この記事では、iPhoneを利用してQRコードを読み取る手順を解説します。特別なアプリは必要なく、iPhoneの「カメラ」を起動すればQRコードを簡単な操作で読み取ることができます(決済用QRコードを除く)。Safariの画面に表示されたQRコードの読み取り方も合わせて紹介します。

「カメラ」をQRコードに向けると自動認識

白と黒の正方形が不規則に並んだ「QRコード」は、そうは見えなくても "データのかたまり" です。QRコードをスマートフォンやパソコンで読み取り、ルールに従い処理すれば、文章や画像、WEBサイトのアドレスや電話番号など、QRコードに含まれるデータを取り出せるのです。

iPhoneでは「カメラ」アプリがQRコードを読み取り、データを取り出す役割を果たします。カメラを起動して、レンズをQRコードに向けるだけでOK。シャッターボタンをタップする必要はありません。

自動検出されたQRコードは四隅が枠で囲まれます。カメラの先に複数のQRコードがある場合は、読み取りたいQRコードが黄色の枠で囲まれるようカメラの向きを調整しましょう。

QRコードの分析は一瞬で完了し、その内容が画面上部に通知されます。あとはその通知をタップするだけ。QRコードに含まれるWEBサイトを表示したり、文字列を確認したり、メールアドレスを連絡先アプリに追加したり、QRコードの内容に適した処理が行われます。

  • iPhoneのロック画面、左下に「カメラ」を起動するアイコンがある

    iPhoneの「カメラ」を起動します。ロック画面からでも左下のカメラアイコンを強く押すと起動できます

  • iPhoneの「カメラ」でQRコードを読み取った画面

    iPhoneのレンズをQRコードに向けると、QRコードを自動認識します。読み取ってくれないときは、撮影モードが「写真」になっているかを確認しましょう。通知内容をタップすると、QRコードの内容に応じてiPhoneが動作します

「コードスキャナー」を使う方法もある

QRコードは、iPhone標準搭載アプリ「コードスキャナー」で読み取ることもできます。「コントロールセンター」から起動すれば、あとの手順はカメラアプリとほぼ同じで、レンズをQRコードに向けるだけ。撮影モードを気にする必要がないぶん、カメラアプリより使いやすいかもしれません。読み取り後のデータ利用方法もカメラアプリとまったく同じ、画面上部に現れた通知をタップすればOKです。

  • iPhoneで「コントロールセンター」を表示した画面、「コードスキャナー」のアイコンを赤枠で囲んで示す

    iPhoneの画面右上端から中央に向かってスワイプして、「コントロールセンター」を表示します。QRコード読み取り中のような絵が「コードスキャナー」のアイコンです

  • iPhoneの「コードスキャナー」をQRコードに向けた画面

    「コードスキャナー」の画面です。QRコードの読み取りに特化していて、「カメラ」とはインタフェースが異なります

Safariやメールの画面に表示されたQRコードはどうすれば?

「カメラ」アプリを利用したQRコードの読み取りは、紙(印刷物)やパソコンのディスプレイなど、カメラで撮影できるものすべてが対象です。しかし、iPhoneのカメラは物理的にiPhone自身の画面(ディスプレイ)を撮影できないため、アプリに表示されたQRコードは読み取れません。

ただし、Safariとメールアプリ、写真アプリ(カメラロール)は例外です。画面に表示されたQRコードを長押しすると拡大表示されるので、それをタップしましょう。QRコードに含まれるデータがURLの場合、そのWEBサイトにアクセスできます。

  • Safariに表示されたQRコードを長押し

    Safariに表示されたQRコードを長押しすると、QRコードが拡大表示されます

  • Safariから拡大表示されたQRコード

    拡大されたQRコードをタップすると、QRコードに含まれていたリンク先に移動できます

もしもQRコードを読み取れなかったら

カメラをQRコードに向けても枠が現れないという場合には、「設定」アプリ→「カメラ」の順に画面を開き、「QRコードをスキャン」スイッチがオン(緑色)に設定されているか確認しましょう。このスイッチがオフ(白色)の場合、カメラアプリではQRコードを読み取れません(コードスキャナーは利用できます)。

カメラアプリの場合、「写真」以外の撮影モードが選択されている可能性もあります。「ビデオ」など写真モード以外ではQRコードに反応しないため、カメラをQRコードへ向ける前に確認しましょう。

  • 「設定」→「カメラ」→「QRコードをスキャン」を図示

    「設定」→「カメラ」と進むと、「QRコードをスキャン」という項目があります。標準設定ではオンになっていて、QRコードを読み取れる状態です。逆に、カメラをQRコードに反応させたくないときは、この設定をオフにします

「○○ペイ」のQRコード決済は専用アプリで

「○○ペイ」などという名前のQRコード決済サービスは、QRコードに自社のWEBサイトアドレスを埋め込んでいます。iPhoneのカメラアプリでも読み取りは可能ですが、現れた通知をタップしても「○○ペイ」のWEBサイトに誘導されるだけで、支払いはできません。カメラアプリではなく、そのQRコード決済サービス専用のアプリを利用しましょう。専用アプリにはカメラをかざしてQRコードを読み取る機能が内蔵されています。

※「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標です。