すでに高崎一生七段と増田康宏六段は昇級確定。残り1枠を高見七段と船江恒平六段で争う
第79期順位戦C級1組(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)の最終戦である、11回戦が3月9日に東西の将棋会館で一斉に行われています。
第79期順位戦C級1組の上位成績者を抜粋。3敗最上位の飯島栄治八段は昇級には届かず
C級1組の昇級枠は3つ。9勝0敗の高崎一生七段と8勝1敗で順位のいい増田康宏六段が10回戦終了時点で昇級を決めており、残りは1枠です。これを争うのが8勝1敗の高見泰地七段と7勝2敗の船江恒平六段。その他の棋士はすでに3敗目を喫しており、昇級の可能性はありません。
高見七段の順位は30位。自身が勝つか、船江六段が敗れれば昇級です。順位が13位の船江六段は高見七段のキャンセル待ち。高見七段が敗れ、自身が勝利すれば昇級となります。
高見七段の対戦相手は高崎七段です。高崎七段はすでに昇級を決めていますが、来期順位のためにトップで通過したいところでしょう。戦型は高崎七段の三間飛車対高見七段の居飛車持久戦となっています。叡王のタイトル獲得経験がある高見七段。前期に続いて2期連続昇級を目指します。
船江六段は村田顕弘六段と対戦。横歩取りの最新形の将棋となっています。船江六段は先日公認会計士試験に合格したことで話題になりました。棋士としても今日大きな結果を残すことができるでしょうか。
一方の降級点をめぐる戦いにも注目です。C級1組は降級点を2回取ってしまうと降級となります。8つの降級点のうち、すでに4つが決まっているという状況。青野照市九段と島朗九段は降級点2つ目のため、C級2組へ降級となってしまいました。青野九段は順位戦参加2期目でC級1組への昇級を決めた、昭和50年度の第30期以来のC級2組を来期戦うことになります。
残り4つの降級点が付く可能性があるのは、危ない順に安用寺孝功六段、宮田敦史七段、小林裕士七段、豊川孝弘七段、森下卓九段、北島忠雄七段、田村康介七段の7人です。このうち安用寺六段、小林七段、豊川七段、森下九段はすでに降級点を持っているため、結果次第では降級となってしまいます。
また、降級点は勝ち越すか2期連続で指し分けることで消すことができます。今期はすでに平藤眞吾七段が2期連続指し分けを決めており、消去に成功しています。5勝4敗で最終戦を迎えている日浦市郎八段、門倉啓太五段も最終戦勝利で勝ち越し達成。敗れても来期に消去の目が残るとはいえ、ここで是が非でも消しておきたいところでしょう。