作家の村上春樹氏が14日、都内のTOKYO FMホールで、自身がDJを務める同局のラジオ番組『村上RADIO』のライブイベント『TOKYO FM開局50周年記念 村上春樹 produce MURAKAMI JAM ~いけないボサノヴァ Blame it on the Bossa Nova~』を開催した。
本イベントは、2019年に開催された『HARUKI MURAKAMI 40th Anniversary 村上JAM ~村上RADIO SPECIAL NIGHT~』に続く、『村上RADIO』発の音楽とトークによるライブイベント。
今回のテーマはボサノヴァ。村上氏は「1回目は手探り状態でやっていたのですが、2回目はテーマを設けたほうが良いと思い、ボサノヴァでいくことになりました。緊張する時代ですけれど、すこしでもリラックスして楽しんでいただけたらと思います」と呼びかけ、「個人的に昔からはボサノヴァが大好き」とも語った。
イベントが行われた日はバレンタインデーであり、村上氏は「高校時代に何度かチョコレートをもらったことがあります。僕の高校時代からバレンタインデーってあったんですね」と懐かしみ、今年に関しては「いくつかいただきました。とても幸福な気持ちになります」とはにかんだ。
また、普段は外国にいることが多い村上氏だが、コロナ禍によって「日本でずっと仕事をしています」とのこと。現在は「神奈川県の山の中」で生活していると言い、「この間、近所をジョギングしていたらイノシシに会いました。こわいじゃない? 追いかけられたら最後だから隠れてやり過ごしたの。日本も最近ワイルドになってきた(笑)」と話し、会場の笑いを誘った。
進行役の坂本美雨が「春樹さんのお姿が見られる今回の貴重な機会で…」と説明すると、村上氏は「見てもしょうがないですよね(笑)。実在しないと思っている人もいるんだよね。架空の存在じゃないのかって」と微笑む場面も。
さらに、ギタリストの村治佳織が登場し、ギターの練習方法について説明すると、村上氏は「僕も何種類か楽器をやろうと思って勉強したことがあるんだけど、すぐにダメになっちゃう。練習が嫌いなんですよね」と漏らし、「小説家の良いところは練習しなくていいところなんですね。文章の練習なんてしたこともないですからね。それは、原稿料もらいながら書いてるから練習とか言えないですよね(笑)」と語っていた。
このほかイベントには、小野リサ、大西順子、山下洋輔も出演した。