ここまでは渡辺王将の3勝1敗。本局の戦型は角換わりに
将棋のタイトル戦、第70期王将戦七番勝負(主催:スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社)の第5局、▲渡辺明王将-△永瀬拓矢王座戦が3月1、2日に佐賀県「大幸園」で行われています。渡辺王将が3連勝のあと、第4局で永瀬王座が1勝を返して迎えた第5局。本日は2日制対局の1日目で、18時を過ぎた時点で封じ手が行われます。
両対局者の今年度成績は図表の通りです。今年度はどちらも自身の通算勝率を下回る成績となっていますが、それでも勝率6割を超えています。
渡辺王将は先後による勝率差があまりないのに対し、永瀬王座はそれが顕著。先手番では8割を超える成績を残していますが、後手番では5割そこそことなっています。後手番の本局は永瀬王座にとって正念場となるでしょう。
本日9時に始まった対局は、角換わりの将棋に。先手の渡辺王将が序盤早々に桂を跳ねていく速攻策を見せたのに対し、永瀬王座は真っ向から受けて立つ姿勢を示します。戦いが起きた時点ですでに前例のない局面を迎え、両者の研究と構想力が問われる展開になっています。
本日は2日制対局の初日のため、決着がつくのは明日です。しかし、近年の2日制対局では1日目にしてのっぴきならない局面を迎えることが多くなっています。本局も午前中にして盤上に緊張感が漂っており、早くも目を離すことができない展開になっています。
渡辺王将が本局を制して王将を3連覇するのか、それとも永瀬王座が鬼門の後手番で勝利し、得意の先手番を迎えることができるのか。2日間にわたる戦いに注目です。