マーケティングなど、ビジネスシーンで使える「ベビーフェイス効果」の意味をご存知でしょうか。ベビーフェイス効果とは、大きな目や丸い顔など、赤ちゃん特有の特徴を見ると自然と警戒心が緩む心理現象のことです。この効果は、実際の赤ちゃんだけではなく、赤ちゃんのような顔をした芸能人や可愛い動物などにも同様の効果が期待できるといわれています。
警戒心が緩む心理を活用して商品を売れやすくするため、マーケティング業界などでも利用されてる「ベビーフェイス効果」。本記事では、言葉の意味やビジネスで使える具体的な活用例について紹介します。
ベビーフェイス効果の意味
ベビーフェイス効果とは、純粋無垢で無邪気な赤ちゃんのようなルックスが与える心理現象のことです。この効果は、ビジネスにも活用されています。
赤ちゃんの顔や赤ちゃんのような顔、動物の赤ちゃんの顔、赤ちゃんのようなキャラクターの顔などを見ると、多くの人が「守ってあげたい」「純粋にかわいい」という心理状態になります。この心理状態は警戒心を抑えて安心感を与えます。
ベビーフェイス効果の由来
多くの人が、赤ちゃんを見ることで警戒心が和らぎ、優しい気持ちになることを経験したことがあるでしょう。
ベビーフェイス効果という表現は、心理学用語が語源で、「ベビースキーマ」を応用した概念だといわれています。ベビースキーマとは、人間や動物の赤ちゃんの身体的な特徴のことで、オーストリアの動物行動学者、コンラート・ツァハリアス・ローレンツが定義した言葉です。
社会心理学の概念の一つに、ある対象に対する印象や評価が、その見た目や特徴に左右されて歪められてしまう「ハロー効果」と呼ばれる現象があります。人間は赤ちゃんの特徴であるベビースキーマを見ると警戒心が緩んで好感を抱くベビーフェイス効果も、ハロー効果の一つと言えるでしょう。
ベビーフェイス効果を引き起こすベビースキーマの具体例
赤ちゃんや子犬、子猫の顔やしぐさなど、ベビーフェイス効果を引き起こすベビースキーマの例はさまざまです。
ここでは、ベビーフェイス効果を引き起こすベビースキーマの具体例について紹介します。ベビーフェイス効果についてより理解しましょう。
赤ちゃん
ベビースキーマは、さまざまな実験によって裏づけられている学説です。「目が大きく頬がぷっくりしている」「身体と比較すると頭が大きく手足が短かい」など、赤ちゃんの特徴そのものを人間の脳は「かわいい」と判断する傾向が強いようです。
動物の赤ちゃん
ベビースキーマの条件には、人間だけではなく動物の赤ちゃんも当てはまります。子犬や子猫、パンダの赤ちゃんなど、人間にとってかわいいと感じる動物の赤ちゃんは多種多様です。
子役または童顔の女優や俳優
ベビースキーマの条件に当てはまっている顔やルックスであれば、赤ちゃんではなくても効果が期待できます。
たとえば、童顔の人に親近感や好感を抱きやすいのは、ベビーフェイス効果の条件に当てはまっているからだといえるでしょう。
ゆるキャラなどのイメージキャラクター
ベビースキーマの条件に当てはまるようにデザインされているイメージキャラクターは多いです。日本では、ゆるキャラなどのイメージキャラクターもベビースキーマに基づいているモノが多くあります。また、海外でも「かわいい」と感じるキャラクターデザインを採用するケースが増えているようです。
ビジネスに活用できるベビーフェイス効果の具体例
ベビーフェイス効果は、ビジネスにも多く活用されています。テレビのコマーシャルなどもその一例です。
最近ではコマーシャルだけでなく、マーケティング部門でもベビーフェイス効果を活用する機会が多いようです。広告はもちろん、ホームページにもベビーフェイス効果を活用すれば、見る人に安心感や親近感を与えてくれるでしょう。
ここでは、ビジネスに活用できるベビーフェイス効果の具体例について紹介します。
広告にベビースキーマを活用する
広告(テレビのコマーシャルなど)に、ベビースキーマを活用している例は数多くあります。一見、赤ちゃんや子どもと関係のない商品やサービスの広告であっても、子役やキャラクターが使われているのを見かけたことがあるでしょう。
ベビーフェイス効果を広告に活用することで、親近感や好印象を与えやすくなる効果が期待できます。
商品パッケージにベビースキーマを活用する
商品パッケージにベビースキーマを活用することで、商品イメージの向上につながる可能性があります。赤ちゃんをはじめ、キャラクターや動物などが商品パッケージのデザインに採用されているものは多く、ベビーフェイス効果を上手に活用していると言えるでしょう。
ベビースキーマのイメージキャラクターを作る
ベビースキーマを活用したイメージキャラクターを作り、ベビーフェイス効果を得ることも可能です。最近では独自のキャラクターを作っている企業も見受けられます。イメージキャラクターがある商品は好印象を抱きやすいため、売り上げにも影響を与える可能性があります。
ベビーフェイス効果を活用する際の注意点
ベビーフェイス効果は、さまざまな分野に活用できますが、注意しなければならない点はいくつかあります。
たとえば、全くマッチしないような商品にベビーフェイス効果を導入しても、安心感や親近感を得ることは難しいです。ベビーフェイス効果を活用する際の注意点についても知っておきましょう。
(1)イメージに合わない業種では活用しない
ベビーフェイス効果は安心感や親近感を与え、不信感を取り除いてくれる効果が期待できます。しかし、弁護士事務所などのWebページやトレーニングジムの広告など、信頼感や権威を打ち出したい広告にベビーフェイス効果を活用するのは逆効果になる可能性があります。
イメージがあまりにも違う業種でベビーフェイス効果を取り入れても、信頼感につながらないケースがあります。マッチしないことを続けていると、見る側に嫌悪感を与えてしまう場合があるため注意が必要です。
(2)ターゲットの属性に応じて使い分ける
ベビーフェイス効果を高めるためには、ターゲットの属性に合わせて使い分けることが重要です。ベビーフェイス効果を活用する前に、ターゲットやテーマをよく考えましょう。そして、属性を絞ってベビーフェイス効果を活用することが大切です。
ベビーフェイス効果の英語表現
ベビーフェイス効果は英語で、「Baby face effect」と表記します。ビジネスでは英語を使う機会も多く存在します。そのため、英語での表記や伝え方についても理解しておきましょう。
ベビーフェイス効果をビジネスに活用しよう
ビジネスシーンにおいて、ベビーフェイス効果はさまざまな場面で活用されています。たとえば、ベビーフェイス効果をマーケティングに効果的に活用し、人間や動物の赤ちゃん、子役や童顔の俳優、ゆるキャラなどのイメージキャラクターがテレビCMや広告に採用されているケースは多いです。
企業や商品にマッチしている場合は、ベビーフェイス効果を積極的に活用してみましょう。