「マージン」という言葉はビジネスシーンでよく使用される言葉の1つです。しかし、ビジネスシーンで「マージンはどの程度貰えばいいですか」「○% のマージンになります」と聞いて、はっきりと答えられなかった方もいるのではないでしょうか。
ここでは、「マージン」の正しい意味や、どのような種類があるか、「マージン」の業界別の使い方、またビジネスにおける「マージン」の計算方法についてご紹介します。
正しい意味を学んで、的確にビジネスで活用できるようになりましょう。
マージンの意味とは
マージンとは、商売上の利ざや・儲け、仲介手数料、売上総利益(売上高-売上原価)余白といった意味を持つ言葉です。
ビジネスでのマージンの意味
ビジネスシーンで使用される「マージン」は、主に「手数料」「差額利益」を指します。
「マージンを取る」の使い方・例文
ここでは、「マージンを取る」の使い方を例文で紹介します。
- 今回の取引で仲介業者にマージンを25%も取られた
- ある程度のマージンを取られるのは仕方ないことだろう
- マージンを取られたくないので、仲介業者は使わずに直接交渉をしに行こう
マージンの意味・使い方【業界別】
マージンは、ビジネスシーンでよく使われる言葉の1つですが、使われる業界によって意味合いが異なるため、以下では「人材業界」「印刷業界」「商社業界」における使用例を紹介します。
マージンの意味・使い方【人材派遣業界】
人材派遣業界において「マージン」を使う場合、派遣会社から受け取る報酬から派遣社員に支払う給与を差し引いた「仲介手数料」としての意味であることが多いです。
<使用例>
- 派遣会社を選択する際は、マージン率にも注目しよう
- マージンを減らして手取りの給料を増やしてほしい
マージンの意味・使い方【印刷業界】
印刷業界における「マージン」の意味は「余白」です。印刷物は断裁時に数ミリ刃がずれることが多々あります。そのため印刷物周囲に余白を設けることで、多少ずれても印刷物に影響が及ばないようにするのです。
<使用例>
- 文字が途切れないようにマージンを多めにとる
- これだと読みにくいから、マージンをとってわかりやすいよう調整しよう
マージンの意味・使い方【商社】
商社における「マージン」は、「売上総利益(粗利益)」「手数料」といった意味で使われます。商社における「マージン」は、ビジネスシーンにおいて使われる一般的な意味合いといえるでしょう。
<使用例>
- 取引先の会社から、高いマージンを要求された
- そのマージンでは自社に不利なため、もう一度話し合おう
ビジネスにおけるマージンの計算方法
ビジネスにおけるマージンとは、「売上総利益(粗利益)」か「手数料」を意味しますが、その計算方法も知っておくと役に立つことも多いでしょう。自分で計算できると、実務において迅速な対応ができるようになります。
ここではビジネスにおけるマージンの計算方法を紹介します。相手からマージンはどれくらいか尋ねられた際などに役立てましょう。
売上総利益の場合
売上総利益としての「マージン」の計算式は以下になります。
マージン=売上高-売上原価
基本的な計算は上記のようになりますが、販売に関する人件費や広告費、税金に関しては差し引かれません。なお、マージンから税金など差し引いた金額を売上純利益といいます。
手数料の場合
手数料としての「マージン」の計算式は以下になります。
マージン率=(マージン÷売上高)×100
営業職や販売職の方は、手数料としてのマージンの計算式を知っておくと役立ちます。このマージン率をいくらにするかで販売価格が変わるため、メーカーや販売店にとってはとても重要な値です。
マージンの関連語
「マージン」の意味や使い方、計算方法をみてきましたが、マージンという言葉は単体で使うこともあれば、ほかの言葉と組み合わせて使うこともあります。
ここではマージンのビジネス熟語をいくつかご紹介します。これらの用語を学んで、知識の幅を広げましょう。
マージンミックス
「マージンミックス」とは、商品販売に使われる手段で、粗利益率の高低を組み合わせた販売を意味します。粗利益が高い商品と低い商品を組み合わせて販売することで、安定した粗利益率と顧客単価保持を目的に行われます。
マージンコール
「マージンコール」とは「追加証拠金」のことを意味します。追加証拠金とは証券の信用取引や先物取引において委託証拠金の総額が不足した場合に支払う義務のあるお金のことで、一般的に「追い証」といわれるものになります。
「マージンコール」は損失を穴埋めする一時的措置で、その後その損失がさらに膨らむ可能性も十分考えられます。
マージン率
「マージン率」とは派遣業界で使われる熟語で、派遣会社が派遣先企業から受け取る派遣料金から社員に支払う給与を差し引き、派遣料金で割ったものを意味します。
マージン率が高ければ高いほど、派遣社員へ支払う給与は下がっていきます。派遣会社を選択する際の1つの基準として、マージン率を覚えておくといいでしょう。
マージンの類語
「マージン」はビジネスシーンにおいてよく使われる言葉ですが、馴染みのない方にとってはすぐに意味を理解できないケースも多いでしょう。こちらではマージンの代わりに使用できる類語をご紹介します。
マージンの類語を知っておくことで、説明する相手によって言い換えられ、こちらの意図が伝わりやすくなります。積極的に覚えて、ビジネスで活用してみましょう。
粗利
「マージン」の類語としての「粗利」とは、売り上げから原価やコストを差し引き残った利益のことを意味します。前述した印刷業界など、「マージン」という言葉が別の意味合いで定着している場合は、「粗利」と表現しましょう。
<使用例>
- この商品を100個売り上げることで、粗利ベースで何とか利益確保が可能になります。
スペース
「余白」という意味でマージンを用いる場合、それを「スペース」と言い換えられます。紙面上だけでなく、建物や空間に対しても使える言葉ですね。
<使用例>
- ここのスペースが足りないから、もう少し隣にずれてほしい
- このスペースは裁断のために空けておきましょう
マージンの英語表現
マージンの英語表現は「margin」で、意味もほぼ同じです。金融分野で信用取引において支払う「委託証拠金」や、貸し付けと担保価値の差を意味する「貸付余裕額」を指すこともあります。
また、経済においては「粗利」を意味するほか、単純に本来の意味である「余白」を表す表現にも使います。
<使用例>
- The profit margin in low.
利益率が低い。 - he jotted a note in the margin.
彼は余白にメモをした。 - Transitional measures pertaining to customer margins.
委託証拠金に関する経過措置。
ビジネスでのマージンの意味や使い方を覚えておこう
「マージン」の意味はビジネスでよく使用されることや、業界によって意味合いが異なることを紹介しました。マージンは、場面によってさまざまな意味を表す言葉です。シーンに合わせて適切に使えるようにしましょう。