旬な若手人気俳優にして、いずれも特撮ヒーロー出身の5人(結木滉星・稲葉友・奥野壮・磯村勇斗・瀬戸利樹)が、それぞれ主夫を演じるTELASAオリジナルのハートフルラブコメ『主夫メゾン』の第1話・2話が、2月26日から配信中(全6話で第1話は無料/第3話以降は毎週金曜1話ずつ配信)。

妻と一緒に専業主夫家庭限定のマンション「メゾン・ド・オット」に、勢いで越してきた新米主夫のリク(結木)は、そこでベテラン主夫(稲葉)、動画配信主夫(奥野)、完璧主夫(磯村)、俺俺主夫(瀬戸)らと出会うことに。

マイナビニュースでは各話で主演を務める5人にインタビュー。第2話の主人公であり、心優しいベテラン主夫の謙太郎役を好演している稲葉友に、結婚観や、理想の父親像を聞くと、自身の家族からの影響が大きいと話す真摯な姿が覗いた。

  • 稲葉友

    『主夫メゾン』に出演する稲葉友

■「優しさ」への考えは謙太郎と似ている

――ベテラン主夫役ですね。最初に今回の企画をどう感じましたか?

10年前なら、たとえ近い題材のものがあったとしても、描かれ方が全然違うと思うんです。とても時代を感じましたね。あとはすごく優しく温かな作品だと思いました。

――稲葉さんの演じた謙太郎は特に優しい人ですよね。お似合いでした。

ありがとうございます。謙太郎のような柔らかさは、僕にはあまりありませんが(苦笑)、でも何をもってして相手への優しさなのか、みたいな部分、ただ尽くすとか全部を受け持つということではなくて、相手をちゃんと見て、こういう状態だからこうしてあげたほうがいいといったことを考えるような「優しさ」への考えは、僕自身と似ていると思いました。それから見返りを求めず、相手に何かすることで、謙太郎自身が充足感を覚えるタイプというところも共感しました。

――率直に、主夫を体験した感想は?

大変ですよね。謙太郎の場合は子どももいましたが、今回の5組は、夫婦間、家庭内にフォーカスをあてて描いています。それだけでも大変なのに、実際には自分や相手方の家族や、社会との関わりもあるので、主夫ということだけでなく、どの道を選んだとしても、結婚して生活していくというのは大変なことだと思いました。

  • 『主夫メゾン』より

■僕自身、家事全般が好きです

――稲葉さんは20代後半ですが、結婚願望は?

うーん、いずれするものなんだろうとは思っています。僕、3兄弟の一番下で、兄たちは結婚してるんです。親戚も多くて、みんな結婚して子どももたくさんいるので、僕もいつかはするのかなと漠然と思っています。

――DIYがお得意だとか。

好きです。父の影響ですね。技術科の教師なのですが、日曜大工をめちゃくちゃやる人で、子どもの頃からその手伝いをしていて、自然とできるようになりました。それと父は料理や掃除もするので、僕も家事全般が好きです。ご飯も作るし掃除もします。

――そうなんですね。でも家事ができる人のなかには、結婚すると相手に完璧を求める人もいます。

いますね。バランスだと思うんです。男性だから苦手とか、女性だから得意ということではなくて。単純に家にいる時間が長い方がやる機会が多いとか、あとは、たとえば部屋が汚れてきたなとかって、感じる基準がひとそれぞれだと思うんですが、日常的に掃除する人なのか、汚れてきたと思ってからやる人なのかでも全然違う。謙太郎はそういう意味ではたとえば、部屋を常にニュートラルな状態にしていたほうが、彼自身がストレスを感じない人だと思いますし、僕も近いです。

■親戚や友だちの子は、無条件にかわいい

――謙太郎にはかわいい娘さんもいます。お子さんの扱いは得意ですか?

得意です。兄の子どもだけでなく、いとこの子どもたちも見てきました。0歳から見てきた子が高校3年生になっていたり、かと思うとやっと1歳になる姪っ子もいますし、いろんな年齢の子に接してきたので、どの段階の子どもでも面倒は見られると思います。親戚や友だちの子とか、自分のテリトリーの内側に入っている子は、無条件にかわいいと感じますね。

――稲葉さん自身はどんなお父さんになりそうですか?

