「第75回毎日映画コンクール」授賞式が17日に東京・めぐろパーシモンホールで行われ、男優主演賞に選ばれた森山未來が登場した。
同賞は毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。今回森山が選ばれた『アンダードッグ』は日本映画優秀賞、撮影賞、録音賞も受賞しており、さらに女優主演賞の水川あさみ、男優助演賞の宇野祥平も出演しているなど、大集合となった。
森山は同作について「ボクシングという世界を知れば知るほど、技術や若さや気力やそういう色んなものも必要になってくるんだけど、そういうものでは片付けられない、一つのパンチで命運が分かれてしまうという過酷な世界なんだなと言うのを痛感した」と振り返る。「この時期、どうしても自分では選択できない境遇によって苦しめられてる方も多いと思います。そういう方達の後押しになる映画になればいいなと思っていた」と、コロナ禍にも絡めて語った。
役者、ダンサーなど表現者として様々な顔を持つが、今後についても「考えると自分自身が分裂しちゃうので素直に向いていけば」と方向性を明かす。司会の生島ヒロシから「感覚で動くところがある?」と聞かれると、「そうなんですかね。今日も自転車で来たんですけど、気持ちよかったです」と、会場を驚かせた。
また同作は2020年の1〜2月に撮影し、11月に公開、現在ABEMA プレミアムでも全8話という形で配信されており、森山は「もともと公開、配信の流れはあったことなんですけど、たまたまこの時代にフィットした形になっていて。アウトプットの多様性が出始めてる中で、流れとともにあるなと、客観的に感じるところです」と印象を表した。
第75回毎日映画コンクール 受賞結果
日本映画大賞:『MOTHER マザー』(大森立嗣監督)
日本映画優秀賞:『アンダードッグ』(武正晴監督)
外国映画ベストワン賞:『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督)
男優主演賞:森山未來『アンダードッグ』
女優主演賞:水川あさみ『喜劇 愛妻物語』
男優助演賞:宇野祥平『罪の声』
女優助演:蒔田彩珠『朝が来る』
スポニチグランプリ新人賞(男性):上村侑『許された子どもたち』
スポニチグランプリ新人賞(女性):佳山明『37セカンズ』
監督賞:河瀬直美『朝が来る』
脚本賞:丸山昇一『一度も撃ってません』
撮影賞:西村博光『アンダードッグ』
美術賞:磯見俊裕、露木恵美子『ばるぼら』
音楽賞:渋谷慶一郎『ミッドナイトスワン』
録音賞:藤丸和徳、瀬川徹夫『アンダードッグ』
アニメーション映画賞:『魔女見習いをさがして』(佐藤順一、鎌谷悠監督)
大藤信郎賞:『音楽』(岩井澤健治監督)
ドキュメンタリー映画賞:『れいわ一揆』(原一男監督)
TSUTAYAプレミアム映画ファン賞・日本映画部門:『ミッドナイトスワン』
TSUTAYAプレミアム映画ファン賞・外国映画部門:『TENET テネット』
田中絹代賞:梶芽衣子
特別賞:大林恭子(映画プロデューサー)