事前登録開始から約3年――。

2021年2月24日、ついに、スマホアプリ『ウマ娘 プリティーダービー(ウマ娘)』がリリースされた。ジャンルは、担当ウマ娘を育てる「育成シミュレーションゲーム」だ。

『ウマ娘』とは、ウマの耳と尻尾、そして超人的な身体能力を持つ「ウマ娘」と呼ばれる少女たちが活躍する世界を舞台にした物語。クロスメディアコンテンツとして、TVアニメやコミックスなどを展開している。

「トレセン学園」と呼ばれる育成機関に通うウマ娘たちは、それぞれ所属するチームでトレーニングを積み、<トゥインクル・シリーズ>と呼ばれるレースでの勝利を目指す。ゲームでは、プレイヤーが「トレーナー」となって、ウマ娘のトレーニングをしたり、ウマ娘と一緒にお出かけしたりしながら、それぞれのウマ娘が掲げる目標クリアに向かって、さまざまなレースに挑戦する。

  • ウマ娘

    スマホアプリ『ウマ娘』が2021年2月24日にデビュー!

今回は、リリースに先がけて行われた「ゲーム先行体験会」でプレイした『ウマ娘』アプリの概要を紹介する。なお、ゲーム画面はすべて開発中のものだ。

マルゼンスキーの疾走感に目を奪われたガチャ演出

ゲームのメインストリームは、さまざまなウマ娘を強く育てること。まずは簡単なチュートリアルもそこそこに、自分が担当するウマ娘と出会うべく、スマホアプリでおなじみの「ガチャ」を引いてみた。

ガチャは大きく分けて2種類。「育成ウマ娘」を呼び出すものと「サポートカード」を引くものに分かれる。サポートカードとは、ウマ娘の育成を手助けしてくれるイベントカードのこと。サポートカードを編成すると、カードに応じた育成イベントが発生しやすくなる。

また、サポートカードにはそれぞれタイプ(得意トレーニング)がある。ウマ娘の育成で得意トレーニングを行うと、効果の高い「友情トレーニング」が発生することがあるので、ウマ娘の成長に一役買ってくれる存在と言えよう。

  • ウマ娘
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  • ゲームには、育成ウマ娘のガチャ(左)とサポートカードのガチャ(右)の2タイプある

  • ウマ娘
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  • サポートカードを編成すると、育成中にイベントが発生しやすくなる。また、サポートカードは、レベル強化やレベル上限解放が可能

だが、まずは育てるウマ娘を引かないことには始まらない。そこで、「☆3確定 スタートダッシュガチャ」からトライした。なお、繰り返しになるが、体験会は開発環境での試遊である。リリース時に同じガチャがあるとは限らないので注意だ。

早速ガチャを引くと、ウマ娘たちが出走するスターティングゲートが登場。そして1番ゲートから順にクローズアップされていった。そのとき、枠が金色に変化することもあったので、演出によってレア度の示唆もあるのだろう。

なんてことを考えていたら、ゲートが開き、続々とウマ娘が駆けだしてきた。しかも、☆3キャラクターの演出はかなり豪華。引いたときの幸福感を倍増させる。実際、☆3「マルゼンスキー」が登場したときのカッコよさには、思わず目を奪われた。まさに、マルゼンスキーの“スーパーカー”の異名に恥じないスピード感。画面から飛び出てくるのではないかと思うほどの迫力があった。

  • ウマ娘

    ウマ娘ガチャ、ゲートイン!

  • ウマ娘

    おや、金枠に変化したぞ

  • ウマ娘
  • ウマ娘
  • ゲートから飛び出してくる演出でウマ娘をお出迎え

  • ウマ娘

    ゲートが開いたと思ったら、高鳴るエンジン音とともに何やら車のスピードメーターのようなグラフィックが

  • ウマ娘

    次の瞬間、ものすごいスピードでマルゼンスキーが登場。これはテンションが上がる

ウマ娘のガチャを引いたあとは、育成に欠かせないサポートカードのガチャも挑戦。こちらはゲートから出てくるのではなく、アルバムのページをめくっていくような演出だった。

