マウスコンピューターは税別で約4.5万円の11.6型モバイルノートPC「mouse C1」を発売した。CPUにはCeleronプロセッサを採用しているので正直パフォーマンスはそこそこだが、コストパフォーマンスを最重要視するなら魅力的。初めてのノートPC、はたまたスペックをわかっている方のサブノートPCとしてもってこいのモデルだ。今回マウスコンピューターより実機を借用したので、使い勝手にスポットを当ててレビューしよう。

  • マウスコンピューター「mouse C1」44,800円(税別)

    マウスコンピューター「mouse C1」44,800円(税別)

税別4万円切りの「mouse C1-E」もラインナップ

mouse C1はOSにWindows 10 Home 64ビット、CPUにIntel Celeron N4100(4コア4スレッド、1.10~2.40GHz)を採用。メモリは8GB、ストレージは256GBを搭載している。

ディスプレイは11.6型HDノングレア(LEDバックライト、1,366×768ドット)を搭載。HDMI端子に外部ディスプレイを接続すれば、最大4K(3,840×2,160ドット)出力が可能だ。

  • CPUはGemini LakeベースのIntel Celeron N4100(4コア4スレッド、1.10~2.40GHz)を搭載

  • シンプルなパッケージを採用

インタフェースは、USB Type-A 3.0(左側面×1、右側面×1)、USB 2.0(右側面×1)、HDMI(左側面×1)、D-Sub(左側面×1)、SDメモリカードリーダ(右側面×1)、マイク入力(左側面×1)、ヘッドフォン出力(左側面×1)、ギガビット(10/100/1000)LAN×1(右側面×1)を装備。通信機能はIEEE 802.11 ac/a/b/g/n対応無線LAN(最大433Mbps対応)とBluetooth 5をサポートする。

本体サイズは292.4×206.5×24.5mm、重量は約1.2kg。脱着可能な31Whのバッテリを採用しており、バッテリ駆動時間は約7.5時間とされている。

なお本製品はメモリを増設できないが、ストレージはカスタマイズ購入時に512GBに変更可能。また、Windows 10 Home(Sモード)64ビット/メモリ4GB/ストレージ128GBと基本構成を変更した「mouse C1-E」(39,800円)もラインナップされている。Sモードは解除可能なので、とにかく安く購入したいのならこちらがお勧めだ。

  • 本体天面にはおなじみのチーズロゴがあしらわれている

  • 本体底面はほぼフラットな構造。向かって右下にのみ小さな放熱口が設けられている

  • 本体前面には電源、バッテリ、機内モード、ストレージのステータスランプが配置されており、ディスプレイを開かなくてもPCの状態を確認できる

  • 右側面にUSB 2.0、USB Type-A 3.0、SDメモリカードリーダ、ギガビット(10/100/1000)LAN、電源端子、セキュリティーロックスロット、左側面にD-Sub、HDMI、USB Type-A 3.0、マイク入力、ヘッドフォン出力が用意。いまや採用している製品が少ないSDメモリーカードスロットを搭載している点が◎

  • ディスプレイの最大展開角度は実測約134度

  • パッケージには、本体、バッテリ、ACアダプタ、電源ケーブル、説明書類(製品仕様、ファーストステップガイド、サポートマニュアル、保証書)が同梱

  • バッテリの型番は「W517BAT-3」。容量は31Wh。予備バッテリはサポートセンターから購入可能だ

  • ACアダプタのコード長は実測150cm、電源ケーブルの長さは実測98cm

  • ACアダプタの型番は「A12-040N2A」。仕様は入力100-240V~1.0A、出力19V 2.1A、容量40W

  • 本体の実測重量は1142.5g(バッテリ含む)

  • ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測218.1g

外部ディスプレイに接続すれば最大4K表示が可能

mouse C1は11.6型HDノングレア(LEDバックライト、1,366×768ドット)ディスプレイを搭載している。解像度は1,366×768ドットと低めだが、ディスプレイのスケーリングをデフォルトの100%に設定していれば、文字のジャギー(ギザギザ)はやや目立つものの、特に不自由はないと思う。高解像度が必要な場合は外部ディスプレイを接続しよう。D-Sub端子なら最大フルHD(1,920×1,080ドット)、HDMI端子なら最大4K(3,840×2,160ドット)で映像出力可能だ。

なお本製品のディスプレイは上下の視野角が狭め。左右の視野角は上下ほど狭くないので、ディスプレイの角度を調整すれば実用上問題はないが、本製品の特徴として覚えておこう。

  • 11.6型ディスプレイの解像度は1,366×768ドット。画面サイズ自体が小さいので、一般的な用途であれば解像度に不満を感じることは少ない

  • 横方向には一定の視野角が保たれている

  • 上下の視野角はかなり狭め。表面処理がノングレア(非光沢)なので照明の映り込みはほとんど気にならない。正面から画面を見られるようにディスプレイの角度を正確に調節しよう

  • ディスプレイのスケーリングはデフォルトで100%に設定。これ以上文字を小さくすることはできない

  • ディスプレイ上部には100万画素のウェブカメラとマイクが内蔵されている

アイソレーションキーボード採用のおかげで押し間違いしにくい

本製品のキーボードは87キーの日本語仕様。キーピッチは約17.43mm、キーストロークは約1.7mmと前者はやや狭めだが、キーとキーの間にすき間のあるアイソレーションキーボードが採用されているので、意外に誤入力は起こりにくい。ただしキーボードバックライトは内蔵されていないので、暗い環境で利用するためには携帯用ライトを用意するか、タッチタイピングをマスターする必要がある。

