NTTドコモは1日、オンライン専用の料金プラン「ahamo」の月額料金値下げを発表。当初発表から280円下げて税別では2,700円、税込で2,970円としました。5分間の国内音声定額を含んだ上で税込3,000円を切る価格となったことで、「よりシンプルで分かりやすい料金プラン」(常務執行役員営業本部長・鳥塚滋人氏)とアピールしています。
ahamoの提供開始は3月26日から。ahamo専用サイトから先行エントリーが可能になっています。
5分通話込みで税込3,000円以下に
ahamoはオンラインで契約やサポートを提供するオンライン専用料金プラン。5分間の音声定額を含み、データ容量20GBで月額2,980円(税抜)と発表されましたが、auやソフトバンクの同種プランは音声定額を省くことで月額2,480円(税抜)というプランを用意。今後は総額表示が義務づけられて税込表示が必須となるため、ahamoだけ税込3,000円を超える表記になってしまいます。
音声定額を省いて見かけ上の料金を下げる方法もありますが、ドコモは「(ahamoターゲット層の)20代の9割が何らかの形で音声通話を利用している」(同)ということから、音声定額を含んだ料金にこだわりました。こうした音声通話は、家族間の通話だけでなく、社会人となって役所などへの連絡、病院予約など、細かな音声需要がある、といいます。
シンプルを追求した結果、あくまで「1プラン」にこだわり、5分間の音声定額は外さずに単純に料金を値下げ。ユニバーサルサービス料を含めて税込3,000円を超えない価格を設定しました。
ahamoはあくまでドコモの料金プランの1つであり、回線品質はメインプランと変わりません。4Gも5Gもドコモの回線品質で、速度制限もしない、と鳥塚氏。テザリング、海外ローミングも追加料金なく使えるシンプルな設計だとアピールします。
「ケータイ補償サービス」も引き継がれる
ahamoではドコモ契約者がプラン変更しても契約年数は引き継がれ、dポイントクラブのステージ判定が継続します。メインプランの家族からの音声通話が無料になるファミリー割引の回線になるほか、メインプランの料金を回線数に応じて割り引くみんなドコモ割の回線としてもカウントされます。それに加え、「ケータイ補償サービス」が引き継がれることも発表されました。
「dカード」払いでポイントやデータ容量が増加
新たに、同社のクレジットカード「dカード」をahamoの支払いに設定している人向けの特典も用意。dカードGOLDであればahamo利用額の10%のdポイント(毎月300ポイントまで)を提供。さらに9月からは、dカードなら1GB、dカードGOLDなら5GBのデータ容量を増量します。
iPhone 12で使える。Androidは幅広く対応
対応端末は、基本的にドコモ回線が使えるスマートフォンは利用可能なはずですが、同社は特に設定をせずSIMを挿せば使えると検証した93機種のスマートフォンを公開。2014年以降に発売されたiPhone 11などiOS端末21機種、2017年以降発売のAndroidスマートフォン72機種が検証されています(2021年3月1日時点)。
基本的にはドコモで購入したスマートフォンに対応しますが、今後、ドコモ以外で購入したスマートフォンに関しても順次検証結果を告知していくとしています。
また、ahamo登場記念として、“ahamoおすすめ”という位置づけで3機種のスマートフォンをahamo公式サイトから販売します。その3機種はiPhone 11、Galaxy S20 5G、Xperia 1 II 5Gのいずれもドコモ版。
それ以外のahamo対応機種は、ドコモオンラインショップで購入する形になります。もちろん、SIMフリースマートフォンなどを使ってSIMカードだけで契約することも可能です。
ドコモ最新スマホを買いたい場合はギガプラン→ahamo
ahamoを新規・MNPで契約する場合、SIMカードのみの契約ならahamoサイトで申し込みをして郵送されるSIMカードを挿入して利用開始します。上記3機種のおすすめスマートフォンを同時購入した場合は、SIMカードとスマートフォンが郵送されてきます。
ドコモで販売される最新スマートフォンを使いたい、という場合は変則的で、まずドコモのメインプランであるギガプランを契約して同時に端末を購入。SIMカードと端末を受け取った後にahamoにプラン変更します。
回線契約なしでもスマートフォンは購入できますが、それよりもドコモ回線の契約をして購入した方が端末代金が安くなるため、こうしたややこしいフローを紹介しているそうです。
現時点ではahamo利用者の機種変更はサポートしていませんが、6月にはahamoサイト上でahamoおすすめスマートフォンへの機種変更、ドコモオンラインショップで最新スマートフォンへの機種変更をそれぞれサポートするそうです。
ahamo専用アプリも提供
ahamoは専用サイトのほか、専用アプリも提供。シンプルで分かりやすいというahamoのコンセプトに沿った設計で、「快適なahamoの世界観を感じてほしい」(執行役員マーケティング部長・川﨑博子氏)としています。
申し込みは半月待つとお得に
ahamoは先行エントリー期間中で、すでに160万のエントリーを受け付けているそうです。そのまま全てが契約するとは限りませんが、同社では3月26日の申し込み開始日には混雑が予想され、SIMや端末の配送に遅れが生じることを懸念。先行エントリーをした上で、申し込みを4月15日以降にしてスマートフォンやSIMカード発送を伴う手続きをした人に対して、dポイント3,000ポイントを提供する緩和策を実施します。急いで変更する必要がなければ半月ほど待って契約すればお得になります。
SPモード決済は×、ドコモ払いは〇
ドコモのメインプランとahamoの大きな違いのひとつとして、毎月の月額料金と合算して支払いを行うキャリア決済への対応が挙げられます。ドコモにはキャリア決済として「spモード決済」と「ドコモ払い」という2つの方式がありますが、ahamoはspモードに非対応のため、spモード決済が使えません。
spモード決済は回収代行型という方式で、コンテンツの毎月課金などで利用される決済手段です。これは例えばドコモのdアニメといったサービスの支払いにも使われています。Amazonでの物品購入時の決済などで使われる債権回収型のドコモ払いに関しては、ドコモIDに紐付くため、ahamoでも利用可能です。
spモード決済でコンテンツの毎月課金などをしている場合、定期契約の支払い方法をクレジットカードなどに変更した上でahamoに変更しないと、定期契約が解約されてしまうので注意が必要です。
携帯4キャリアの新料金プランは、サービス開始を前に各社ともギリギリの調整が続いています。競争が働き、基本的には料金が安くなるなどお得な内容になっているので、実際の申し込み前にもう一度確認するといいでしょう。