服や帽子などに取り付けてフリーハンドで撮影できる「ウェアラブルカメラ」というコンセプトの親指大カメラ「Insta360 GO」が、新バージョン「Insta360 GO 2」にモデルチェンジしました。単に充電やデータ転送に使われていた充電ケースを一新し、ボタンや表示パネルを搭載して操作性を高めたり、単体で自立したりするように改良。「カメラ単体ならば機動力の高いウエアラブルカメラ」「ケースに入れれば幅広いシーンで使える多機能カメラ」の両方の使い方ができるイマドキの動画カメラに進化していました。

  • 充電ケースが劇的に進化した親指大サイズのアクションカメラの新版「Insta360 GO 2」。希望小売価格は36,300円(税込)で、3月9日から販売を開始している

Insta360 GO 2のイメージビデオ。手ブレ補正機能の効果や特徴的な使い方がテンポよくまとめられている

親指大サイズの超小型ボディは健在

2019年9月に登場した初代Insta360 GOは、親指大サイズで約18gという超小型軽量ボディを生かし、本体に搭載した磁石で服や帽子などさまざまな場所にくっつけてフリーハンドで撮影できるアクションカメラとしてデビュー。圧倒的な小ささがもたらす機動性の高さや、ブレや傾きを抑えた動画が撮影できる点が話題になり、税込み2万円台前半という手ごろな価格もあってヒットしました。

今回登場したInsta360 GO 2は、親指大サイズという基本コンセプトを継承しながら、カメラ本体や充電ケースの改良で実用性を大幅に高めています。希望小売価格は36,300円(税込)で、初代モデルよりも1万円以上高くなりました。

  • Insta360 GO 2の本体。親指大サイズのスタイルを継承しつつ、透明のケースなしで防水性能を高めるなど、改良が加えられた

  • 単3形乾電池よりもコンパクトなボディは健在。重さは約27gで、先代よりも重くなったとはいえ十分軽い

充電ケースを改良、ケースに入れた状態で撮影できるように

特に注目したいのが、付属の充電ケースの進化。初代モデルの充電ケースは、おもにバッテリーの充電やiPhoneへのデータ転送、カメラ本体の保護程度の機能を担っていたのに対し、Insta360 GO 2では構造を一新しつつ表示パネルや操作ボタンを搭載。「カメラを装着すれば、単体の時は異なる機能や装備が加えられ、幅広い撮影シーンに対応する多機能カメラに変身」といった、合体ロボのような進化をもたらす存在に変わりました。

  • 充電ケースの比較。Insta360 GO 2(左)はInsta360 GO(右)よりも若干大きくなったが、機能や装備は大幅に進化した

Insta360 GO 2の充電ケースは、上半分をパカッと開くとカメラが取り出せる構造になっていますが、同時に表示パネルや操作ボタンも姿を現し、カメラを装着したままボタン操作で撮影ができるようになりました。表示パネルは白黒で、撮影した動画や写真の表示はできません。しかし、撮影モードや設定、バッテリーやメモリーの残量が確認できるので、「今どの撮影モードなのかな?」と迷うことはありません。下半分をグリップ代わりに持てば、カメラ単体を指でつまむよりも安定して撮影できるのもポイントです。

  • Insta360 GO 2の充電ケースは、金属製のヒンジで開閉する構造に一新。カメラ本体は磁力で固定されており、レンズの部分に指をかければサッと取り出せる

  • ケースに追加された表示パネルと2つの操作ボタン。撮影モードの切り替えや設定変更が画面を見ながら行える。ライブビューの表示や、撮影した動画や写真の表示はできない

  • ケースの下側を持てば、ボタンで撮影や停止の操作をしながら撮影できる

  • 磁力は結構強いので、歩きながらの撮影でもカメラがケースから外れることはない

充電ケースだけで自立でき、三脚いらずで自撮りできる

ケースの底面を開くと三脚代わりの脚になり、ケース単体で自立できます。カメラ部の角度も調整でき、ハンズフリーで自撮りできます。一般的な三脚穴も新たに設けられました。特別なマウント器具を用意することなく、手軽にカメラを固定できるようになったので、自撮りを中心に動画を手軽に撮影したいVlogger向けの改良といえます。