タッチパッドは実測約84×43mm(クリックボタンを除く)と少しコンパクトだが横に広いので、3本指ジェスチャーも無理なく操作できる。ピンチイン・ピンチアウト操作も横方向に動かすように心がければ、特に不自由はないはずだ。また、クリックボタンは確実に操作できるように分離式が採用されている。クリックボタンのストロークは浅めなので、押したときに指がずれてほかのボタンを押してしまう心配も少ない。

もちろん13型以上のノートPCなどと比べると、キーボードもタッチパッドも物理的には狭い。しかしUMPと比べればキー配置ははるかに素直。タイピングゲームなどで少し練習すれば、フルサイズキーボードの7~8割ぐらいの速度で操作できるようになるはずだ。

  • 87キーの日本語キーボードを採用

  • キーピッチは約17.43mm、キーストロークは約1.7mm

  • キーピッチはやや狭いが、キーとキーの間にすき間のあるアイソレーションキーボードを採用しているので、慣れれば快適にタッチタイピング可能だ

  • タッチパッドの面積は実測約84×43mm(クリックボタンを除く)。ややコンパクトだが横に広いので、3本指ジェスチャーも無理なく操作できる

  • タッチパッドは「高精度タッチパッド」に対応。Windows 10の全ジェスチャーを利用可能だ。また今後Windows 10に新たなジェスチャーが実装されても、すぐに使える可能性が高い

気になるベンチマークスコアをチェック

最後にパフォーマンスをチェックしてみよう。今回は、総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.1.2506」、3Dベンチマーク「3DMark v2.16.7117」、CPUベンチマーク「CINEBENCH R15」、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.1」を実施してみた。下記がその結果だ。

  • ベンチマークはユーティリティー「CONTROL CENTER 3.0」で「FAN SPEED SETTING」を「最大」、Windows 10の電源モードを「最も高いパフォーマンス」に設定して実施している

■PCMark 10 v2.1.2506
総合 1730
Essentials 4771
Productivity 2580
Digital Content Creation 1142
PCMark 10 Modern Office Battery Life 7時間6分
■3DMark v2.16.7117
Time Spy 138
Fire Strike 409
■CINEBENCH R15
OpenGL 19.71 fps
CPU 257 cb
CPU(Single Core) 69 cb
■CrystalDiskMark 8.0.1
1M Q8T1 シーケンシャルリード 557.508 MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト 509.665 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード 469.076 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト 427.653 MB/s
4K Q32T16 ランダムリ-ド 137.631 MB/s
4K Q32T16 ランダムライト 123.135 MB/s
4K Q1T1 ランダムリ-ド 39.454 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト 69.620 MB/s

バッテリを複数本用意すればバッテリ駆動時間をいくらでも延長可能!

mouse C1のパフォーマンスは決して高くない。直近でレビューしたマウスコンピューター製17.3型ノートPC「mouse F7」(「Core i5-1035G1」搭載)がPCMark 10の総合スコアで3399を記録しているので、mouse C1はその約51%のスコアということになる。しかし、その一方でバッテリーベンチマーク「PCMark 10 Modern Office Battery Life」は、ディスプレイ輝度40%という条件で7時間6分動作した。

mouse C1は292.4×206.5×24.5mm、約1.2kgと比較的コンパクト&軽量なマシンだ。しかもバッテリを交換すれば、ACアダプターレスで利用できる時間をいくらでも延長できる。モバイルバッテリを接続すればノートPCの駆動時間を延長できるが、本体バッテリを交換できれば取り回しやすさという点で大きなアドバンテージがある。低価格が注目されがちなmouse C1だが、エントリーノートPCとしてはもちろん、セカンドマシンや、モバイル用途にももってこいの一台と言えよう。

■試用機の主なスペック
メーカー マウスコンピューター
ディスプレイ 11.6型HDノングレア(LEDバックライト、1,366×768ドット)
CPU Intel Celeron N4100(4コア4スレッド、1.10~2.40GHz)
メモリ 8GB PC4-21300 DDR4 SODIMM(8GB×1、最大8GB、PC4-19200で動作)
SSD 256GB(SATA接続)
HDD
チップセット
光学ドライブ
グラフィックス Intel UHD Graphics 600
OS Windows 10 Home 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN×1(右側面×1)、IEEE 802.11 ac/a/b/g/n対応無線LAN(最大433Mbps対応)
WWAN
無線 Bluetooth 5
インタフェース USB Type-A 3.0(左側面×1、右側面×1)、USB 2.0(右側面×1)、HDMI(左側面×1)、D-Sub(左側面×1)、SDメモリカードリーダー(右側面×1)、マイク入力(左側面×1)、ヘッドフォン出力(左側面×1)
Webカメラ 100万画素
セキュリティ セキュリティーロックスロット(右側面×1)
バッテリ駆動時間 約7.5時間
サイズ 292.4×206.5×24.5mm
重量 約1.2kg