京阪電気鉄道は2月19日から、祇園四条駅に対話型の駅案内ロボットを設置する実証実験と、駅改札において白杖や車いすの利用者をIoTカメラで検知し、駅係員にリアルタイムで通知する実証実験を開始する。

  • 駅案内ロボットの設置イメージ

対話型の駅案内ロボットの実証実験では、駅利用者に対して駅案内ロボット「ekibo」による案内の有効性などを検証していく。「駅案内ロボットが自らお声がけを行い、お客さまと会話を開始することができるか」「駅の雑踏の中でも、お客さまの声を認識し会話が成立するか」「お客さまの声により言語や発話内容を判断できるか」が検証事項となっている。

祇園四条駅のコンコースに駅案内ロボット「ekibo」を設置し、祇園四条駅構内施設(トイレやコインロッカーなどの場所)や出入口の案内、乗換案内などを画面表記と音声案内(日・英・中)によって行う。実証実験は平日10~16時(初日のみ15~16時)に実施する。

  • 駅案内ロボット「ekibo」

IoTカメラを使用する実証実験は、画像解析のアルゴリズムの開発を行う企業、アプリズムとともに実施。AIによる画像認識が可能なIoTカメラ「Vieureka(ビューレカ)カメラ」(パナソニック製)を祇園四条駅の改札付近に設置し、改札を通過した白杖や車いすの利用者を自動で検知して、駅係員が利用する業務用携帯電話などの端末にリアルタイムで通知する。

京阪電気鉄道とアプリズムは、この実証実験においてAIによる検知の精度を検証するほか、駅係員が白杖や車いすの利用者に早期に気づくことで、必要なサポートと見守りに役立てられるかなどの運用面を検証し、今後のさらなる技術革新につなげていくとしている。実証実験は2月19日ら4月末まで実施する。

  • IoTカメラを使用する実証実験のイメージ

なお、「Vieurekaカメラ」はアムニモ製のLTEルーターでPoE(Power over Ethernet)給電を行うため、今回の実証実験ではコンセントの設置工事が不要で、実運用の際にも短期間で導入準備を行えるという。remot3.itのソリューションを活用することで、遠隔地からセキュアな環境での「Vieurekaカメラ」やルーターの設定変更を可能にしている。

京阪電気鉄道では、祇園四条駅を先端技術の活用に向けたモデル駅と位置づけ、今回の取組みをはじめ、さまざまな実証実験の展開を予定している。