日本コカ・コーラは、緑茶ブランド「綾鷹」より新シリーズ「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」を3月22日に発売する。それに伴い、3月5日に商品発表と同社の「お茶カテゴリー戦略発表会」をオンラインにて実施した。

  • 「綾鷹」新シリーズ「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」の発表と、日本コカ・コーラ「お茶カテゴリー戦略発表会」をレポートする

新商品「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」

今回発表された「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」は、京都・宇治の老舗茶舗「上林春松本店」とスペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」が監修した「綾鷹」ブランドの新シリーズだ。

"お茶をもっと自由に、もっと楽しくする"提案として開発された同商品は、上林春松本店の協力のもと「綾鷹カフェ」のために厳選した国産抹茶を100%使用。1本あたりに茶杓約2杯分をイメージした量を使用し、濃厚な味わいを楽しめるという。また緑茶「綾鷹」で使用する抹茶よりも粒度を大きくし、口当たりや味わいを抹茶ラテに最適化している。コカ・コーラ社独自の技術を用いた製法で、贅沢で本格的な抹茶の味わいに仕上げたとのこと。

ターゲットとなる消費者は、カフェを普段よく利用する20~30代が中心。家や職場での気分転換やリラックスなど、あらゆる場面での飲用シーンを想定している。希望小売価格は440mlPETが税別146円、280mlPETが税別139円。

新商品「綾鷹カフェ」について、日本コカ・コーラ マーケティング本部 ティーカテゴリー 緑茶グループ グループマネジャー 助川公太氏は「コーヒー・紅茶に次ぐラテ製品の第三極にしたい」と語る。

助川氏によると、同商品の開発において、3つの消費者の嗜好変化に着目したという。ひとつは「和素材メニューの定番化(抹茶ラテ、ほうじ茶ラテ)」、二つ目はコロナ禍で顕著になった「プチ贅沢気分」のニーズ、三つ目は同じくコロナ禍による「カフェの利用控え」だ。現在、RTD(レディトゥドリンク)のラテカテゴリー市場は過去5年平均伸長率が5%と伸びている一方、そのうち和素材を使ったメニューの比率は1%未満とまだ低い状況であること、またカフェ利用者のうちPETコーヒー製品非飲用層は想定で約2600万人いることを挙げ、今後の市場拡大に期待を寄せている。

  • 日本コカ・コーラ マーケティング本部 ティーカテゴリー 緑茶グループ グループマネジャー 助川公太氏

2022年には15周年を迎える「綾鷹」だが、助川氏は2021年のブランドにおける活動テーマを「"前進"と"革新"」と掲げた。「前進」はレギュラーの「綾鷹」と派生製品の育成を、新たな価値を創り出す「革新」のパートは今回発売する「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」が担うという。

お茶カテゴリーでもリーディングカンパニーを目指す

同時に実施された「お茶カテゴリー戦略発表会」では、同社マーケティング本部 ティーカテゴリー バイスプレジデント 小林香予氏が戦略を発表した。「お茶カテゴリー」においては追う立場の日本コカ・コーラだが、今後は多彩なポートフォリオでお茶市場でもリーディングカンパニーを狙う。

「お茶カテゴリーの市場は、2020年単年としては一定数の冷え込みをみせたが、機能性茶の伸長など見込みはあると考えています」と小林氏。傾向として、最も大きな「緑茶」は変わらず、楽しみ方の選択肢が広がった「紅茶」が市場の2割に増加、健康意識の高まりを受け、機能性茶も伸びているという。

  • 同社マーケティング本部 ティーカテゴリー バイスプレジデント 小林香予氏

また、ユーザーのインサイトも変化しており、"その時の瞬間のモチベーションによって、ニーズを満たす商品を複数のカテゴリから選び、飲みまわる傾向が強まっている"と分析する。「嗜好性(味わい)」を求めてコーヒーを選ぶ方もいれば、紅茶を選ぶ方もいる、「健康感(維持・向上)」にはトクホ製品を選ぶ一方、フレッシュなジュースのニーズもある、「止渇性(リフレッシュ)」は麦茶・ブレンド茶とともに水も選択肢に入るといったように事例をあげ、「お茶カテゴリーはこういったニーズを横断的に満たせる、数少ない飲料カテゴリーです」と語る。

日本でお茶ブランドを展開するにあたり「自信を持った質の高い"味わい"と消費者の"健康"を考え、人々を潤し続ける」ことを使命とする同社は、多彩なポートフォリオを提供することでお茶市場でもリーディングカンパニーを狙うという。今回の発表会をもって、緑茶は「綾鷹」、止渇系の無糖茶は「爽健美茶」と今年4月発売「やかんの麦茶」、紅茶はマスターブランドとして進化する「紅茶花伝」、健康機能性茶「からだすこやか茶W」と今年2月発売「からだおだやか茶W」と幅広いセグメントの商品が出揃う。

最後に小林氏は「炭酸とコーヒーが強い日本コカ・コーラですが、2021年はお茶カテゴリそれぞれのセグメントに対して商品を強化できました。今回発売する『綾鷹カフェ』も、『綾鷹』を次のステージに上げる商品です。すべてのお茶に対するニーズをきっりち押さえて、コカ・コーラ社ならではの美味しさを持った商品群が揃ったと自負しています」と語った。