ソニーは2月24日、フルサイズセンサーを搭載したシネマカメラ「FX3」(ILME-FX3)を発表した。動画撮影に特化した操作性や機能、装備を備えた製品で、従来のシネマカメラよりも大幅な小型軽量化を図った。同社のミラーレスカメラ「α」に近い操作性、本体デザインに仕上げて親しみやすくしたほか、α譲りの高速オートフォーカスでピント合わせの手間を省いた。プロに加え、個人で動画作成を楽しむクリエイターに売り込む。希望小売価格は税別459,000円で、XLRハンドルユニットが標準で付属する。発売は3月12日の予定。
ソニーのシネマカメラでもっともコンパクトな製品ながら、プロの映像制作に必要な機能や操作性を盛り込んだ製品。本体重量は約715g(メモリーカード、バッテリー含む)と片手で楽々扱えるサイズに仕上げ、チームを組まず一人でも撮影できるようにした。製品には、片手でホールドするためのXLRハンドルユニットが付属し、ローアングルでの撮影も片手でできる。本体やハンドルユニットには、アクセサリー用ネジ穴をいくつも用意し、別売のケージを装着しなくてもアクセサリーをカメラに直接装着できるようにした。ハンドルユニットには、外部マイクを装着するためのフレームや接続端子を用意する。
従来のシネマカメラはマニュアルフォーカスによるピント合わせが基本となっていたが、FX3はαシリーズと同等の像面位相差AFを搭載しており、高速で正確なオートフォーカスを働かせながら撮影できるのが特徴。人物撮影時は瞳AFで瞳にピントを合わせられるので、撮影者はフレーミングに集中できる。
高感度性能に優れているのもポイント。ISO感度は常用で最高ISO102400、拡張時はISO409600の超高感度撮影に対応する。撮影モードを切り替えれば写真撮影も可能。メカシャッターも搭載している。
本体はミラーレスカメラ「α7C」に似たスタイルながら、よく使う動画撮影用のボタンを上部に配置し、カメラをホールドしたまま親指で操作できるようにした。ボディはフルマグネシウム合金製で、内部には冷却ファンも搭載し、4K 60p動画を安定して長時間撮影できるようにした。カメラの上部や側面には5つのアクセサリー用ネジ穴を設け、別途ゲージを使わなくても高い拡張性を備えている。前面や上部、背面にはタリー(RECランプ)を搭載し、撮影中であることを視認しやすくした。
- 撮像素子:35mmフルサイズExmor R CMOSセンサー(約1290万画素)
- 有効画素数:約1026万画素(動画)、約1210万画素(静止画)
- ISO感度(動画撮影時):ISO80-102400相当(拡張:上限ISO409600相当)、AUTO (ISO80-12800相当、上限/下限設定可能)
- ISO感度(静止画撮影時):ISO80-102400 (拡張: 下限ISO40、上限ISO409600)、AUTO (ISO80-12800、上限/下限設定可能)、
- シャッター速度(動画撮影時):1/8000-1/4 (1/3ステップ)、AUTO 1/60まで、オートスローシャッター1/30まで
- シャッター速度(静止画撮影時):1/8000-30秒、バルブ
- ボディ内手ぶれ補正:約5.5段分相当
- AF測距点数:[動画撮影時] 最大627点 (位相差検出方式)、 [静止画撮影時] 35mmフルサイズ:最大759点 (位相差検出方式)
- シャッター:メカシャッター、電子シャッター
- 背面液晶:3.0型チルト式(約144万ドット、タッチパネル)
- ファインダー:なし
- メモリーカードスロット:CFexpress Type A / SDカード×2スロット
- バッテリー撮影時間、撮影枚数:約95分(実働動画撮影時)、約135分 (連続動画撮影時)、約600枚 (静止画撮影時)
- 本体サイズ:129.7×77.8×84.5mm (突起部除く)
- 重さ:約1,015g (XLRハンドル、電池、メモリーカード含む)