また、Photoshop iPad版の最新版Ver.2.2もリリースし、クラウドドキュメントのバージョン履歴管理や、クラウドドキュメントをオフラインでも作業できるようローカル保存する機能を追加した。
M1 Macでネイティブ動作するPhotoshop v22.3は、同社の内部テストでは、ファイルを開いたり保存したりするときや、フィルターの適用、コンテンツに応じた塗りつぶし、被写体の選択といった負荷の高い操作を含むアプリケーションの多くの部分で、平均パフォーマンスが従来と比べて約1.5倍向上したとアピール。
一方で、クラウド上での「編集に招待」や「プリセットの同期」といった、“最近加わった新機能の一部”については、新しいM1チップ上で動作させるための移植が完了していないため、動作しないとのこと。これらの機能が必要な場合は、公式ビルドへの移植が完了するまではRosetta 2エミュレーション環境に切り替えて使うよう案内している。具体的には、Finder上のメニューでPhotoshop v22.3の[情報を見る] → [Rosettaを使用して開く]を選ぶことで、Rosetta 2エミュレーション環境で起動するようになる。
M1ネイティブモードでは既知の問題として、埋め込みビデオレイヤーの読み込み/書き出しや再生、シェイクリダクション(手ブレ補正)フィルター、プリセットの同期、画像の共有ボタン/クイック共有などの機能が利用できなくなっている。詳細は同社サポートページで案内している。
同社では「アプリケーションの他の部分におけるパフォーマンスの向上が非常に効果的だったため、一部機能の移植の完了を待たずにリリースすることを決めた」と説明している。
このほか、同時にリリースした「Adobe Camera Raw 13.2」では、スーパー解像度という新機能をサポート。数百万枚の写真を使ってトレーニングした機械学習モデルを活用しており、「10メガピクセルの写真をワンクリックで、高品質な40メガピクセルのスーパー解像度写真に変換できる」とのことで、同社ブログ記事で同機能の詳細を紹介している。この機能は近日中に、LightroomとLightroom Classicからも利用可能になるという。
Photoshop iPad版、バージョン管理など新機能追加
iPad向けのPhotoshop Ver.2.2では、クラウドドキュメントのバージョン履歴のサポートと、クラウドドキュメントのオフライン作業対応という、2つの新機能を追加。
クラウドドキュメントはすべて自動保存されるが、内部的には保存のたびにバージョン履歴も記録されていた。今回の新機能は、この履歴を最大60日まで遡って確認し、任意のバージョンに復帰できるようにするもの。ホーム画面上で任意のドキュメントの「…」メニューをタップし、特定のバージョンを選択して有効期限が切れないようにブックマークしたり、ブックマークに名前を付けたり、名前を変更するといったことが可能になる。
また、任意のクラウドドキュメントを、オフラインでも作業できるようにローカル保存できるようになった。クラウドドキュメントをダウンロードする機能には、ホーム画面からアクセス可能だ。iPadの空き容量を増やしたいときは、「オンラインのみで保持」を選び、ローカルに保存したドキュメントを削除することもできる(再ダウンロードも可能)。