2020年3月に放送スタートした『魔進戦隊キラメイジャー』が、2021年2月28日の放送で最終回を迎えた。
『魔進戦隊キラメイジャー』は、誰しもが心の奥に宿している"輝き"を原動力に、人々から希望や輝きを奪おうとするヨドン軍と戦うヒーローたち。楽しいストーリーと魅力的なキャラクターたちが多くのファンの心をつかみ、熱い支持を集めた。
今回は、キラメイジャーのリーダーを務める熱田充瑠/キラメイレッド役・小宮璃央にインタビューを敢行。常に明るく前向き、未知の可能性を秘めた若さと情熱で数々の困難を乗り切ってきた充瑠を1年間演じあげた小宮が、テレビシリーズ完結に向けて"思うこと"とは何か。共に戦ってきた仲間との絆の深さや、『キラメイジャー』に出演したことで自身にどのような変化と成長が訪れたのか。キラキラと瞳を輝かせながら語ってくれた。
――ついに『キラメイジャー』の放送が最終回を迎えました。1年間にわたって演じてこられた熱田充瑠という役柄から、小宮さんがどんな影響を受けたか教えてください。
充瑠を演じたことで、今まで以上に「人を信じる気持ち」「仲間への熱い思い」が強くなりました。5人のキラメイジャーキャストや博多南さん(演:古坂大魔王)はもちろん、撮影でお世話になったキャスト・スタッフさんたちもかけがえのない仲間として大事に思っています。
――ご自身で1年間の"成長"を実感されたことはありますか?
最初のころに撮ったスチールと今の自分の顔を見比べてみると、自分で言いますけど(笑)、垢ぬけたかなって思いますね。少し身長も伸びましたし、身体的な成長をまず感じました。
――キラメイジャーとしてヨドン軍との激しいアクションシーンも経験され、体もずいぶん鍛えられてたくましくなったのではないですか。
もともとダンス&ボーカルグループとしてダンスをやっていましたから、体を動かすのは慣れていました。でも、ダンスとアクションでは筋肉の使い方が違うみたいで、普段使わない筋肉を使ったなという実感があります。初めは「難しいな」と思った立ち回りでも、練習を重ねることによって、どんどんこなせるようになっていきました。そうやって、ひとつひとつ出来ることが増えていくたび、自信を付けていきましたね。
――身体的な面もそうですが、精神面でも大きく成長されている様子ですね。
『キラメイジャー』に出演するまでは、どちらかというと人見知りで、初めてお会いする人とはうまく話せなかったりしたんですけど、この1年でいろいろな方、特に年齢がずっと上の大人の方たちと話す機会が多くなったことで、誰とでも自然にお話することができるようになりました。撮影が始まったころは17歳で、いろいろな方から影響を受け、成長することができる年齢でした。なんでも吸収し、学べるタイミングで『キラメイジャー』に出会えたことに感謝しています。自分自身、落ち着いた心の保ち方や、人との話し方、対応の仕方などが変化していったと感じています。
――『キラメイジャー』の撮影を振り返って、いま"お礼"を言いたい方はどなたですか?
キラメイレッドのスーツアクターをされている伊藤茂樹さんです。熱田充瑠/キラメイレッドという役は、僕とシゲさん(伊藤)の2人で作り上げたものですから。昨年からの"コロナ禍"の影響もあって、キラメイジャーのキャスト、スタッフはあまり外に出る機会がなかったんです。本当なら、シゲさんともご飯を一緒に食べに行ったりして、プライベートでもいろいろとお話をしたかったのですが、このご時世だとそれが叶わず、残念でした。
でもそれだからこそ、撮影現場では2人で一緒にいて、役について話す時間が多くなりました。シゲさんは「スーツアクターは役者に合わせるのが仕事だから、璃央くんのやりたいように演技していいよ」と言ってくださって、その言葉を受けて、自分の考える"充瑠像"をのびのびと打ちだしてみました。時にはシゲさんに「キラメイレッドのとき、こういう演じ方をしていただけますか」とリクエストもしつつ、お互いしっかりと話し合いながら役を作っていきました。本当に、シゲさんには大感謝しています。
――小宮さんが充瑠という役を完全にご自分のものにされたと感じたのは、どのあたりでしょう。
充瑠と魔進ファイヤの心と体が入れ替わった、エピソード19「相棒」ですね。全体から見てもちょうど中間地点となり、ここでいつもの充瑠とぜんぜん違う"漢気(おとこぎ)"のあるファイヤの心を持った充瑠を演じることができたのは、自分の中でとても新鮮味があり、すごくリフレッシュした印象を受けました。この時点ですごく刺激のある役柄を演じられたことで、改めて熱田充瑠という人物が僕の体の中に染みついていったんじゃないかって思うんです。互いの体を交換したことにより、相棒のファイヤと充瑠との関係も以前よりずっと深まったでしょうし(笑)。とても楽しい撮影でしたね。
――入れ替わりの演技をするにあたって、魔進ファイヤの声を務める声優の鈴村健一さんの演技を参考にされたりしましたか。
この回の撮影前、ファイヤの心を知るにはご本人に尋ねるのが一番!と思って、鈴村さんにご連絡をしていろいろ意見交換をさせていただきました。アフレコの現場では、僕たちキャストと声優さんチームのスケジュールが違っていて、なかなか直接お会いすることができなかったんです。鈴村さんからファイヤの特徴などをおうかがいしつつ、充瑠はこういう気持ちで演技をしています、なんてお話もすることができて、すごく得るものが大きかったですね。
――鈴村さんは神谷浩史さんといっしょに文化放送ラジオの『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』という特撮ファン向け番組のパーソナリティーを務められていて、そこには小宮さんもゲスト出演されたことがあるんですね。
『キラメイジャー』の現場であまりお会いできなかった分、ああいう形で鈴村さん、そして神谷さんとお話ができて、うれしかったですね。もともと僕はアニメが好きで、鈴村さんの大ファンだったんです。最初のころは「こんな大物声優さんと一緒に仕事をしているなんて……」と、共演の実感がなかなか湧きませんでした。そんな僕が番組にゲスト出演できて、しかも鈴村さんのお誕生日をお祝いすることができるなんて……。『仮面ラジレンジャー』はうれしいことばかりでした。