やっぱり自分の父みたいな父親になるでしょうね。しっかりしたお父さんを目指そうとすると思います。

――ということは、お父様がしっかりされてるんですね。

いい距離感でいてくれるんですよね。口うるさいわけではないけれど、締めるところは締めて。今の自分の行動や言動に鑑みて、父が言っていたことやしていたことが影響しているのを感じますし、自分もそうした姿を自然に見せられる父親になりたいと思います。

――何か具体的な言葉で覚えていることを挙げるなら?

特別なことではありませんよ。使ったものはもとの場所に戻すとか、自分のことは自分でするとか、人のものは取らないとか。当たり前のことです。あとは、母親への愛情表現がちょっと回りくどいというか。ちょっかいを出す感じなので、母からは「いい、うるさい」みたいに言われちゃってるんですけど(笑)、でも自分も同じ接し方になりそうです。

  • 『主夫メゾン』より

■「ちゃんと帰る場所であり続けてくれている」父は自分の理想像

――自分自身のお父さんのようになりたいなんて、ステキなことですね。

実は郊外に畑を持っていて、今は情勢的に行けていませんが、父とふたりでよく行くんです。急に「畑に行きましょう」みたいな連絡が来て。それが不思議と自分がちょっとしんどいときに連絡が来たりするんです。ちゃんと帰る場所であり続けてくれていることに、憧れます。ほかの父親像は知りませんが、自分の唯一の父がそういう人でいてくれるのは、すごくありがたいことだと思っています。

――ご自身の性格を考えたうえで、どんな女性が自分に合いそうですか?

しいていえば、家族や親せきと仲良くできる人です。たぶんそこに、いろんなことが集約されるかなと。

――ちゃんといい関係が続いている親せき同士なんですね。

昔は何も考えずに、いわゆる本家に集まって、何十人でただただ楽しく過ごしていましたが、今、大人になって考えると、集まってご飯を食べるというだけでも、親戚づきあいを維持するって大変なことなんだなと感じます。大人たちはみんなちゃんと考えていたんだなと。だからこそ、僕はその関係性のなかで楽しくいられた。そう考えると、下の世代のためにも、僕もそれを繋げていかなきゃと思います。

■ドラマ内のサウナハットは磯村勇斗からのお土産

――ところで、「メゾン・ド・オット」はサウナ付きですが、稲葉さんが理想のマンションに住めるなら、どんなところがいいですか?

サウナは理想的だと思います。サウナ室が2パターンくらいあって、水風呂も2種類、あと外気浴もできる場所が欲しい。これが理想ですね。

――ドラマのようにご近所さんに会ってしまうかもしれませんよ。

まあ、サウナに通い続けても、同じような人たちに会いますからね。顔なじみになるのは別に問題ありません。

――ドラマでかぶっていた、サウナハットも似合っていました。

あれ、自前なんです。磯村(第4話のメイン出演で稲葉とは久々の共演)がフィンランドで買ってきてくれたサウナハットです。

――そうなんですね! 最後にメッセージをお願いします。「俺のココを見てくれ」といったメッセージも。

作品として時流にとても合った、温かくホッとした気持ちになれるドラマです。きっと、近くにいる人をより大切にしたいという思いも出てくるんじゃないかな。険悪なカップルだと難しいかもしれないけど、上手くいってないご夫婦の仲直りのきっかけに、なるかな(苦笑)。とにかく、ドラマを見る方が、思いやりについて思いを馳せてくれたら。きっとそうなれる作品だと思うので、ぜひ楽しんでください。

■プロフィール
稲葉友
1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。2010年にテレビドラマで俳優デビュー。翌年、舞台『真田十勇士~ボクらが守りたかったもの~』で初主演を果たす。14年には『仮面ライダードライブ』で仮面ライダーマッハ/詩島剛役を演じた。現在、出演舞台『ぼくの名前はズッキーニ』が東京・大阪にて公演中のほか、4月より放送のNHK-BS時代劇『小吉の女房2』が控える。J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30~生放送)にてナビゲーターを務めている。

へアメイク:相澤千明 スタイリスト:深野明美 衣裳協力:NAIGAI