  • ウマ娘

    サポートカードのガチャはアルバムを開いていく演出だ

  • ウマ娘

    SSRのスペシャルウィークをゲット! カードのデザインが豪華

  • ウマ娘

    サポートカードガチャの結果。同一のサポートカードはレベル上限解放に使える

マルゼンスキーと二人三脚で「URAファイナルズ」勝利を目指す

猛スピードで駆ける姿が印象的だったマルゼンスキー。体験会は無限にガチャを引けるという魅惑的な環境だったが、時間が限られていることもあり、“ガチャ欲”をグッと抑えて、今回はこのウマ娘を育てることに決めた。

育成では、目標のレースが行われるまでの期間、さまざまなアクションでウマ娘の能力を高める。メインはウマ娘の体力を消費して行う「トレーニング」だろう。ウマ娘のステータスは「スピード」「スタミナ」「パワー」「根性」「賢さ」の5つ。それぞれの能力を高めるトレーニングが用意されている。

体力が減ってきたら、「お休み」でウマ娘の体力を回復させてあげる。また、ウマ娘のモチベーション維持もトレーナーの大事な役目。一緒に「お出かけ」することで、上手にやる気を引き出してあげよう。

そんな具合で、さまざまなアクションを実行して、ウマ娘を育成しつつ、最終的にトレセン学園の理事長・秋川やよいが考案した新レース「URAファイナルズ」の制覇を目指すのが、主な流れである。

  • ウマ娘

    さまざまなトレーニングでウマ娘を成長させる

  • ウマ娘

    トレーニングで獲得するスキルPtを消費すると、「ラストスパートで速度が上がる」といったスキルを獲得できる

  • ウマ娘

    トレーニングすると、ウマ娘は体力を消費する。適度にお休みを入れよう

  • ウマ娘

    ウマ娘のコンディション管理にも注意が必要。悪いコンディションになってしまったら保健室で回復だ

最初の目標は「ジュニア級 メイクデビュー」と呼ばれるレースに出走することだ。レース開催までの限られたターン内で、トレーニングやお休み、お出かけなどのアクションを実行する。

メイクデビューまでの期間は長くない。マルゼンスキーのパラメーターを見ると、スタミナにやや不安があったが、ひとまずストロングポイントであるスピードを伸ばしてみた。

また、育成を進めていると、サポートカード効果によるイベントが何度か発生した。イベントの効果はさまざまだが、ほかのウマ娘とコミュニケーションをとることで、スキル獲得に必要なポイント数を減らせる「スキルヒント」の獲得が多かった気がする。

  • ウマ娘

    トレーニングは5種類。ウマ娘の能力を見ながらどのトレーニングを行うか決める。なお、育成画面でも、ウマ娘はかなりナチュラルな動きを見せる。ゲーム全体を通して、キャラクターの3Dモデリングはかなり洗練されている印象を受けた

  • ウマ娘

    育成を進めていると、たまにサポートカードによるイベントが発生する。スキル獲得に必要なスキルPt消費量が減少するなど、効果はさまざま

そして迎えたマルゼンスキーのデビュー戦。レースは、まずパドックで出走するウマ娘の能力や人気を確認し、「追込」「差し」「先行」「逃げ」から作戦を決めたら、あとは育てたウマ娘の走りを信じて見守るのみ。ひとたびゲートが開くと、実況がレースを大いに盛り上げる。プレイヤーの操作が必要ないだけに、レース中の映像や音声に集中できるだろう。

  • ウマ娘

    パドックでは出走するウマ娘の能力や人気を確認できる

  • ウマ娘

    作戦をウマ娘に伝えたら、あとは勝利を祈りつつ、レースの行方を見守ろう

さぁ、ゲートが開いた。ハナに立ったのは、マルゼンスキーだ。1コーナーから2コーナーへ向かっていくウマ娘たち。先頭は依然マルゼンスキー。大きく差を広げた。ほかのウマ娘たちが追いかけるかたち。

3コーナーを回った。マルゼンスキーの一人旅。このまま逃げ切れるのか。内ぴったりとカーブを回る。マルゼンスキーが先頭。ここから差を縮めるか。それともマルゼンスキーが離すか。

残り200mを切った! 差は縮まらない! マルゼンスキーが先頭! マルゼンスキー、これは強い! ここで差を広げる。マルゼンスキー! そのまま1着でゴールイン!

