• 折りたたみスマホ「razr 5G」でマイナビニュースを表示したところ

モトローラ・モビリティ・ジャパンは3月4日、オンラインにて報道発表会を開催。フォルダブルスマホの「motorola razr 5G」の取り扱いを日本国内向けに発表した。直営ストアでSIMフリーモデルが販売されるほか、ソフトバンクからキャリアモデルとして販売される。また、同発表会にて、レノボ・ジャパンが13.3型フォルダブルPC「ThinkPad X1 Fold」の5Gモデルを、ソフトバンクから3月17日に発売することを明かした。

5Gが使える縦折りスマホ「razr 5G」ついに上陸

motorola razrは、6.2インチのディスプレイを搭載したフォルダブルデバイスだ。4G版は昨年に海外で販売されていたが、こちらは日本には未上陸――。今回ようやく、5G対応になった後継モデル「razr 5G(レーザー・ファイブジー)」が日本で販売される形となった。

「フォルダブル」なデバイスが話題として盛り上がったピークの時期こそ逃したようにも思えるが、5G対応した状態で販売されることは、長期利用を想定するユーザーにとってはありがたい改良だと言える。なお、ソフトバンクからは3月下旬以降の発売を予定。3月5日から予約受付が開始されている。

  • ようやく日本上陸を果たす「razr 5G」

同機は、グローバルフラグシップモデルと位置付けられるように、モトローラ公式オンラインストアでの価格(SIMフリー版)が税込179,801円と高額だ。ただし、ソフトバンクから購入して「トクするサポート+」を活用し、48回払いで24回分の残差が免除される仕組みを適用すれば、実質的には99,000円の負担で入手可能。

普段ハイエンドのAndroidを購入している層にとっても、決して”手が出せない”という存在ではない。折れ曲がるディスプレイとはどんなものなのか――、と使って試したいというアーリーアダプター層には、これまで以上に魅力的に映るかもしれない。

  • 縦折りで、かつ背面にもディスプレイがある構造はユニークだ

  • 背面にも2.7インチ(800×600ドット)のサブ画面「クイックビューディスプレー」を装備。アプリも開いて表示できる

フォルダブルスマホには、タブレットサイズの大画面をスマホサイズにコンパクト化するものと、スマホサイズの画面をさらに小さくする2路線が存在する。motorola razrは、言わずもがな後者に相当するモデルだ。

同じく縦に折り畳めるフォルダブルスマホとしては、サムスン電子の「Galaxy Z Flip」が先行してauから販売されている。これと比べてみると、motorola razrの外観は、携帯電話シリーズの「RAZR」を元にしていることもあり懐古的なデザインだ。カラーもポリッシュグラファイトのみであり、この辺りは好みが別れるところだろう。

一方、機能としては、折り畳んだときにも2.7型のタッチディスプレイ(クイックビューディスプレー)で情報を確認できるなどのメリットも多い。また、モトローラブランドではお馴染みの「Motoアクション」機能が使えるため、例えば端末を振るなどのジェスチャー操作によってショートカット機能を利用できるなど利便性がウリになるだろう。

例えば、クイックビューディスプレーでは、「通知の確認・電話の発信・セルフィー撮影・メッセージへの返信・曲の再生・マップの検索・Googleアシスタントへの質問」などが実行できる。また、Motoアクションでは、端末を2回ひねってカメラを起動させたり、縦に2回振り下ろすことでフラッシュライトを点灯させるなどの操作が可能だ。

  • 本体背面

そのほかの仕様については、通信に関してナノSIMのほかeSIMにも対応することはチェックしておきたい(eSIM対応はSIMフリーモデルのみ。キャリアモデルは非対応)。使用するSIMは手動で設定できるほか、過去の通話履歴に基づいて自動で切り替えも可能だという。ちなみにソフトバンクにおける最大通信速度は「測定中」となっており、まだ数値はわからない。

また、注意したい点もある。おサイフケータイには非対応なことと、防水防塵などの仕様も備えないことだ。屋外や水回りで利用する際には気をつけたい。

「ThinkPad X1 Fold」もトクするサポート+の対象に

一方の「ThinkPad X1 Fold(シンクパッド・エックスワン・フォールド)」は、年間100万台以上出荷の大手パソコン機器メーカーとして世界で初めて(※19年5月レノボ調べ)折りたたみOLEDを搭載したフォルダブルPCだ。CES 2020でお披露目され、20年10月13日に国内でも発売されている。基本的な特徴については、既報でも紹介されているので、割愛させていただきたい。

今回発表されたのは、ソフトバンクの5G通信に対応したモデルがソフトバンクから21年3月17日に発売されるということ。こちらも、3月5日から予約受付が開始されている。

  • ThinkPadシリーズとしても5Gのキャリアモデルは初となる

ソフトバンク版の仕様に記載された数値では、5G接続時の最大通信速度が下り2.4Gbps、上り103Mbps。生活圏に同社の5G対応エリアがある場合には、超高速通信の恩恵を受けられる。なお、大々的にアピールはされていないが、NTTドコモの5Gネットワークにも対応したことも発表されており、レノボから購入した場合などはドコモ回線での通信も利用可能だ(NTTドコモでは製品の販売は行わないため、回線とデバイスは別々に契約・購入する必要がある)。

  • ThinkPad X1 Foldは折り畳めるWindowsPCとして希少な選択肢だ

気になる販売価格は、レノボ公式オンラインショッピングの場合で402,480円。2020年10月に発売されたWi-Fiモデルが現在327,425円で販売されているので、約7万円ほど高い計算だ。決して安いデバイスではない。

しかし、こちらもソフトバンクで購入すればトクするサポート+を適用でき、実質的な負担額を201,240円まで下げられる。一定期間後に返却したあと、新たに何を購入するのかが問題になりそうだが、こちらもフォルダブルPCを試したい、と思っている層には価格面で訴求しそうだ。