米Microsoftが3月4日(現地時間)にStableチャンネルにリリースしたMicrosft Edgeブラウザのアップデート「Edge 89」は、Edgeブラウザのパフォーマンスと生産性を引き上げる。WindowsデバイスにおけるEdgeの起動時間を短縮する「Startupブースト」、複数のタブを開いている時の動作を効率化する「スリープタブ」、タブを縦に並べて表示する「垂直タブバー」といった新機能を備える。
StartupブーストはWindowsデバイスに最適化したEdgeの機能だ。Edgeのコアとなるいくつかのプロセスをバックグラウンドで維持することで、他のアプリケーションでハイパーリンクをクリックしたり、またはタスクバーの検索ボックスで検索した時など、Edgeを使用していない時でもEdgeがすばやく起動する。Microsoftのテストでは、Startupブーストを使用した場合、起動時間が29〜41%の範囲で向上した。
スリープタブは、Chromiumの「フリージング(Freezing:凍結)」テクノロジをベースとした機能だ。同テクノロジは、タブのスクリプトタイマーを一時停止することでタブによるリソースの消費を削減する。
スリープタブは長く使われていないバックグラウンドのタブをスリープ状態にすることで、メモリやCPUのリソースを他の処理で利用できるように開放する。デフォルトではタブがインアクティブな状態が2時間続くとスリープになり、スリープ状態のタブは薄暗く表示される。discarded tabのように解放したタブの再開にフルリロードは必要なく、スリープ状態のタブをクリックするとすぐにページコンテンツを利用できるようになる。
スリープタブの効果は開いているタブの数やデバイスの使い方で異なるが、Insiderプログラムにおける最新のテストで、スリープタブによってCPU使用率が平均26%、メモリ使用量が平均16%削減され、多くのケースでノートPCのバッテリー動作時間が伸びた。
垂直タブバーは、タブを縦に並べて、サイドのタブバーに表示する。たくさんのタブを開いている時に、横に並べるタブ表示よりも全てのタブを見分けやすく、切り替えやすいという。垂直タブバーとスリープタブによって、たくさんのタブを効率的に利用できるようになる。