筆者は2017年からノートPCはLenovoのYOGA 720(Core i5-7200U搭載モデル)を愛用している。12.5型のフルHD液晶、重量1.18kgと適度にコンパクトで軽く、Office系のアプリを動かしたり原稿を書くのに不満を感じることはない。Webカメラもあるので、最近増えているZoomやTeamといったWeb会議アプリでの取材や打ち合わせにも便利。友人とのZoom飲み会にも使っており、公私ともに相棒として活躍している。

  • 薄い軽い、高性能とこれぞ万能ノートPC! 「ThinkPad X1 Carbon Gen 8」長期レポートその1

    筆者が2017年から愛用しているLenovoのYOGA 720。CPUはCore i5-7200Uで2コア4スレッド仕様。クリエイティブな作業はちょっと辛い

しかし、今となってはクリエイティブな作業をするにはパワー不足だ。筆者は仕事柄、Photoshopでレタッチすることも、Premiereで動画編集をすることも、InDesignでDTPすることもある。これら作業は最初からYOGA 720でやろうとは思わず、デスクトップPC(Core i7-9700Kの自作PC)を使っている。

だが! 以前から仕事環境を1台のノートPCに集約させたいという野望はある。仕事先や出張先でデータの修正が求められることもあるからだ。自宅でも外出先でも同じ環境にしたほうが、データの管理もラクになる。とはいえ、薄型軽量のノートPCはパワーが無く、高性能なノートは冷却力を確保する意味でも大きく、分厚くなる傾向にある。性能とモビリティを両立するのはなかなか難しい。

そんな悩みを抱えている筆者にLenovoの「ThinkPad X1 Carbon Gen 8」の長期レポートの依頼が舞い込んだ。ThinkPad X1 Carbonと言えば、薄型軽量ながら高い性能を備えていることからヘビーなモバイラー中心に熱い支持を得ているシリーズ。まさに筆者の希望に合致するモデルと言える。

  • 薄型軽量かつ高性能で人気の「ThinkPad X1 Carbon」

薄型軽量なのに丈夫でハイスペックなのが凄い!

ThinkPad X1 Carbon Gen 8は、第10世代Coreシリーズを搭載する最新モデル。14型液晶を備え、幅323mm、奥行き217mm、高さ14.95mmの薄型ボディで重量はわずか約1.09kg、バッテリー駆動時間は最大で約19.8時間を誇る(重量とバッテリー駆動時間は構成によって異なる)。長時間の移動でも安心だ。

  • 高さ14.95mmの薄型ボディ

  • 液晶は14型なのでさすがにYOGA 720よりはフットプリントは大きくなる

  • 約1.09kgからと片手でも持てる重さ。1.18kgのYOGA 720よりも軽い

しかし、最大の魅力は薄型軽量ながら、スペックの選択肢が幅広いことにある。CPUは、Core i5-10210U/i5-10310U/i7-10510U/i7-10610Uから選択が可能。すべて4コア8スレッドでキャッシュの容量や動作クロックが異なる。ストレージはすべてPCI Express接続のNVMe SSDで256GB/512GB/1TBから選択が可能。さらに、ディスプレイはフルHD、WQHD、4Kを用意、フルHDはタッチパネル対応も選べると実に幅広い。

  • 液晶ディスプレイは14型。写真は4KのUHD DOLBY Vision IPS液晶 (3840×2160)を選択したものだ

そして、SIMスロットの追加にも対応する。筆者は外出先では、ノートPCのインターネット接続はスマホのテザリングに頼っていたが、SIMスロットがあれば、テザリングの設定をする手間も、Wi-Fiのアクセスポイントの有無を確認する必要もなくなる。もちろんSIMの場合は通信量を気にする必要はあるが。

  • 背面にSIMスロットの追加が行える。サイズはnanoSIM

筆者にとってインタフェース類の充実もうれしいところ。YOGA 720のクリエイティブな作業をするにはCPUパワーが不足しているのと並び、Type-CとType-AのUSBを1基ずつしか備えていないインタフェースの少なさも悩みの種だったからだ。

その点、ThinkPad X1 Carbon Gen 8は右側面にType-AのUSB 3.1 Gen 1が1基、左側面にThunderbolt 3に対応するType-Cが2基、USB 3.1 Gen 1が1基にHDMI出力とヘッドセット端子を備える。有線LANを備えておらず、イーサネット拡張コネクター2に別売りの対応ケーブルを接続することで有線LANに対応する形だ。これなら、インタフェース不足を感じることはほとんどない。安心だ。ちなみに無線LANはWi-Fi 6に対応する。

  • 右側面にType-AのUSB 3.1 Gen 1を1基と電源ボタンを備える

  • 左側面にThunderbolt 3に対応するType-Cを2基(1基は電源と共用)、USB 3.1 Gen 1を1基、HDMI出力と、ヘッドセット端子を搭載している

そして今回試用できることになったのは、CPUはCore i7-10510U、メモリは16GB、NVMe SSDは512GB、14型の液晶は4K解像度、SIMスロットも搭載と文句なしのハイエンド仕様。次回は定番ベンチマークでその実力をチェック。クリエイティブな作業にも耐えられるかの確認、そしてThinkPadご自慢のキーボードの使い勝手もチェックしていきたい。その後はSIMを試したり、デュアルディスプレイ環境を構築したり、USB PDの出力によって充電時間が変わるのか、などを確かめていく予定だ。

  • CPUはCore i7-10510U。4コア8スレッドでベースクロックは1.8GHz、TurboBoost時は最大4.9GHzとかなりの高クロックで動作する。TDPは15W