俳優の吉沢亮が主演を務める大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)は、21日に放送された第2回「栄一、踊る」で、主人公・渋沢栄一を演じるキャストが子役の小林優仁から吉沢亮へバトンタッチ。吉沢が13歳の栄一を生き生きと演じ、視聴者を魅了。また、幼少期を見事に演じきった小林の演技にも絶賛の声が上がった。
大河ドラマ第60作となる本作は、新一万円札の顔としても注目される渋沢栄一の生涯を描く物語。幕末から明治へ、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように未来を切り開き、約500の企業を育て約600の社会公共事業に関わった“日本資本主義の父”で、晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれている。
栄一について、主演の吉沢は「表裏のない人」と表現し、「ここまで何の感情を含むことなく、ありのままの感情をそのまま表に出す裏表のない人物はやったことがない」と話していたが、父・市郎右衛門(小林薫)に江戸に連れて行ってもらえると知って大喜びするシーンなどで、“感情をそのまま表に出す”栄一のキャラクターがすでに十分伝わっている。
そんな栄一がどのようにして育ったのか、第1回と第2回では幼少期が描かれ、小林が感情表現豊かに熱演。ドラマ初出演とは思えない堂々とした演技を見せ、SNS上では「素晴らしい演技に感動しました」「小林優仁くん演技力高過ぎて半端ない」と絶賛の声が上がり、「イケメン」「ちび栄一可愛かった」というコメントも見られた。
小林の起用について、制作統括の菓子浩チーフプロデューサーに尋ねると「オーディションに参加していただき、3次までの選考を経て栄一役に決定しました」と回答。「まずは、姿勢の良さに目を引かれました。後で歌舞伎をやっていると聞き、納得した覚えがあります。お芝居の課題も、とても堂々と演じていたので、映画やドラマなどの映像経験が全くないと知って驚きました」と、オーディション時から堂々と演技をしていたという。
また、「4月に決定後も、7月のクランクインまで、お芝居の稽古や所作の稽古、獅子舞の稽古などを週2~3回のペースで取り組んでもらいました」と説明。村の人たちを喜ばそうと喜作とともに舞った獅子舞は感動を呼んだが、その裏でしっかり稽古を積んでいたようだ。
そして、「演出の黒崎(博)さんの方針もあって、小林さんの演技はとても『自然体』なところが魅力です。なので、長い間撮影を共にしていると、だんだん本当に栄一のように思えてくる感じがありました」と小林の“自然体”な演技を称賛。「父役の小林薫さん、母役の和久井映見さんもそうだったのではないかと思います。子役の皆さんのクランクアップの日、ご自身の撮影が終わった後も残られて、小林くんたちを労っていらっしゃったのが印象的です」と振り返った。
SNS上では「なんとなく大人時代を演じる吉沢亮さんに似てる!!」「栄一の子役ちゃんが育ったら吉沢亮になるの、つながる。似てる」と、小林と吉沢が似ているというコメントも。吉沢との共通点も意識した起用だったのか尋ねると、菓子氏は「特に似た顔の方を選ぼうとはしていないのですが、『目の輝き』が吉沢さんに共通していると感じました」と答えてくれた。本作ではすでに子役から本役へとバトンタッチしたが、視聴者を魅了した小林の今後の活躍にも注目したい。
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