マルゼンスキー! 強いとしか言えない走り! 次のレースが今から楽しみです。マルゼンスキー! 見事に完勝! メイクデビューを制しました!

※上記は記事上の演出です。『ウマ娘』のゲーム内の実況内容とは一部異なりますが、だいたいこんな感じのアツい実況を楽しめます。

  • ウマ娘

    ゲートが開くと、実況がレースの状況を伝えてくれる

  • ウマ娘

    マルゼンスキーは圧倒的な走りでメイクデビューを制した。実況に「強いとしか言えない走り!」と言われると、なんだか誇らしい。マルゼンスキーもレースを心の底から楽しんでいるようだった

圧巻の走りを見せたマルゼンスキーは、ほかのウマ娘と大きな差をつける形で、華々しいデビューを飾った。これで最初の目標である「ジュニア級 メイクデビューに出走」をクリア。次の目標レースに向けてさらなるトレーニングに励む。

だがその前に、レース後にはショータイムが待っている。レースが終わると、出走したウマ娘たちが歌って踊る「ウイニングライブ」が行われるのだ。

センターに立つのは、もちろん1着を勝ち取ったウマ娘。ウイニングライブでは、TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』第1期のオープニングテーマ曲「Make debut!」をはじめ、レースごとにさまざまな曲をウマ娘たちが披露してくれる。

  • ウマ娘

    ひとたびレースが終われば、出走したウマ娘たちによる「ウイニングライブ」の観賞タイムだ。演奏される曲は、レースクリアによって解放されていく。ちなみに、ゲーム中はシーンによってスマホの横画面と縦画面が切り替わる

「ジュニア級 メイクデビュー」のあともトレーニングを行い、目標レースを総なめにしていくマルゼンスキーだったが、そのまま順風満帆とは言えなかった。時折見せる寂しそうな表情――。強さゆえの孤独を感じることや、速さを求める意味を見失うこともあったようだ。

さらに、4レース目の「皐月賞」。序盤に大きく差を広げて戦闘をキープしていたマルゼンスキーは、ゴール直前でゴールドシップと激しい先頭争いを繰り広げるも、最後までスタミナが持たず、3着まで順位を落としてしまう。

結果としては残念だったが、ゴール前の熾烈な先頭争いで発生したカットインはアツかった。最後の最後までわからない勝負を大いに盛り上げてくれる演出だったと言える。

  • ウマ娘

    1番人気のマルゼンスキーがゲートイン

  • ウマ娘

    順調に先頭を走っていたマルゼンスキーだが、最後の直線でゴールドシップが差をつめてきた

  • ウマ娘

    「どうなる? 逃げ切れるか!?」とハラハラしながら見ていると、ここぞというタイミングで先頭2人のカットインが発生

  • ウマ娘

    結果は2分の1バ身差で3着。マルゼンスキーには悔しい思いをさせてしまったが、スタミナ不足という課題が浮き彫りになった

スタミナ不足が原因で3着という順位に甘んじてしまったマルゼンスキー。弱点克服のため、猛特訓を積んだ。ときには2人でドライブに出かけるなど、気分転換も欠かさない。

すると、心なしか、マルゼンスキーの表情も明るくなっていった。ライバルの出現に、ファンの応援――。ひたむきに速さを求め、楽しみながら走るマルゼンスキーが戻ってきたのだ。また、トレーナーとして、少しずつマルゼンスキーとの絆を強化することもできた気がする。

調子が上向いてきたところで、マルゼンスキーが次の目標にしていたレースがやってきた。出走するウマ娘のなかには「皐月賞」で敗れたゴールドシップの姿も。これは負けられない。リベンジを果たすときがきた。

しかし、相手は「皐月賞」を制したゴールドシップ。一筋縄ではいかなかった。残り400mを残してゴールドシップが抜け出す。先頭はゴールドシップ。だが、ここでスタミナ強化の効果が現れる。ラスト100mでマルゼンスキーが抜け出したのだ! ゴール前でリードを1バ身に広げる。

