映画『花束みたいな恋をした』(公開中)の大ヒット御礼トークイベントが10日に都内で行われ、菅田将暉、土井裕泰監督、Awesome City Club(Atagi、PORIN、モリシー)が登場した。

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    菅田将暉

同作は脚本家・坂元裕二が書き下ろした初のオリジナル恋愛映画。東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)は、好きな音楽や映画がほとんど同じであっという間に恋に落ち、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。拾った猫に2人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても『スマスマ』が最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に2人は就職活動を続けるが……。

1月29日に公開されると、観客動員数200万人突破で週末興行成績V6を記録し、興行収入も30億円の大ヒットに迫っている同作。第45回香港国際映画祭「Fantastic Beats」部門に正式招待されることが決定し、海外へ向けても広がりつつある。菅田は「あまりに大ヒットしていて、本当にこんなことになるとは思っていませんでしたし、ありがたい現象だなと思います。周りの反響もすごくて、色々な人から連絡をいただきますし、現場でも観たよという声を貰います。皆、めっちゃ語ってくれるんですけど、この映画ならではの現象なのかなと思います。ちょうどOKAMOTO'Sのレイジ君が今日観てくれたみたいなんですが、『最後のファミレスのシーンで、麦くんと同じタイミングで同じ熱量、同じ量の涙が出た』と言っていました(笑)」と周囲の反響を明かした。

菅田は「男女で感想を分けるのは違うなと思っていたんですが、女性と男性の意見が結構違っていたのも面白かったです。女性の意見は表情もにこやかで、あんな恋愛分かるよね、したいよねって生き生きと喋っているのに、男性は昔付き合っていた女性のことを思い出しながら、しみじみと懐かしんでいることが多いんです(笑)」と、感想の違いにも興味。土井監督も「公開されて6週経った今もこういう場でご挨拶させていただけるのはなかなか無いことなので、僕自身も幸せですし、幸せな映画だと思います。観た人の数だけ感想が生まれて、皆がどこかで語り合っていたり、SNSに感想を投稿したり、どんどん現象が広がっていって今時だなと思います」と感謝を伝えた。

今回はSNSでも質問を募集し、土井監督が引き当てたのは「坂元さんが想定していたターゲットの10代や20代以外にも、幅広い年代にこの映画が刺さった一番のポイントはどこだと思いますか?」という質問。土井監督は「先ほど菅田くんも話していましたが、一番始めの試写会で泣いていたのはほぼ30代以上の男性だったんです。上手くいかない恋愛や仕事の悩みなど、そういう人生を一通り歩んできた方がこの映画を観ると、麦と絹の状況と完全に同じではないけれどこの空気、瞬間を知っているというシーンが所々にあるんじゃないかなと思います」と分析する。菅田も「『麦に感情移入しすぎたり、過去に同じような経験をしたな、というのが積み重なりすぎて、自分の中で有村架純と付き合っていた過去がだんだん出来上がる』というジョークを色々な人から何回も聞きました(笑)」と、麦と自分を重ねている男性の多さに触れた。

さらに、スペシャルゲストとして、本作へ出演し、インスパイアソングも手掛けたAwesome City Clubが駆け付け「今日はお呼びいただき、ありがとうございます!」(Atagi)、「はな恋大ヒット、おめでとうございます!」(PORIN)、「今日はよろしくお願いします!」(モリシ―)とそれぞれ挨拶。インスパイアソング「勿忘」は映画とあわせて注目されているが、Atagiは「本編に楽曲を使っていただいたり、ボーカルのPORINが出演したというご縁があって、試写会に参加させていただいたんですが、映画を観てものすごく感銘を受けました。涙が溢れたし、割り切れない感情が自分の中で渦を巻いて、この感情をどうにか曲に出来ないかなと。もし良ければ作品をテーマに曲を書かせていただけませんか? というご相談からこの曲が生まれました」と楽曲誕生の経緯を明かす。

会場では特別に、Awesome City Clubが「勿忘」のアコースティックバージョンを生披露し、菅田も「最高!! 久々にライブを観れて感動しました!」とコロナ禍での貴重な生歌に胸を打たれた様子。最後には「映画と音楽が一緒に広まっていく形は理想的だし、坂元さんのオリジナル脚本の作品ということも個人的に理想や夢がいっぱい詰まった映画でした。大ヒットは皆様のおかげです。本当にありがとうございました!」とメッセージを贈った。