あしたのチームは2月25日、「人事評価制度運用に関する調査」の結果を発表した。調査は1月26日~28日、全国の従業員数5名以上300名未満で人事評価制度導入企業の経営者100名、および従業員200名(勤続1年以上の20~59歳男女)を対象にインターネットで行われた。
経営者に対し、人事評価制度で実現したいことを聞くと、「従業員の能力やスキルの正当な評価」(69.0%)、「給与決定基準の明確化」(68.0%)、「昇格・降格の基準の明確化」(56.0%)が上位に。人事評価や処遇決定に対し、明確な基準で正当に評価したいと考える経営者が多いよう。
また、人事評価制度に期待することは「従業員のモチベーション向上」(83.0%)が断トツに多く、次いで「優秀人材採用・離職防止」(54.0%)、「生産性・業績アップ」(53.0%)という結果に。そのうち、実際に効果を感じているものを聞くと、「従業員のモチベーション向上」が最も多く59.0%。次いで「生産性・業績アップ」(34.0%)、「優秀人材採用・離職防止」(32.0%)と続いた。
さらに、人事評価制度を運用することで感じた"意外な効果"について自由回答で教えてもらったところ、「社員に自主性が生まれ、売り上げアップにつながった」「個人とチームとの両方での評価により、チームワークが高まった」「評価をする側とされる側が面談で率直に話すことでお互いの理解が深まり、誤解が生じなくなりました」「評価するサイドの社員の意識改革が図れたこと」「次の管理職候補を選択することが可能になること」などがあがった。
次に、経営者・従業員(正社員)の双方に、「自社の人事評価制度は総合的にうまくいっていると思いますか?」と尋ねたところ、「(やや)うまくいっていると思う」と回答した経営者は75.0%であったのに対し、従業員は33.0%と42ポイントもの差がつく結果に。
また、自社の人事評価制度に対する満足度を調べると、「(やや)満足している」という経営者は71.0%、従業員は26.0%と45ポイントの差となり、いずれの設問においても、経営者と従業員の認識に大きな乖離があることがわかった。
さらに、経営者に対し「人事評価制度が組織や社員に良い影響を与えていると思うか」と尋ねると、「人事評価制度に満足している」と回答した経営者の64.3%が「良い影響を与えていると思う」と回答。また、従業員に「現在お勤めの会社で今後も働きたいと思いますか?」と尋ねると、「人事評価制度に満足している」と回答した人のうち、66.7%が「働き続けたいと思う」と回答した。
前問で人事評価制度に「(あまり)満足していない」と回答した経営者・従業員に対し、不満に感じる点や改善すべきと思う点を聞くと、経営者は「評価をしても年功序列が排除できていない」(27.6%)や「評価制度の形骸化」(24.1%)が上位に。従業員の不満として最も多かったのは、「評価が給与に反映されない」で50.0%。次いで「評点を決める明確な基準がない」(39.2%)、「評価する人によって甘辛のばらつきがある」(37.8%)と続いた。
次に、経営者から「人事評価制度を運用する上で感じた、困ったこと」を教えてもらったところ、「評価業務のため自分の負担が増えた」(42.1%)が最多に。また、「人事評価制度で難しいと思うこと」については、「明確な評価基準を設定すること」(52.3%)が最多となり、次いで「数値的指標がない職種(間接部門など)の評価」(41.9%)、「達成した状態が不明な抽象的な目標に対する評価」(39.5%)と続いた。
最後に、「社員の人事評価を行う際、その成果を評価しにくいと感じる目標の文言」を教えてもらったところ、「できるだけ~する」(27.0%)、「~に努力する」(26.0%)、「~を頑張る」(24.0%)が上位に並んだ。