新年度は教育関連の出費が増えがちです。金額も高額になるため、あらかじめ備えておくことが大切です。
子どもが社会に出るまでかかる教育費は、進路にもよりますが、1,500~4,000万円ほど。それに加えて養育費と、自宅外通学をする場合は、別途費用がかかることになります。つまり、教育費は長期戦であり、高額です。また、大学進学時の進路によっても、学費が大きく変わります。進学費用の積み立てだけでは足りない場合は、借りる選択肢もあるでしょう。
一度に大金を用意するのは大変ですが、教育費はお子さんが生まれた時点である程度予測がつくものです。生まれてすぐに全額必要準備しておく必要はなく、子どもの成長共に積み立てをすることでカバーすることができますので、教育費の積み立てをしたり、制度を活用したりしましょう。
児童手当を貯蓄にまわす
現行の制度では、0〜3歳未満1万5,000円、3歳~小学校終了前1万円(第3子以降は1万5,000円)、中学生1万円(一律)、所得が上限を超えている場合は、5,000円(一律)。所得制限内の世帯の場合は、総額で約200万円が給付されることになります。
家計からなかなか教育費の貯蓄にまわせないときは、児童手当分は貯蓄にまわしましょう。
また、2022年10月支給分から年収1,200万円以上の世帯は、児童手当の給付から外される予定です。
学資保険や自動積み立てをする
児童手当を積み立てる方法に加えて、あと毎月1万円は積み立てておきたいものです。
子どもが生まれてから18歳になるまで毎月1万円ずつ積み立てをすると、216万円。児童手当の約200万円をあわせると、約400万円となります。
習い事や小・中学校受験は家計とのバランスを見て
幼少の頃から習い事を複数通っていたり、私立の小・中学校受験をしたりするとさらに出費がかさみます。私立の小・中学校の授業料等は年間約100万円をイメージしておきましょう。また、中学校受験をする場合は、塾代などで2〜300万円かかります。
受験を考えている場合は、家計のバランスを見ながら無理のないように資金計画を立てましょう。
「高等学校等就学支援金制度」を知る
2020年4月から高等学校等就学支援金(返還不要の授業料支援)の制度で、私立高校等に通う生徒への支援が手厚くなりました。世帯の年収制限がありますが、支援の対象になる世帯年収であれば、年額で最大39万6,000円が支給されることになります。
また、公立高校においてはすでに制度があり、支援の対象になる世帯年収であれば、年額で最大11万8,800円となり、授業料負担が実質0円になります。
対象の世帯であれば、高校の授業料がほぼかからないため、経済的な負担が軽減されることと、公立高校は月額9,900円、私立高校は、月額3万3000円(ともに上限)の支援が受けられるので、払ったつもりで積み立てをするのもいいでしょう。
「高等教育の就学支援新制度(大学無償化)」を知る
2020年4月1日から、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の授業料等減免と、給付型奨学金が拡充されました。対象となる学生は、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生です。
これにより学ぶ意欲がありながらも、家庭の経済的な理由により進学をあきらめていた学生にも学びの機会を得ることができますね。
奨学金を受ける
また、学費は奨学金を受けることで準備をすることもできます。奨学金には大きく分けて貸与型と給付型があり、貸与型は卒業後から返済が始まりますが、給付型は返済の必要がありません。
貸与型の場合、借りた額が多くなるとその分、負債が重くのしかかることにもなりかねません。
奨学金の考え方は、保護者の方の考え方によってさまざまです。奨学金を借りる際はお子さんにその制度の仕組みと、親として借りる必要性などをしっかりとお話をされるとよいでしょう。
そして、給付型の奨学金を受ける場合は、選考や条件があり、必ずしも受けられるとは限りません。また、申し込みにも期間が設けられているので、検討している場合は早めに情報収集をしておくことをおすすめします。
教育費は見直しがしにくい部分ではありますが、新年度はある意味見直しのチャンスです。習い事や今後の進路をお子さんと話し合いながら、継続するもの、やめるもの、場合によっては増やすものなどを決めて、収入と生活費、教育費のバランスを取って、限られたお金の中でも上手にやりくりをしていきましょう。