リモートワークでお疲れモードのお茶休憩には、カフェラテ、ミルクティー、抹茶ラテなど、コクのある牛乳入りの飲み物が欲しくなるものだ。最近ではそんな定番アイテムの中にほうじ茶ラテを加えているカフェチェーンも増えている。ほうじ茶は、煎茶、茎茶、番茶などを強火で焙(ほう)じた緑茶の一種。渋みや苦味のもとであるタンニンやカフェインは緑茶に比べると少なく、焙煎から生まれる香ばしさがどこか懐かしく、ホッとひと息つかせてくれる。ほうじ茶ラテはそれをミルクでラテ仕立てにしているのだから、さらに癒しの味わい。

  • ほうじ茶5種を飲み比べ

    ほうじ茶5種を飲み比べ

今回、市販やネットで販売されているほうじ茶ラテのうち、湯や牛乳で割って楽しむタイプと、外出中も手軽に楽しめる缶ボトルタイプ、後処理も便利な紙パックタイプを比較してみた。

  • 各ほうじ茶の特徴

もへじ「牛乳でつくるほうじ茶ラテ」(購入時の価格414円)

  • もへじ「牛乳でつくるほうじ茶ラテ」(100g/414円)。1杯分7gは28キロカロリーで、200mlの牛乳(138キロカロリー)に溶くと、1杯あたり約194キロカロリー

カルディなどで販売されている粉末パウダータイプの「牛乳でつくるほうじ茶ラテ」は、「茶匠」がミルクに合う香ばしい風味の茶葉を厳選したという。約大さじ1杯(7g)を100mlの牛乳に溶かすだけで出来上がり。1袋100g入りなので、約14杯分入っている。一度にたっぷり200ml飲みたい場合は7杯分だ。

パッケージ裏面の「おいしい作り方」によると、ホットの場合は牛乳をカップに入れて、同品を混ぜ、電子レンジ(500w)で1分間温める。忙しい合間でも手軽に作れる点が嬉しい。開封後の保存に便利なチャック付き。

混ぜても茶色い粒が残るが、これはほうじ茶の粒。「一番摘み茎ほうじ茶50%以上使用」だから、香りも味わいも豊かだ。和三盆糖を使っているためだろうか、しっかり甘いのに、すっきりと品がある。原料欄に書かれているのは「砂糖、緑茶、和三盆」のみで、体にやさしいクリーンラベル(原料の出どころが明確で、数が少なく安心感のある製品)。牛乳に溶いてもおいしいかったが、個人的には調整豆乳でつくった方がほうじ茶の風味がより際立って美味しく感じた。

<まとめ>
・香り豊か! 「一番摘み茎ほうじ茶」を贅沢に50%以上も使用
・和三盆使用で上品な甘さ
・牛乳だけでなく、豆乳でも楽しめる

WAKODO「牛乳屋さんのほうじ茶ミルクティー」(ネット通販での購入時の価格 948円)

  • WAKODO「牛乳屋さんのほうじ茶ミルクティー」(200g/ネット通販 948円)。1杯分(120ml)11gは51キロカロリーなので、200mlの湯に溶いたら1杯約85キロカロリー

WAKODOによる独自開発のクリーミングパウダー使用で、お湯を入れるだけでスッと溶けて、すぐにほうじ茶ラテを楽しめる。乳児用粉ミルクを日本で初めて開発したメーカーとあって、水にも溶けやすい粒子の細かさが特徴的だ。1袋の容量は200gで、ティースプーン2杯半(約11g)を120mlに溶かすので、約18杯分入っている。こちらもチャック付きパッケージ入り。

お湯に溶かしてみると、ややほうじ茶の香りは弱く、どこか懐かしい粉ミルクの味わいが際立つ。じっくり味わうと抹茶ミルクのようでもあり、ほうじ茶独特の香りが苦手という人には飲みやすいかもしれない。

沖縄産黒糖入りで甘みはまろやか。ティースプーン2杯半の指定量をお湯で溶いてみると、コクが足りなかったため、正確を期して2杯半=11gを計ってみたら、実はカレースプーン山盛り1杯ほどで、思ったよりたっぷり入れることがわかった。こうして飲みながら好みの味に調整できるのは、パウダータイプならではのメリットかも。

<まとめ>
・牛乳不要。お湯や水を注ぐだけでほうじ茶ラテになる
・沖縄黒糖を使用した万人向きのマイルドな味わい
・200g入り、約18杯分とたっぷりの分量なのでヘビーユーザーに特におすすめ

AGF「ブレンディポーションティー ほうじ茶オレベース」(購入時の市販価格 246円)

  • AGF「ブレンディポーションティー ほうじ茶オレベース」(7個/価格246円)。ワンポーションは9キロカロリーで、200mlの牛乳(138キロカロリー)に1個半溶くと約152キロカロリー

