アサヒビールが新商品「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」を4月20日より発売する。その特徴は、"自己発泡"する新開発のビール缶にあった。フタを開けると、きめ細かい泡があふれ出す仕掛けだという。一体どんな仕組みなのか? 実際に新商品を試飲する機会を得たのでレポートする。

  • ゴクゴク! 新商品「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」。試飲した感想は?

泡のヒミツは缶にアリ! 日本初の新容器とは?

「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」は、アサヒビールによると『まるで生ジョッキのうまさ。』の新商品だという。いやいや、缶ビールなのに生ジョッキ? フタを開けると泡が出るって、一体どういうことなんだ?

  • キャッチは『まるで生ジョッキのうまさ』。価格はオープン価格で、「アサヒスーパードライ」と同じ価格帯。発売日は4月20日(コンビニエンスストアでは4月6日に先行発売する) ※画像は公式サイトより引用

開封前の缶を見る限り、少しプルタブが大きいくらいで見た目も手触りも従来のアルミ缶と変わらない。しかし、日本初の新容器を採用しているという。ポイントは以下の2つ。

  • 見た目などは従来のアルミ缶と変わらないようだが……

【1】自己発泡する缶胴
アルミ缶の内側には特殊塗料が施されている。塗料によるクレーター状の凹凸で、開栓すると泡が自然に発生するしくみだ。通常のビール缶からグラスに注いだ時の泡よりも、きめ細かい泡ができるという。

【2】フルオープンのフタ
缶のフタは全開する設計。飲み口は、飲料缶では初採用となる"ダブルセーフティー構造"により非常に滑らかだ。

フルオープンのフタと聞くと、缶詰のようにうっかり口や手を切ってしまわないか心配だったが、安心して飲める仕様になっている。さらにフタ側も同じ加工が施されているため、捨てるときも安全だ。また、フタは缶の中に入れて捨てられる。

今回飲み終わった後に改めて飲み口を見てみたが、その滑らかさがよくわかる。

  • 飲み終わった後に缶の飲み口を見てみると、"ダブルセーフティー構造"の滑らかさが確認できる

普通の見た目に様々な技術が盛り込まれている「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」だが、実はアサヒビールは、缶入りビールを日本で初めて発表した企業だ。1958年には缶入りビールを、さらに1971年にはこれもまた日本初のアルミ缶入りビールを発売している。そんな「缶ビールの先駆者」が作った「生ジョッキ缶」、もしかすると缶ビールの歴史に名を刻む缶になるかもしれない。

実際に試飲してみた

それでは、冷蔵庫でしっかり冷やした「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」を飲んでみよう。

缶をテーブルの上に静かに置き、力を入れて開栓。カチ、という良い音が響く。そしてプルタブを引っ張るとフタが全開した。缶詰を開けるような感触を想像していたが、そこまで力は必要ない。

  • フタは思ったよりも軽く開く

開栓してすぐに、白くきめ細やかな泡がわいてきた! さらに泡は勢いを増してどんどん膨らんでくる。まるで飲み屋のサーバーから注いだような、細かくクリーミーな泡立ちに驚いた。

  • 開栓して泡が膨らむまで、ものの1秒ほどだった

開けた瞬間から、良い麦芽の香りが漂う。飲み口が広いため、通常の缶ビールよりも香りを強く感じるようだ。

口にすると、雑味のないすっきりした「スーパードライ」がゴクゴク飲める。一度に口に入るビールの量が多いと、爽快感も増すものだ。まさに「生ジョッキ」感覚の嬉しさと言える。

しかも缶から直接飲むので、キンキンに冷えた状態で、炭酸感もしっかり感じられる。通常の「スーパードライ」も美味しいが、ジョッキ缶でゴクゴク飲む初めての体験は、ちょっとテンションが上がって楽しい気分になる。

アサヒビールがターゲットに想定しているのは、20~30代の若年層、そして普段は居酒屋などで飲んでいる外飲みユーザーだ。「生ジョッキ缶」の名の通り、自宅で飲んでも飲食店でビールを楽しんでいるようなワクワク感、高揚感が味わえる、そんな新商品になっていた。「スーパードライ」は飲み慣れている、という人にも是非トライしてみて欲しい。

カメラマン/佐藤登志雄