子どもが失敗を繰り返したり、大人の言うとおりに実行できなかったりすると、つい叱ってしまうことはありませんか? ただ責めるだけで解決できるわけもなく、悩んでいる人も多いと思いますが、そんな育児の問題を、はんめん教師さん(@hanmena)の奥様はこんな方法で解決しているそうです。
妻は子どもたちのミスをシステムでカバーしようとします。うまく手が拭けずに床が水びたしになっても、子どもたちに「どうしてきちんと吹かないの?」とは言わず「どこにタオルがあると拭きやすい?」と聞きます。教育に携わる者はこの視点をいつももっていなくてはならないと思うのです。
(@hanmenaより引用)
この投稿に、「なるほど!!!」「ただ従わせるのではなく、まず考えさせてみるという発想が素晴らしい」「子供の参加意識も高まって一石二鳥ですね」「是非ともこうありたい」「素敵な奥さまの行動に気づく素敵な旦那様」と、称賛の声が多数寄せられていました。
リプライに並んだコメントをみると、怒っても仕方ないと分かってはいても、どうしても自分の感情が先行してしまい、「なんでできないの? 」「ダメでしょ! 」と言ってしまう人が多いようですね。また、育児に限らず、職場や教育現場での指導やお年寄りへの接し方など、あらゆる場面で効果的な考え方であるといったコメントも目立ちました。
大事なのは本人の意見を取り入れること
しかしこういった考え方を取り入れたいと思う一方、すぐに言動を変えるのは難しいものです。そこではんめん教師さんの奥様に、このような考え方ができるようになったきっかけなどについてお話を聞きました。
――なぜこのような考え方ができるようになられたのですか? なにかきっかけなどはあったのでしょうか。
奥様:もともと私自身にも、うまくできないことやうっかり失敗することが多くあるので、人のミスもなるべく責めないようにしたいと思っています。
でも今回の件ではすぐにシステムを変えようと思ったわけではなく、はじめは長男に「床が濡れないようにしっかり手を拭いてから来てね」とか「手についた水をパッパッパッって払ってからタオルで拭くといいよ」と声をかけていました。しかしそれではなかなか改善せず、相変わらず手洗い後に床が水浸しになっているか、勢いよくパパパパーッと手を振りすぎて洗面台の鏡に水滴がたくさん飛び散っている状態が続いたので、今のこの子には難しいことなのかな? どうしたらうまくいくのかな? タオルの位置を変えてみたらやりやすくなるのかな? という考えに至りました。
――ほかに、同じようにシステムを変えることで問題を改善したというようなエピソードがあれば教えていただけますでしょうか。
奥様:帰宅後によく幼稚園の制服や鞄がリビングに散らばっていて、私が声をかけるまでなかなか片付けられなかったので、「ようちえんから かえったら やることリスト」を作りました。簡単な絵と文で1から10まで細かく、幼稚園から帰ったらやるべきことの順番を画用紙にかいて、幼稚園の制服や鞄を置く棚のところに貼っておきました。
このリストを作る際には、長男にもどの順番で何をやるか意見を聞いて、本人のやりやすい順番にしました。そのリストを見れば次に何をするのかすぐに分かりますし、「今6番まで終わったね! 」と達成感もあるようで、以前よりスムーズに片付けができるようになりました。
それから、洗面所の電気もよく消し忘れるので、長男に「よく電気つけっぱなしにしちゃうけど、どうしたら電気消したくなるかなぁ? 」と聞いてみました。すると「鏡のところに、『でんきを けせーーー!!! 』って、でっかく書いておく! 」という意見が出たので、少し採用して、洗面台の鏡の下のほうに「でんきを けしてね」と書いたマスキングテープを貼っておくことにしました。以前よりは忘れず消してくれるようになりました。
――親が考えるだけでなく、お子さんの意見も取り入れながら解決策を模索されているんですね。
奥様:何度も注意をするのはお互いに嫌な気持ちになってしまうので、できるだけ本人の意見を聞いて取り入れながら、みんなが気持ち良く生活できるように工夫していきたいと考えています。
――最後に、今回ご主人のツイートが話題になっていることについて、率直な感想を教えてください。
奥様:たくさんの方が共感して下さってとても嬉しく思っています。普段専業主婦として子育てをしていると、こんな子育てでいいのか、何がこの子のためになるのか、と不安になったり迷ったり悩んだりすることも多いのですが、今回多くの方が「すばらしいですね」「素敵ですね」といったコメントを書いて下さっているのを見て、とても感激して涙が出ました。
また主人が、私の子どもに対する接し方をよく見て気付いてくれて、「そういうところいいよね、すごいね」と褒めて認めてくれることがとてもありがたくて、幸せだなと改めて感じています。
今回主人がこのようなツイートをしてくれたおかげで、とても貴重な経験をさせていただき、これからの子育ての励みになりました。たくさんのご意見や「いいね」をありがとうございました。
「人のミスもなるべく責めないようにしたい」「何度も注意をするのはお互いに嫌な気持ちになってしまうので、みんなが気持ち良く生活できるように工夫していきたい」という奥様の考え方、素晴らしいですね。そして何より、ご家族に対する愛情が感じられるコメントでした。
なかなか言うとおりにしてくれないと悩んでいる人は、一度システムを見直す視点に切り替えてみてはいかがでしょうか。
なお、はんめん教師さんは、教育や社会問題などについてのブログ「反面教師」を運営しているのだそうです。興味のある方はぜひのぞいてみてください。
妻は子どもたちのミスをシステムでカバーしようとします。うまく手が拭けずに床が水びたしになっても、子どもたちに「どうしてきちんと吹かないの?」とは言わず「どこにタオルがあると拭きやすい?」と聞きます。教育に携わる者はこの視点をいつももっていなくてはならないと思うのです。
— はんめん教師 (@hanmena) February 11, 2021