  • 本体底面の2本の脚を開くと三脚代わりになり、ケース単体で自立できる

  • カメラ部の角度は柔軟に調節できる

  • ケース単体で自立できるので、充電ケースを持ち歩くだけでVlogなどの自撮り動画撮影がサッと始められる

  • 側面にはUSB Type-C端子のほかに、一般的な三脚穴を用意

  • マウント用の器具などを使うことなく、直接三脚に据えられる

バッテリー駆動時間が大幅に増えるのもポイント。カメラ単体では約30分しかバッテリーが持ちませんが、ケースに入れれば5倍の約150分に延び、実用的に撮影ができます。

粘着テープと可動式のホルダーを備えるピボットスタンドを使えば、さまざまな場所にカメラを固定して最適なアングルで撮影できます。カメラは磁力でしっかりとくっつくため、クルマのウインドウやバイクのヘルメットなどに装着しても落下の心配はなさそうです。カメラを充電ケースから外した状態でも充電ケースがリモコンとして使え、ケースのボタン操作で離れた場所に設置したカメラの撮影や停止の操作ができます。

  • 底面に粘着テープを備えるピボットスタンド

  • さまざまな場所に簡単に貼り付けて固定できる。品質の高いテープを用いているようで、接着剤が残ったり途中でテープがちぎれたりせずにきれいにはがせた

  • クルマのウインドウの外側やボンネットに貼り付ければ、車内にカメラを固定するよりも迫力のある動画が撮影できる

  • 強力な手ブレ補正機能を搭載しているので、犬や猫などのペットに装着するのもあり

  • 帽子のツバや衣服に取り付けるためのアタッチメントは、角度が変えられるように改良された

親指大という特徴を継承しつつ、充電ケースとの合体ワザで実用性と利便性を大幅に高めたInsta360 GO 2。手軽&高画質にVlogの動画撮影をしたいと考える人には魅力的な動画カメラに仕上がったと感じます。希望小売価格は税込み36,300円で、従来よりも価格が1万円以上高くなったことで「お手ごろ価格」というイメージは薄れましたが、最大のライバルとなりそうな「GoPro HERO9 Black」(実売価格は税込み57,000円)と比べればお買い得。いろいろなマウント用の器具を買わずに体や自転車、ペットなどさまざまな場所に取り付けて撮影したい、と考えるVloggerや動画ファンにとって響く新世代カメラとなりそうです。

  • 性能や信頼性の高さでアクションカムの王者として高い評価を得ている「GoPro HERO9 Black」(右)。Insta360 GO 2は、小型軽量ボディと多彩な使い方ができる充電ケースの存在を追い風に、GoProの牙城を崩せるか

ミニオンズバージョンも登場!

映画「ミニオンズ」の登場キャラクターをモチーフに、かわいらしい外観に仕上げた「Insta360 GO 2ミニオンズ特別版」も用意します。希望小売価格は39,725円 (税込) で、Insta360公式サイト限定での販売となります。発売時期は2021年夏の予定。

  • 映画「ミニオンズ」のキャラクター風の外観に仕上げた「Insta360 GO 2ミニオンズ特別版」

  • オリジナルのキャラクターをうまくデフォルメして仕上げている

  • レンズ保護カバーの形状が通常版とは異なっているなど、細かい部分も凝っている

撮像素子 1/2.3インチセンサー(画素数は非公開)
焦点距離 11.24mm(35mm判換算)
絞り値 f/2.2
写真解像度 1920×1080(16:9)、2000×2000(1:1)、1080×1920(9:16)
動画最大解像度 2560×1440@50fps, 30fps
内蔵マイク モノラル(風切り音低減オプション付き)
Bluetooth BLE 5.0
Wi-Fi IEEE802.11a/b/g/n/ac
ストレージ 32GB(利用可能領域は約28GB)
最大クリップ長 FlowState手ブレ補正:10分、Basic手ブレ補正:15分、FPVモード:30分、タイムラプス: インターバル時間は調節可能。充電ケース使用時は最長110分の録画で7分間の動画クリップ作成が可能
バッテリー カメラ:210mAh ケース:1100mAh
連続撮影時間 カメラ単体:30分 充電ケース使用時:150分
充電時間 カメラ:23分で80%、35分で100% ケース:47分で80%、 65分で100%
本体サイズ 52.9×23.6×20.7mm(カメラ本体)
68.1×48.54×26.6mm(ケース、閉じた状態)
132.5×26.03×26.6mm(ケース、開いた状態)
重さ カメラ:26.5g、ケース:63.5g
希望小売価格 36,300円(税込)
発売日 2021年3月9日