1回分ずつパックされているリキッドを水や牛乳に混ぜるのが、ブレンディのポーションシリーズのほうじ茶オレベースだ。メーカーでの製造は終了しているようだが、インターネットではまだ購入可能のようだ(上記価格は市販購入した時のもの)。1袋に7個入っているので、毎日飲む人にはちょうど1週間分になる。

ポーション1個につき混ぜるのは牛乳130ml。液体なのでパウダータイプよりストレスなくきれいに混ざる。国産ほうじ茶を100%使用しているようだが、ほうじ茶の風味や苦味はかなり控えめで全体的にマイルド。ブレンディの同シリーズは、主にアイスドリンク用に作られているようなので、ほうじ茶オレベースも冷たい牛乳に入れてみたが、個人的には温めた牛乳よりも冷たい方が風味が立って美味しく感じた。

とろりとしたソース状の液体なので、アイスクリームやかき氷にかけるのもメーカーのおすすめ。1個あたり9カロリーなので寒天にかければローカロリーなデザートになりそうだ。水に溶かしてそのままほうじ茶として味わってもおいしいかった。使い切りサイズなので、アウトドア派なら出先でペットボトルにサッと溶かして楽しむのもいいかも。

<まとめ>
・ホットより、アイスにオススメ
・ソースとしてほうじ茶デザートにも使える
・携帯に便利な小さい使い切りサイズなので外出先でも楽しめる

明治「辻利 ほうじ茶ラテ」(購入時の価格 73円)

  • 明治「辻利 ほうじ茶ラテ」(200ml/購入時価格73円)。1本(200ml)は90キロカロリー

こちらは混ぜる必要もなく、すぐに飲めるほうじ茶ラテのパック。京都宇治の老舗「辻利」のほうじ茶を使用しているだけあって、焙じた香ばしさとほのかな渋みがしっかり感じられる本格派。飲み口はとろりと練乳のようでもあり、甘みもしっかりしていて、ほうじ茶と乳風味のバランスが非常にいいと感じた。

乾燥した冬場の部屋で仕事をしているときなら、この適度な甘み、コクがきっと心地いいだろう。常温保存(未開封)ができ、冬なら常温に置いておいておけば冷たすぎず、かえって味わいや香りが増す気がした。

ほんのり緑がかった液体の色と似た、渋いミルクティー色の背景にもみじをデザインしたパッケージも品がいい。甘みもコクもありながら90キロカロリーなので、小腹を満たすローカロリーおやつとしてもおすすめだ。

<まとめ>
・京都宇治の「辻利」のほうじ茶使用で本格味
・香ばしさと渋みがミルキーな甘みにマッチ
・200mlの飲み切りサイズで、90キロカロリーとカロリー低め

エキナカフェ「ほうじ茶ラテ」(購入時の価格143円)

  • エキナカフェ「ほうじ茶ラテ」(260g/143円)。JR東日本の駅にあるNew Daysで販売されている。1本は92キロカロリーで、200mlに換算すると約71キロカロリー

JRの駅構内のコンビニ、New Daysでは、ドトールコーヒーとの共同開発で一部の店でカウンターコーヒーを展開する一方、アルミボトル缶入りの「ブラックコーヒー」「カフェ・オ・レ」も販売している。このボトルシリーズのひとつがほうじ茶ラテだ。国産ほうじ茶を使用し、ほうじ茶の甘みと香ばしさを活かした、冷蔵ケースで販売されている冷たいドリンクだ。

キャップを開けると、ほうじ茶らしい香ばしい香りがする。色はミルクティーに近い赤っぽいセピア色。透明感があるので、ミルク風味は淡いかもしれないと飲んでみると、やはり乳のコクより甘みが立つ。そのぶん飲み口はすっきりしている。また、裏面のアドバイス通り、カップに移してレンジで温めてみると、香りが立ち上り、甘みはおさえられ、これはこれで楽しめた。冷たいほうじ茶ラテは冬に限らず、疲れたときや喉が渇いたときにゴクゴク飲むのにぴったりだろう。

<まとめ>
・国産ほうじ茶の香りとすっきりとした甘み
・暖かい季節によりおいしい冷たいほうじ茶ラテ
・飲み切らないでもOK。持ち運びに便利

1杯200mlに換算して値段を比較すると、一番安かったのは「辻󠄀利 ほうじ茶ラテ」が73円、一番高かったのが「エキナカフェ ほうじ茶ラテ」約110円。値段はそれほど違わないので、ぜひ自分好みの味でセレクトしたいものだ。

ちなみに写真のキャプションに200mlあたりのカロリー目安も入れてみたが、牛乳で割るタイプはカロリーが高めになるものの、やはりコクがあって疲れが軽減される気がした。癒されたいなら「牛乳でつくるほうじ茶ラテ」などの牛乳で割るタイプ、ゴクゴク飲んですっきり気分転換したいなら「エキナカフェ ほうじ茶ラテ」あたりが良いように感じた。その時の気分や場所、シーンなどによって、今の自分にぴったりなほうじ茶ラテ選びをしてみよう。

※価格はすべて税込