フリーキャスターの辛坊治郎が、読売テレビ系番組『そこまで言って委員会NP』(毎週日曜13:30~)を、28日の放送で卒業した。
2003年7月に『たかじんのそこまで言って委員会』としてスタートし、2015年『そこまで言って委員会NP』にタイトル変更された同番組。辛坊は、番組当初から長きにわたり“副委員長”“議長”を務めてきたが、ヨット太平洋横断への再チャレンジのため、番組を卒業した。
最後の放送は「辛坊治郎 そこまで言わせて追い出しSP」と題し、辛坊の歴史を振り返る総集編となった。
次回3月7日の放送からは、秘書を務めてきた入社5年目の黒木千晶アナウンサー(27)が“議長”に昇格し、野村明大アナウンサー(48)が“政策秘書”という新体制に。
辛坊最後の収録は2月中旬に行われ、辛坊は「今後とも司会の2人をどうぞよろしくお願いします。『そこまで言って委員会』は永遠に不滅です! …というわけにはなかなかいかないかもしれませんが、そうなったらいいなということで。ここまで続いた番組ですから、そう簡単に終わらないように、みんなで支えてやってください」とパネリストたちにメッセージを寄せた。
そして、後任の2人に対し、「今までの番組とは違うものを目指したほうがいいと思います。新しい『委員会』をつくるしかない。今、出演していただいているゲストコメンテーターの皆さんは、長年の付き合いがある方々なので、皆さんにお任せするというか、引っ張っていってもらいながら、徐々に次の新しい番組にしていくというスタンスでないといけない。いきなりフルスロットルで頑張ろうとするとそうそう簡単ではないので、まぁぼちぼちがんばっていったらいいんじゃないかな、という気がしています。たかじんさんがこの番組をしていた時もそうなんですが、司会の一番の役割は、コメンテーター、パネリストの皆さんに熱のこもった議論をしてもらうことなんだけど、今難しいのは(パネリストの)半分がリモートになっているんです。全員がスタジオにいる時の番組づくりと、半分がリモートで出演している時の番組づくりは全然違うので、今は助走期間で、コロナ後くらいに爆発的にがんばるとか、そのくらいのスタンスでいいんじゃないかなと思います」とアドバイスした。
バトンを受けた黒木アナは「歴史ある番組の、非常に重いバトンを受け取らせて頂き、不安と期待でいっぱいです。2年前秘書に就任した時、辛坊さんから言われた言葉が今でも心に残っています。『この番組のMCは、議論のきっかけを作って、盛り上がったらそれを見守るのが仕事。その場をMCが仕切る機会が少なければ少ないほど、良い番組になっている』と。皆さんの議論が主役の番組です。この教えを心に刻んで、自由闊達な議論の場を、新しく政策秘書になる野村明大アナと大切に守っていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します」とコメント。
野村アナは「20年近くの間、高視聴率を続ける、読売テレビの老舗看板番組に加わることが決まり、大変光栄です。既に完成された番組で、各界論客の皆さんの白熱した高レベルな議論がメインディッシュですので、本来私が加入しなくても特段の問題はないのですが、黒木新議長1人よりも、これまで通りMC2人の方が違和感がないだろうということで差し当たり、私が配置されたようなことだと理解しております。(^^; アナウンサー・キャスター業界が誇るレジェンド・辛坊さんの後に入るわけですが、辛坊さんが偉大過ぎて、逆に比較の対象にもならないと思っていますので、力むことなくマイペースで、番組に加入したいと思っております」と意気込んだ。
結城豊弘チーフプロデューサーは「『NP』として新しい番組スタートを切った時に、たかじんさんの時代の『熱い討論』『他の番組で聞けない話』『関西らしい斜め目線』というテイストを引き継ぎながらも辛坊治郎さんが、独自の切り口や、関西のおっさん的立ち位置をまったく崩さず、時には舌鋒鋭く、そして時にはお茶目に番組議長として議論をリードして頂きました。また、番組の激論と暴論とお笑いは、日曜日のまったりしたお昼寝タイムに、『こりゃー寝てられへん』と視聴者を画面に釘付けにしてくれました。番組のポリシーとして『既視感の払拭』(どこかで見たような番組は作りたくない)を合言葉に、辛坊さんとスタッフとで、知恵と汗で作った唯一無二の番組だったと思います」と自負。
その上で、「秘書時代から猛獣の様な論客を転がし、突っ込んできた、今、関西で一番おもろいアナウンサーの黒木千晶アナウンサーと野村明大アナウンサーがどんな化学反応を起こしてくれるか。きっと辛坊時代とはまったく異なる、ニューフロンティアを日曜日の昼に巻き起こしてくれる事でしょう。日曜日の昼はゴルフもお買い物も二の次。黒木議長が議論に笑いながら厳しく、しなやかに鞭を入れてくれることでしょう。油断していると野村アナやパネリストも鞭をお見舞いされる事間違いなし。僕らスタッフもうかうかしてはいられません。皆さんも新NPを心してご覧ください」と呼びかけている。