子役の寺田心が主演を務める映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(今夏公開)のキャストが22日に明らかになった。

  • 左から遠藤憲一、岡村隆史、石橋蓮司、荒俣宏

    左から遠藤憲一、岡村隆史、石橋蓮司、荒俣宏

同作は1968年からの3部作、2005年の平成版とヒットを記録した映画『妖怪大戦争』の令和版。フォッサマグナに眠る古代の化石たちが1つに結集し、巨大な妖怪獣へと姿を変え、東京を向かうという未曾有の事態に、妖怪ハンターの血を継ぐ埼玉県・所沢市の小学生・渡辺兄(寺田)が「世界を救う勇者」に選ばれ、妖怪たちとともに大冒険を繰り広げる。

この度明らかになったのは、前作『妖怪大戦争』(05年)にも出演した“妖怪”キャスト陣。岡村隆史は妖怪・小豆洗いを演じる。物語の重要な局面に必ず登場するも、特に何の役に立つわけでもなく、ひたすら風呂桶に入った小豆を水洗いしているだけで、穏やかな時はゆっくりと、興奮した時は高速で小豆を洗うのが特徴だ。日本の妖怪と世界中のモンスターが一堂に会した世界妖怪会議“ヤミット”の最中にも、相変わらず小豆を洗っていたため天狗(三浦貴大)から「うるさい! 君、帰れ!」と言われてしまい、悲しい表情を見せる。

遠藤憲一が演じるのは、妖怪・夜道怪。放浪する僧の姿をした、子供を連れ去ると言われる妖怪で、本作ではケイの弟・ダイを風呂敷で包み込み、妖怪の世界へと連れ去ろうとする。強面でぶっきらぼうだが実は優しく、キメ台詞を言おうとすると必ず最後にせき込んでしまい、結局何が言いたかったのかがわからない。遠藤は前作で大天狗を演じていたが、本作ではさらに個性的な新たな妖怪役で再登板。目元だけ真っ黒な白塗りフェイスに大きな笠をかぶったビジュアルも必見とっている。

石橋蓮司は巨大な生首の姿をした妖怪・大首を演じ、妖怪の世界に迷い込んだケイの前に現れ、一吹きでケイを吹っ飛ばしてしまう。石橋は前作でも大首役を演じており、本作では同じ妖怪役での続投となる。また、本作で角川歴彦と共に製作総指揮を務める荒俣宏も、劇中に妖怪役で出演。世界妖怪会議“ヤミット”の議長にして、雨が降った時に現れる「雨降小僧」を演じている。

岡村隆史 コメント

前作と同じ役で出演させていただきましたが、小豆洗いは僕自身だと思っているので、「この役は絶対に渡さへんぞ」という気持ちで挑みました。撮影現場では三池監督の言うことだけを聞き、反時計回りに小豆を洗うということのみ、一生懸命やっています。前作の時は右も左もわからないままでしたが、この約15年の間に日本アカデミー賞で優秀助演男優賞をいただいたこともありましたし、前回よりも自信を持って小豆を洗わせていただいています。とにかく現場に入ったら、小豆と向き合うことを心がけていましたね。小豆洗いのビジュアルも前回よりパワーアップしていて、手の特殊メイクで小豆がさらに洗いやすくなったり、僕が薄毛の治療をしていることを加味していただいているのか、髪もちょっと増えています。
『妖怪大戦争』にはずっと続いてもらって、小豆洗いだけは毎回必ず出てきて、「小豆洗いといえば岡村だな」と言ってもらえるように、小豆洗いという妖怪をもっともっと磨き続けていきたいと本気で思っています。

遠藤憲一 コメント

今回は、顔の中で言うと目しか出ていないので、ほかの誰がやってもいいと思ったのですが、そういうものではないらしいのです。ですので精一杯、妖怪の気持ちになって演じました。
そして風呂敷で何かを背負っています。写真でもうお気づきと思います。よいこの皆さんは真似をしちゃいけませんよ。私は妖怪だからできたのですよ。

荒俣宏 コメント

役柄はヤミットの議長ですが、妖怪としては江戸時代の「雨降小僧」を演じています。雨が降った時に出てくる、大したことはしない妖怪ですね(笑)。今回は撮影中ずっと寝ている役だったので、どんな現場だったかまったくわかりません(笑)! しかし、ひしひしと感じるものはあって、悪夢を見るぐらい面白そうな印象がありました。僕にとって『妖怪大戦争』とは、自分が行くならこういう世界がいいなというところを実現している作品です。現実よりも遥かに面白く、そして多分安全だと思います。
本作で、「日本は妖怪」だということを世界に広めたいですね。妖怪は、モンスターのように強くもなく、お化けのようにしつこくもなく、いつか消えてしまうようなか弱い存在なんだけど、人間を支援したりいろんなことをしてくれる「友達」なんです。ただし、人間がおもてなしの心を忘れるとしっぺ返しを食らいます。そういう点では自然と同じなんですね。そうした自然や人間が住んでいるこの世界を想定して、映画での妖怪の世界はひとつの理想郷です。

(C)2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