テスラが電気自動車(EV)「モデル3」(Model 3)の大幅値下げを実施した。車両本体価格(補助金制度適用前)は航続可能距離(WLTPモード)430キロの「スタンダードレンジ プラス」が511万円から429万円に、同580キロの「ロングレンジAWD」が655.2万円から499万円に変更となった。もはや、日本のEVと比べても安いくらいだ。
大幅値下げの理由は?
モデル3は4ドアセダンタイプのEV。価格は日本で購入できるテスラ車の中で最も手ごろだ。選択可能なグレードは上から「パフォーマンス」「ロングレンジAWD」「スタンダード プラス」の3種類。ゼロヒャク加速(停止状態から時速100キロまでの加速に要する時間)3.3秒の最上級グレード「パフォーマンス」は717.3万円で価格は据え置きだ。
ロングレンジAWDはデュアルモーターの4輪駆動車で、ゼロヒャク加速は4.4秒、最高時速は233キロ。タイヤは19インチを装着する。スタンダード プラスは1モーターの後輪駆動でゼロヒャク加速は5.6秒、最高時速は225キロ、タイヤは18インチだ。
航続距離と価格のバランスを考えるとロングレンジAWDが使いやすそうだが、その値下げ幅は100万円以上と大きい。商品の競争力が一段と向上した印象だ。なぜ、ここまで大幅な値下げを敢行できたのか。テスラに聞いてみても「常に材料調達、製造コスト削減に努めているから」との回答しか得られなかったが、同社では「『モデルS』『モデルX』に関しても、発売当初よりもバッテリー容量を増やしながら、発売当初と比べ約30%の価格低減に成功している」とのことなので、EVの価格を下げることについては常に努力を重ねているようだ。
最近の国産EVを思い返してみると、ホンダの「ホンダe」とマツダの「MX-30 EVモデル」は航続可能距離(WLTCモード)が200キロ台後半で、価格が451万円~495万円だった。EVの老舗である日産自動車の「リーフ」は、バッテリー容量によって価格帯が異なるものの、まとめると332.64万円~499.84万円だ。そう考えると、モデル3は国産EVと並べても、価格的に遜色がないどころか、動力性能や航続可能距離などで比べれば安いくらいのクルマになった。