そのまま1着でゴールイン。見事、王座を奪還だ! 強いマルゼンスキーが帰ってきた。よし! このままの勢いで、続くレースでも1着をかっさらって、G1連覇だ――。と、意気込んでいたところでタイムアップ……。先行体験会終了の時間だ。

たしか、試遊タイムは1時間以上あったはずだが、マルゼンスキーの育成に夢中であっという間に時間が過ぎてしまった。盛り上がりが最高潮に達したタイミングで、マルゼンスキーとはお別れである。

さようなら、ありがとうマルゼンスキー……。

なお、育成し終えると、成績が優秀だったウマ娘は“殿堂入り”を果たす。殿堂入りしたウマ娘は、「チーム競技場」などのレースコンテンツに出場できるほか、次に育てるウマ娘へ「継承」を行えるようになる。継承することで、ウマ娘の能力が上がったり、新たな素質に目覚めたりする。育成と継承を繰り返すことで、より強いウマ娘を育てられるわけだ。

  • ウマ娘

    弱点のスタミナ不足を克服していざリベンジへ。今回もやはりゴールドシップが手ごわい

  • ウマ娘

    ラストでゴールドシップをかわし、マルゼンスキーが抜け出してゴールイン!

  • ウマ娘

    レースに勝つとトロフィーを獲得する

豊富なコンテンツやクオリティから感じる制作陣のこだわり

ウマ娘の育成以外にも、メジロマックイーンとともにチーム<「シリウス」>を盛り上げる「メインストーリー」や、各ウマ娘との出会いと絆を描く「ウマ娘ストーリー」をフルボイスで楽しめるうえに、育成を終えて“殿堂入り”したウマ娘でオリジナルチームを結成して全国のトレーナーと対戦する「チーム競技場」といった豊富なコンテンツが用意されている。

  • ウマ娘

    ストーリーには「メインストーリ―」と「ウマ娘ストーリー」を用意

  • メインストーリーでは、プレイヤーがチーム<シリウス>のトレーナーとなって物語を進める

  • ウマ娘

    ストーリーは横画面と縦画面どちらでも楽しめる

  • メインストーリーでは、メジロマックイーンやオグリキャップにフォーカス

  • ウマ娘

    「チーム競技場」や「デイリーレース」などのコンテンツも用意

  • ウマ娘

    ホーム画面ではプレゼントなどを受け取れる。マルゼンスキーの育成に夢中で、最後まで気づかなかった

  • ウマ娘

    ホームで画面をスワイプしたら、ほかのウマ娘の姿も見かけた

  • ウマ娘

    なお、育成ウマ娘は覚醒Lvを強化して新しいスキルを解放したり、才能開花で☆を上げたりできる

  • ウマ娘

    ウマ娘を才能開花させて☆3にすると、「勝負服」の衣装を獲得できるらしい。そうなると、リリース後には季節の限定衣装なんかにも期待してしまう

事前登録開始から約3年という期間を経てリリースされるゲーム『ウマ娘』だが、制作にかけた長い年月は、豊富なコンテンツをはじめ、3Dキャラクター、ボリューム満点のイベント、収録ボイスといったゲームクオリティにしっかり反映されていると感じた。

ゲーム体験会では、ボイスなどを担当しているキャスト陣が「長い期間お待たせしているんですが、かなり愛を込めて作られているゲーム」「やりこみ要素がいっぱいありますし、長い時間遊べるようになっている」「ファンの皆さん、トレーナーの皆さんの期待を裏切らないクオリティ」「制作過程を見ていたのですが、どんどんすごくなる期待感がありました」とゲームのクオリティを称賛。制作の情熱が注ぎ込まれたアプリ『ウマ娘』で、無敗の三冠ウマ娘を育ててみてはいかがだろう。

【ゲーム概要】
タイトル:ウマ娘 プリティーダービー
配信開始:2021年2月24日(水)※iOS/Androidのみ
開発・運営:株式会社Cygames
対応機種:iOS/Android/PC
AppStore / GooglePlay / DMM GAMES

(c) Cygames, Inc.